| ■
小説アプ |
■
にゃお
(1736)投稿日:2004年04月12日 (月) 02時37分
|
 |
最近ふと思う。錬金術とは等価交換の法則の元に成り立つ術であるが、世の中の全てにおいても同じことだと思う。食べる為には働き、働くためには誰かに仕える。何をするにも代償が必要である。しかし、愛というものはどうなのだろうか?愛は何を代償に得られるものなのだろうか?私が愛せば、相手は私を愛してくれるのかと言えば、そうではない。逆も然りで、誰かに愛されたからと言って、その相手を愛せるとは限らない。世の中の全てにおいて、代償は付き物の筈なのに、何故愛だけは無償なのだろうか?いや、必ずも無償な愛ばかりではないことは確かだ。一度育んだ愛には代償が必要である。例えばヒューズのように結婚し、子供を授かれば、愛することに対しては無償ではあるが、生活するにあたっては代償が必要である。家族を養う為に働き、働く為に家族との時間を割かれる。常に陰と陽がが背中合わせの状態だ。果たして私は誰を愛せばいいのだろうか?そして、誰が私を愛してくれると言うのだろうか?今はただ、闇雲に手探りをしている状態で、誰の手も掴めていない・・・。私が想いを馳せているのは、やはり「あの人」なのだろうか?あの人は誰を愛しているのだろうか?気になると言う事は、やはり私はあの人を愛している、ということなのだろうか?分からない、分からない・・・。何を代償にしたら、この答えを教えてくれるのだろうか?私も「真理」というものを見てみたい。そこには答えがあるような気もするし無いような気もする。しかし、今は藁にでも縋りたい気持ちでいっぱいだ。等価交換なんて所詮、人間が創り出した物。では愛は?人間の感情というものが作り出した甘い不実なのだろうか?そう、理想の果実は不実でしかないのかもしれない。今の自分も夢の中での自分なのかもしれない・・・。等価交換の法則が成り立たない理由が他に見当たらない。・・・・・。夢が覚めない・・・此処にいるのに・・・。
|
| |
|
| |
■一時保存です。/にゃお
(1739)投稿日 : 2004年04月12日 (月) 02時41分
|
| |
 |
某サイトで注意書きを読みきれてなくて、もしかしたら削除されてしまうかもしれないので、ココにちょっと保存しただけなので、すごく読みにくいです。 それでも読みたい!!という方は、気合で読んで下さい(爆)。 |
| |
|
| |
■Final Emotion また一時保存/にゃお
(1740)投稿日 : 2004年04月14日 (水) 00時43分
|
| |
 |
見慣れた筈のこの街並みも、今のボクには孤独な迷路にさえ思える。
「あの日」からボクには、目眩くドラマが繰り広げられる。
これが夢ならば・・・どんなに快いものだろうか・・・そう心で悔やみ、与えられた
もう一つの夢に「何か」を見つけ出して走り出す。
粉雪が舞い散る季節を迎えた・・・。でもボクは感じることが出来ない。
この身を代価に払っても、何一つ得られるものは無かった。それどころか、
兄さんの一部までも奪い、そして心の奥に癒えることの無い、深い傷を負わ
せ、漆黒よりも暗い闇で蔽い尽くしてしまった・・・。
気が付けば、眠れない心・・・意味の無いボクがいる。
ボクの魂は・・・ボクの心は・・・本当に存在するのだろうか?まるでメリーゴーラ
ンドのように切なさだけが廻る。
さよならを告げる度に、季節はまた巡ってくる。空っぽな風と共に。
ボクの夢はいつ醒めるのだろうか?ボクは此処にいるのに・・・。
本当にボクは存在しているの?ねぇ、兄さん。ボクの声が届いている?
何が足りないというのだろうか?
そう呟くボクの心は、流れる筈も無い涙色に染まっていく。
駆けていく人々は、冬の空へと溶けていく。まるでボクを一人取り残していく
かのように。
夢から醒めたい、病める日々に終止符を打ちたい。ボクは此処にいるよ。
未来(あした)は嘘にしたくない、そう願いたい。
願うことしか出来ないボク・・・。
こんな今だけど、こんなボクだけど・・・いつかは・・・Final・・・ |
| |
|
| |
■Travel wizout end in XYZ/にゃお
(1741)投稿日 : 2004年04月14日 (水) 00時44分
|
| |
 |
オレ達に父さんはいなかったが、母さんとアルと三人で、決して裕福ではなか
ったが、それなりに楽しく暮らしていた。
父さんがいなかったことに寂しさを感じたこともあったし、苛立ちを覚えたこ
ともあったが、オレには母さんやアル、そしてウィンリィやばっちゃんがいた
から、今までやって来れた。
今まで・・・?
ある日その平穏な日常は音も立てずに崩れ去った。大事な母さんを失い、「禁
忌」を犯すことによって、たった一人残された家族のアルさえも失いかけた。
「造りし者」である錬金術師が、「壊さる者」となった一瞬だった。背筋も凍
る想いだった・・・。
そこでオレは初めて「真理」に出会った。あの時はアイツが誰だったのかも分
からなかったが、もしかしたら、オレの中にいるもう一人のオレなのかもしれ
ない・・・と最近ふと思う。
オレはありったけの力を振り絞って、なんとかアルの魂だけは留めることが出
来た。今のオレだったら、もっとアルの体を取り戻すことが出来たのだろう
か?それは今となっては、もう分からない・・・。あの日以来、アイツには会って
いないからだ。次にアイツに会うときは、この旅が終わりを告げる時だとオレ
は思う。
それからもオレ達は修行を怠らない。組手をしたり、練成に磨きをかけたり。
毎日毎日・・・。
そしてオレは疲れ果てて、飯を食い、眠りに就く。しかし、アルは疲れること
も腹が空くことも、眠ることもない。オレが眠りに就いている止まった時の中
で、アルは何を想い、感じているのだろうか?
それさえもオレには分かる余地がない・・・。不甲斐ない兄貴だ・・・。
例えオレの身体が全て機械鎧になったとしても、アルの体が取り戻せれば、オ
レはそれで構わない・・・。それが等価交換の条件なら、安い物だ。元を正せ
ば、全てオレの所為だから・・・。
これからもオレ達の旅は続く。ただただ、崖っぷちを只管と進む終わりの見え
ない旅が何処までも・・・。
でもいつかは終らせてみせる。アルの為にも母さんの為にも。そして自分自身
の為にも・・・。 |
| |
|
| |
■Wing of wax〜蝋の翼〜/にゃお
(1745)投稿日 : 2004年04月18日 (日) 23時53分
|
| |
 |
時は音も立てずに流れていく。ただ静かに流れていくだけだから、
誰もその速さに気付くことがない。その速さはあの雲の流れよりも速い。
知らず知らずのうちに、こんなにも遠くまで来ていることもある。
目印にしていた筈の子供の頃に遊んだあの大樹も、今では見当たらない。
此処が何処かなのかさえ、もう分からない。キミの影すら見当たらない。
一人で飛んだつもりが、いつの間にか堕ちていた。所詮は蝋で固めた翼。
誰の力も借りずに飛べる訳がなかったんだ・・・。
誰かほんの少しでいいから、オレの背中を押してくれ。
そしたら今度こそ飛べるような気がする。
でもそんな馳せる想いばかりで前のめりしていては、いつかは駄目になるよ、
そうキミが言ってたっけ。
遠い過去の薄れた記憶。
それでも構わない、オレは飛びたい。
羽の色なんて何色でもいい。どうせ飛び立つのは淀んだ空。ただ飛べればいい
それだけで十分。
”Stagnating sky”淀んだ空に浮かぶのは、
”Cloud of pretense”見せ掛けの雲。
光をたどり、切り裂き進む。
模られた翼、切り落とされたオレの腕。オレがオレの翼。
塞ぎ掛けたこの眼を見開いて、あの光をたどり、駄目じゃないと伝えたい。
例え見せ掛けの蝋の翼でも、キミに想いを届けることくらい出来るだろう・・・
|
| |
|
| |
■朱き瞳の奥で/にゃお
(1746)投稿日 : 2004年04月18日 (日) 23時54分
|
| |
 |
足早に過ぎる時・・・遠くに止まる鐘の音が鳴り響くき、私はたそがれ、
徐に爪を噛む。
太陽に見え隠れする月、まるで私と君の関係のようだね・・・ふいに心が軽く
なる。
窓越しに君の姿が映る。その隣には、少しずつ醜くなっていく私の顔が映る。
情けない・・・このような顔を君に見られているのかと思うと、心の闇に一筋の
涙が流れる。飲み干そう、枯れるまで・・・。
ただ吹き込む風と戯れる。
「何か御用ですか?大佐」
君は気付いているのだろうか、それとも気付いていることを悟られないように
しているのか、はたまた何も気付いていないのだろうか・・・。私には分からな
い。ただ、君は屈託の無い微笑で私を呼ぶ。
「ホークアイ中尉、君は何故軍部に志願したのかね?」
「!?
・・・・・。
どうしたのですか?今更そのようなことを・・・」
先程の微笑みは消え、表情が曇る。
「・・・・・」
「・・・・・」
二人を沈黙が優しくも鋭く包む。
「志願した理由・・・ですか?」
朱く渇いた君のその瞳は何を見つめているのだろうか?いや、誰を見つめて
いるのだろうか?深く透き通る時が、全てを空白にしようとする。
「守りたい人がいたから・・・。
動機はそれだけです、不純ですが・・・」
「そうか・・・」
身体から感情が離れていく。まるで愛情だけが絞首台に吊るされたかの様に。
「忙しいのにつまらない事を訊いてすまなかったね、ホークアイ中尉」
「いえ。
他に御用がないのであれば、仕事がありますので、私はこれで下がらせて
頂きますが、宜しいでしょうか?大佐」
「ああ・・・頑張ってくれたまえ」
静かに扉が閉まる。
救いの女神は雲の中へと消えてしまったかのように、時計の秒針が愛惜しくも
苦しく時を刻む。
君の残り香に掌をそっと翳す。熱い・・・。私の想いの所為なのか、それとも
君の拒絶する心の所為なのか。
冷たい視線を浴びても構わない、罪深く笑われても構わない。
壊された記憶・・・私とでは描けないのだろうか?
独り言が空を切り、廻る。
切なさと溜息が奏でる調和(ハーモニー)。
叶うはずもない夢を見ている私はカナリヤ、籠から出ることはない。
君は徐に揺り籠のように揺らすだけで、決して開けてはくれない。
あの空へ一緒に飛び立ちたい。君の朱き瞳にあの蒼空を映してあげたい。
でも私は自分の気持ちさえ囀ることの出来ないカナリヤ。
君の朱き瞳の奥に見え隠れする闇と光。
私の入り込む隙はないのだろうか?
ほんの少しで構わない。朱く渇いた瞳に蒼き華を咲かせたい。
最後の夜が来るのならば、朝が来るまで君と踊り明かしたい。
両手に絡み付いて取れない程に、君を抱きしめたい・・・。
|
| |
|
| |
■さくら サクラ/にゃお
(1747)投稿日 : 2004年04月18日 (日) 23時55分
|
| |
 |
「じゃぁな、ウィンリィ。行ってくるよ」
手を振り見送る私を後にして、セントラルシティへの列車はエドを運び進む。
エドの小さな体が、どんどんと小さくなっていく。
あっという間に見慣れたあの笑顔も地平線の彼方へと消えて行った。
いつまでも小さな幼馴染だと思っていたけれど、男の子はあっという間に成長
していってしまうんだね。
ずっとずっと一緒だと思っていた。
でも違うんだよね・・・。
ねぇ、エド。あのサクラの木を覚えてる?子供の頃に3人でよく遊んだあの
サクラの木・・・。
エドが思いっきりブランコを押すから、アルが勢い余って落っこちちゃって、
大怪我しちゃってさ。おばさんにすごく怒られたよね。
私のお気に入りの帽子が風に飛ばされて、木の枝に引っかかったとき、
擦り剥きながらも取ってくれたね。
そういえばあの時、帽子の近くにあった鳥の巣が台風で飛ばされそうになった
時、ピナコおばあちゃんやおばさんが引き止めるのを無視して、3人で守りに
行ったよね。
帰ってきたズブ濡れで泥んこの私たち、すごく怒られると思っていたのに、
待っていたのは優しい笑顔と温かいミルクと毛布だったね。
みんなすごく怒られることを覚悟して帰ったもんだから、拍子抜けして、
大泣きしちゃったよね。
今年もあのサクラの木はキレイな花を咲かせるのかな?
ねぇ、サクラが散るまでには戻って来れる?
やっぱり無理・・・かな?
なら、私の想いと共にサクラの花びらを風に乗せてエドに届けたい。
この舞い散る雪よりも、美しくも儚く咲き狂うサクラの木の下で、
エドの帰りを待ってるよ・・・。 |
| |
|
| |
■母なる錬金術師/にゃお
(1748)投稿日 : 2004年04月18日 (日) 23時57分
|
| |
 |
「ごめんね・・・アンタ・・・」
血塗れになったイズミの口から漏れるように囁かれた。
何でこんなことになっちまったんだろう・・・。
あたしさえ、あたしさえしっかりしていれば・・・あのコを失うことはなかった
そして、あのコの転生を願うことも出来ない身体になり、今じゃこのザマ。
情けないったらありゃしない。
アイツらに偉そうなこと叩けたクチじゃないね、あたしも。
禁断の扉だと分かっていても、止めることができなかったんだよ。
何としても開けたかった。だから叩いたんだ、あの扉を。
あの扉の向こうにあった物は・・・何だったんだろうか?
ただ、照らされた欲望だけが曝け出された。
アイツらが母親を失ったのは、アイツらの所為じゃない。
でもあたしがあのコを失ったのは、あたしの所為以外、何物でもないんだ。
全部あたしの不注意。
失敗したのに、代価として持って行かれたあたしの内臓(なかみ)。
得たものは真理なんぞいう、何の役にも立たない物。
そんな物、あたしは望んじゃいない。
馬鹿げた物の為に、あたしは自分の身を切り売ったんだ。
またアンタを悲しませる羽目になっちまったね。
何て言えばいいんだろう・・・。
透き通る身体から光が漏れる。
その中に垣間見る絶望。夢であれば、と何度も願う。
汚れなき天使になるはずだったあのコも、霞んで見える。
汚したのはあたし。
純白なあのコを血色で染めたのはあたし。
蹲るあたしの前で嘲笑うアイツ。
憎い・・・悔しい・・・情けない・・・。
涙すら出てこない・・・。
傷んだ羽の代わりを見つけてあげたいが、今のあたしには無理だね。
いや、きっとあたしには無理なんだ。
冷たい意識の中で噎せ返る罪と罰の中。あたしはもがき苦しむ。
でも、あのコの苦しみに比べれば、どうってことはない。
それがあたしに架せられた罪への罰なのだから。
雁字搦めに絡められたまま、あたしは堕ちて行く。
苦しそうで悲しそうなあのコの傷を舐めて、そっと抱いて、
聖母マリアを演じているつもり。
偽善、虚言、理想、現実・・・。
そんなあたしに何を創り出せるというのだ?
分からない、何も・・・。
ただ、あたしはあのコの笑っている顔を見たかっただけなんだ。
多くを求めた訳じゃない。
なのに、そんなに悪いことなのか?
なぁ、お前は何が欲しいんだ?
あたしの身体ならいくらでもくれてやる。
だから、あのコを返しておくれ。
そしてもう、アンタを悲しませたくないんだ。
母で在りたい。
なのに母になれない。
物を創り出すことは出来ても、あのコを産むことすら出来ない。
何が錬金術師だ、一番欲しい者も創り出せない。
愚弄で滑稽だ。
そんなあたしが師匠?何を偉そうに言ってるんだろうね、あたしも。
あのコを産みたい、あのコに会いたい。
他に何も創れなくてもいい。
あたしは「母なる錬金術師」になりたい・・・。 |
| |
|
| |
■obsessed life/にゃお
(1749)投稿日 : 2004年04月23日 (金) 23時51分
|
| |
 |
破滅を垣間見た支配された時の流れに、新たなる混沌が生まれようとしていた・・・。
ある者は堕落し、ある者は嗚咽をする。またある者は名も無き花を眺め、ある者は眠りに吐く。
長い長い物語の一ページ目を開く。そこには愚かな過ちと、辛き運命を背負った少年たちがいた・・・。
闇に埋もれた心に少年達は誓う。
魅せられた蜜の糸が切れようとも、この奈落の底から這い上がると。
飼い殺された鏡の前で強く願い、生きる。
小さい方の少年は、夢を絶望という名の色に塗り替えられた。
それでも儚くも兄に寄り添い、光を諦めない。
諦めてしまったら、全てを無に返すことだと理解っていたから。
闇と共に始まる宴は、ほんの序章。蠢く不安に耳鳴りが止まない。
それでも少年達は糸を辿る。
少年達の終焉はどうなるのだろうか?そう思いながら、ページを捲る。
そこには己の過去に幕を下ろした男がいた。
男は何を想い、天を目指すのか。人の狗となり、また人を狗として扱う。
人であって狗、狗であって人。
己を代価として差し出してまで、目指す天があるというのだろうか?
神などいないというのだろうか?それとも己が神?
根拠の無い自信はどこから生まれるのだろうか?何がこの男に力を与えているというのだ?
過去を偽り、未来も見せぬ男。唯一見せるのは野望のみ。
指先から迸る紅き焔は、全てを灰に還す。絶望も苦痛も全て消し炭に・・・。
紅き焔・・・紙を伝わり、私の心は凍てつく想いだった・・・。悴む指を温めながらページを捲る。
弾に想いを込める女がいた。
銃口から響くのは、退化しつつある思い出に怯える女の叫び。
その細い腕で何を撃ち抜こうというのだ?
激しく吹き荒れる風は、絹糸のような女の髪を奏でる。
紅き瞳は涸れ果てた涙の色?それとも復讐の焔の色?
どんなに血の涙を流そうとも、色褪せることのない女の瞳。
今日もまた、躊躇うことなく引き金に指をかける女がそこにいた。
マリアの心は、男には計り知れないものだな・・・そう苦笑いをしながらページを捲る。
闇を煙に巻く男がいた。
捕りとめた過去も現在もない男。ただいつも煙に巻かれ、生きている。
その煙にどんな想いを乗せているのだろうか?誰にも解らない。
風が季節を運ぶように、煙が男を運ぶ。
そう、煙が彼の全て。煙だけが彼を知っている。
彼の煙はどんな味なのだろうか?煙草を飲みながらページを捲る。
愛から引き離された男がいた。
愛の為に生きた男が、最期の語らいも出来ぬまま、妻を想うが故に
闇への階段を転がるように死を招いた。何も言えず、何も聞けず、終止符を打つ。
この絶望感は、どこに吐き出せばいいと言うのだ?
目の前にあるのは虚無。成す術もない。
流した涙は、いつの日か花となる。
絶対為る愛の形は、大地に花を咲かせるから、この世は美しいものなのだな、
と心に刻みページを捲る。
一度の過ちが二度目の過ちを生み、己を失う女がいた。
人を愛するが故に、罪の代償に新たなる悲しみと絶望を生む。
後悔の輪廻。いくら懺悔しても拭われる事の無い天罰。
偽善者のように人に教えを与える。少しでも罪が軽くなるように、と。
でも女の元に辿り付いたのは、同じ過ちを犯した少年達。胸が苦しくなる。
母になりたい。そう強く願い、少年達を谷底へと突き落とす。
それでも、所詮愚像。母にはなれない。それが女への裁き。
母になれぬ女は、母よりも脆いものなのだろうか?
飾られた写真立ての中で微笑む母を見ながらページを捲る。
額に民族の悲しみと、右腕に復讐を刻む男がいた。
創造は破壊。形在る物がいつか壊れるように、生のある物はいつか死が訪れる。
神に変わって天罰を下そうと言うのか?
破壊は何も生まない。いや、憎しみを生む。その憎しみの中で男は生きる。
全てを無に還すまで、壊し続ける。
誰が男を止められると言うのだろうか?
ただ男は、己の右腕を戒める事から誓い、過去をも壊し、全てが始まった。
破壊から生まれた創造。
悲しき同胞との別れ。もし私にその時が来たら、破壊者になるのだろうか?
心に不安が過りながらもページを捲る。
永遠に架せられ、父を慈しむ者達がいた。
生の輪廻から解き放たれる日がいつか来ると、あの泉の水よりも清らかに願う。
ある者は愛に固執する。
届かぬ想いに影を重ね、孤独に背を向ける。それでも、影は影。光に遭い反する物。
傷口を舐めても癒える事はない。
寂しさを色欲で紛らわすことしか出来ない、悲しい女の運命。
ある者は全を欲する。
金
女 地位
名誉
この世の全て。
強欲が故に、全の前に終わりを告げ、滅びる事を男は未だ知らない・・・。
ある者は、縛られた鎖をも食べ尽くす。
男の好物は生。生きるためではない。ただ、それが男の全て。食べ尽くす事で、存在を得る。
赤子が揺り籠で眠るように、男は生の中で生きる。たとえそれが無意味な暴食だとしても。
ある者は己以外を羨む。
何もかもが気に入らない。寧ろ己の存在価値すら気に入らないのかもしれない。
自分が男なのか、女なのか、それすら解らない。
男であれば女が羨ましい、女であれば男が羨ましい。
だからその者には性別がない。あるのかもしれないが、在りたくないと願う。
彼とも彼女とも呼べないその者の存在は、限りなく無に近い有。
全てに嫉妬するが故に、その者は変化を繰り返す。
誰もが憧れる永遠という名の響きは、その者達にとっては悲痛でしかないのかもしれない、
時を刻む針に目をやりながらページを捲る。
その左眼に世界を埋め込む男がいた。
秘められたのは神?全てを切り刻む。男は何も恐れない。
絶対為る存在、でも誰も男の軌跡を知らない。ただ、男の胸には無数の過去の栄誉が輝いている。
男が飼い主、今日も狗に餌をやる。そう、飼い狗に手を噛まれぬよう。
全は一、一は全であるように、男が世界、世界が男。
男を超越する物は、未だこの世には存在しない。
世の流れは常に儚き夢。夢を見ては絶望し、落胆する。
ほんの序章にしか過ぎない、この物語。本を綴じるまでには、まだまだ時間が必要なようだ。
彼らの全てはobsessed life。
そんな私も・・・。 |
| |
|
| |
■Conviction /にゃお
(1750)投稿日 : 2004年04月23日 (金) 23時52分
|
| |
 |
押し寄せるのは孤独。己の弱さを知らしめるから。
説得したつもり。でもそれは納得の答えではない。
噛み締めた口に広がる紙の味。
拒絶される事に眩暈する。
一つになろうと言った訳じゃない。
1 added one is 2.
重ねる言葉に夢を見た。
僕は鏡。
己を映し、貴女も映す。
いつの日か、鏡の中に囚われし貴女。
僕は貴女になる。
いや、貴女よりも貴女らしく演じる。
羨む事でしか生きていけないと言うのだろうか?
応えを求めることは愚か?それとも傲慢?
ConvictionさせたつもりのEnvy。
そう、それが僕の名前・・・。
|