北海道マンション管理問題支援ネット
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HP管理員 2008年09月14日 (日) 10時44分 No.856
≪マンション管理新時代≫
ご質問者のお住まいのマンションの管理規約にマンション標準管理規約(以下、標準管理規約)の22条(窓ガラス等の改良)(注1参照)に準拠した条項がある場合は、同2項にあるように管理組合が計画修繕工事として速やかに実施できない場合であれば、区分所有者が管理の主体となって、細則に従ってその責任と負担において工事を行うことができます。(注2の表中にある「例外1」参照)
22条に準拠した条項と細則がお住まいのマンションの管理規約にない場合は、管理組合が管理の主体となります。各区分所有者のレベルでは自由勝手にはできません。工事を行うには総会の普通決議が必要となります。
以上からわかるように、各区分所有者がスムーズに工事を行えるようにするには、標準管理規約22条に準拠した条項をお住まいのマンションの管理規約に織り込んだうえで細則を制定することが一番確実であり、法令に適正に対応した方法です。
では、既存の窓ガラスを性能向上のためにペアガラスや真空ガラスに交換する場合はどうでしょうか。
標準管理規約21条1項は「敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の管理のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない」と定めています。
この後段の「ただし書」は通常の使用に伴うガラスの交換(保存行為)を想定していると考えられ、「性能向上工事」は想定していません。
よって、既存の窓ガラスをペアガラスや真空ガラスへ交換する場合は、上記の二重サッシの取り付けと同様に、お住まいのマンションの管理規約に標準管理規約22条に準拠した条項があるかないかで管理の主体が決まることになります。
現実には、窓ガラスだけ変更する場合、管理規約に標準管理規約22条に準拠した条項がない場合でも、既存のガラスと同系色のペアガラスや真空ガラスなどへの交換であれば、管理組合への工事申請だけで容認しているマンションもまま見受けられます。
ただし、これはあくまでも暫定的な対応策と考えるべきです。速やかに標準管理規約22条に準拠した条項を管理規約に織り込むこと、そして細則を制定することをお勧めします。
ここで念のため、窓ガラスと窓枠などについて、標準管理規約21条1項が定める「通常の使用に伴う」保存行為として、専用使用権者がその責任と負担で行える工事を整理しておきます。
(1)窓ガラスの現状復旧工事
(2)窓ガラスの室内側に容易にはがせるUVカットフィルムや防犯フィルムを貼る工事
(3)戸車の取り替え工事
(4)クレセントの現状復旧工事
(5)網戸の現状復旧工事
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/mansion/column/20080828/525675/?P=2
HP管理員 2008年09月14日 (日) 10時45分 No.857
≪マンション管理新時代≫
注1.マンション標準管理規約
(窓ガラス等の改良)
22条 共用部分のうち各住戸に附属する窓枠、窓ガラス、玄関扉その他の開口部に係る改良工事であって、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等に資するものについては、管理組合がその責任と負担において、計画修繕としてこれを実施するものとする。
2 管理組合は、前項の工事を速やかに実施できない場合には、当該工事を各区分所有者の責任と負担において実施することについて、細則を定めるものとする。
(敷地及び共用部分等の管理)
21条 敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の管理のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。
2 専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる。
(専有部分の修繕等)
17条 区分所有者は、その専有部分について、修繕、模様替え又は建物に定着する物件の取付け若しくは取替え(以下「修繕等」という。)を行おうとするときは、あらかじめ、理事長(第35条に定める理事長をいう。以下同じ。)にその旨を申請し、書面による承認を受けなければならない。
4 第1項の承認があったときは、区分所有者は、承認の範囲内において、専有部分の修繕等に係る共用部分の工事を行うことができる。
(2項、3項、5項は略)
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/mansion/column/20080828/525675/?P=3

HP管理員 2008年09月12日 (金) 18時37分 No.853
≪NIKKEINET 住宅サーチ≫
マンションの資産価値を守るために必要な要素とは
マンションにおけるコミュニティー機能を考えるときに無視できないもうひとつの“価値”が、「資産」の観点です。マンションへの永住意識は高まってきていますが、売却しない場合でも、ライフステージの変化を想定し、賃貸に出したときの市場価値を把握しておくのは非常に大切なことです。
管理組合によって裏付けられたコミュニティーが、マンションの共同管理を円滑にすることは前述の通りですが、適切な管理がマンションの資産価値に差をつけることを表した興味深いデータがあります。
表は、東京都目黒区で築30年以上のすべてのマンションの共用部分の維持管理状態を私どもの研究室で実際に歩いて調査し、市場価格との相関性を調べたものです。経年劣化が進むマンションから、築30年以上とは思えない良好な状態のものまでを4ランクに分け、それぞれで中古販売価格を算出したところ、明らかな違いが結果に表れました。適切に維持管理されているマンションは、そうでないものの平均2倍以上の資産価値を有しています。
建物の修繕だけではなく、市場価格が高かったマンションでは、新たにオートロックや宅配ボックスを設置する、バリアフリー設計にするなど、時代に合った工夫が見受けられました。また、外壁の色を決めるために所有者が全員で集まって試し塗りし、バランスを見ながら話し合ったなどの例もあります。それらの取り組みの土台となるのがマンション管理組合であり、大規模修繕に向けて所有者全員が集まって、今何が必要かをしっかり話し合っていることが成功につながっています。
現在、政府が提唱する200年住宅ビジョンを背景に、「つくっては壊す」フロー型から「いいものを大切に長く使う」ストック型への移行が業界全体で進んでいます。そうした中、現状ですでに全国の住宅数は世帯数の約1.14倍(総務省統計局統計調査部国勢統計課「2003年度住宅・土地統計調査報告」)とされていて、一つの世帯が複数の住宅を所有するというケースもありますが、それでも1割近くが空き家だと推測できます。これは全国均等に空き家が生まれているわけではなく、居住者離れが進んでいる特定の地域があると考えるのが自然でしょう。
この差となってくるのが住環境です。長期間での所有や居住を前提とするからこそ、土地や建物の価値を超えて住環境の価値に注目が集まり、一つの街、一つのマンションという単位で選ばれるためのブランドをつくっていく必要があるのです。住環境をより良くし、確かな資産性を守り続ける役割こそがコミュニティーに求められていると言えるでしょう。それは自分たちのマンションをどう管理していくかという問題にもつながってきます。
200年という長いスパンでマンションの資産性を考える場合、長期に渡って住環境を守るための「適正に管理し続ける」ルールづくりや計画が重要となってきます。20年、30年、40年と、長期修繕計画を立て、その資金を準備したり、共用部分に関しても後々の変更のしやすさを考えた設計を施すなどの配慮も大切です。
場当たり的ではなく、組織的・計画的なマンション管理のために、各コミュニティーで形成する管理組合の役割はいっそう拡大していきます。そこには専門家のサポートも適切に取り入れていくべきでしょう。超長期的視点で今後どのような住宅技術の発達が見込まれるか、それに対してどのような管理体制を築いておくか、プロのアドバイスを管理の土台に置いておく必要があります。また、マンションの寿命が長いほど所有期間には個人差が生まれますが、それに関係なく公平な決定権や費用負担ができる民主的なルールもあらかじめ設定しておかなければなりません。
これまでの「守りの管理」から「攻めの管理」へと変わることが必要です。そのためには問題が発生する前にそれを回避する仕組みづくりが必要です。これこそが、200年住宅ビジョンを見据えたマンション管理のポイントとなります。「環境」と「資産」を総括したマンションの価値を長期的に守り、住んでいて心地よく、さらに人から人へ受け継いでいきたくなる住宅とするためにも、コミュニティーの主体的な取り組みがますます重要になると言えるでしょう。
http://sumai.nikkei.co.jp/sp/vision_200/interview02_02.html
sugana 2008年09月11日 (木) 12時08分 No.851
投機規制と需要傾向が下がり価格に反映か
灯油価格9月は100円台に下がるか
アメリカ議会による投機規制法案が立て続けに提起されているように、化石燃料の高騰を抑えようとする動きが世界的に出ています。
世界の金余りが投機対象にして灯油価格を高騰させていましたが、投機に対する秋風が吹き始め下火になっているそうです。
また、インド、中国などの灯油需要国家の需要が軒並み下降気味になっていることと、国内においても灯油の節減が影響しているそうです。
以上のような理由で市況が冷え始めているようです。何とか昨年並みの価格にならないだろうか。期待しているところです。
従って、9月分の共同購入価格も100台になるかも知れません。
HP管理員 2008年09月10日 (水) 11時33分 No.848
≪マンション管理新時代≫
2007/10/22
【判決】マンションの住み込み管理員、平日は待機時間も労働時間と認定、最高裁
断続的に実作業に就いているケースが多い住み込みのマンション管理員の労働時間をめぐって、最高裁がこのほど初判断を下した。
東京・北区の分譲マンションに住み込み管理員として勤務していた夫婦が管理会社を相手取り、残業代(割増手当)の支払いを求めていた訴訟の上告審で、最高裁判所第二小法廷(津野修裁判長)は10月19日、管理員室の隣の居室に待機している平日の早朝・深夜も管理会社の指揮命令下に置かれていれば労働時間であると認める一方、休日は実働時間に限って労働時間と認める主旨の判断を示した。
原告は1997年3月から2000年9月(夫は死亡時の同年6月)まで、東京・北区の分譲マンション(13階建て、126戸)の住み込み管理員として勤務していた。同マンションは3〜13階が住戸、1,2階はスーパーマーケットなどの店舗・事務所として賃貸され、管理員の住み込み用の居室が管理員室の隣に用意されていた。
管理委託契約では、管理員は住み込みとすること、執務時間は午前9時から午後6時までとすること、休日は日曜日、祝日および管理員の有給休暇の日とすること、執務場所は管理員室とすることが定められていた。
管理会社は夫婦をともに管理員として雇用。基準内賃金のほか、割増手当(残業代)に充当する趣旨で、特別手当として夫に月額1万5000円、妻に同1万円を支払っていたが、夫婦は管理会社の就業規則で定めている割増手当の一部が未払いであると主張して訴訟を起こしていた。
二審の東京高裁判決(2004年11月24日)は、管理会社の就業規則で法定外休日とされていた土曜日も平日同様に午前7時から午後10時まで夫婦2人で勤務していたこと、休日の日曜日は夫婦のうち1人が同じ時間帯に勤務していたこと、病院への通院や犬の散歩は住み込みの状態であることを考慮すれば管理会社の指揮命令下から離脱していないこと──など原告側の主張を広く認めたが、管理会社側の上告を受けた最高裁は今回、この判決を破棄し、労働時間の算定をやり直すよう審理を差し戻した。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/mansion/20071022/512602/
HP管理員 2008年09月10日 (水) 11時34分 No.849
≪マンション管理新時代≫
2007/10/22
判決文によると、管理会社は管理員夫婦に対して、午前9時から午後6時の所定労働時間内に、1)管理員室での受付など、2)1階の店舗に納品される商品を収納したコンテナの台数の確認、3)水道水の異常の有無の点検、4)建物内外の巡回、5)自転車置場の整理、6)リサイクル用ごみの整理、7)工事業者や来訪者の駐車依頼への対応、8)宅配物等の受け渡し、9)管理日報・管理業務報告書の記載その他報告などの業務──を行うように指示していた。
また、平日の午前9時以前、午後6時以降についても、1)管理員室の照明点灯(午前7時)、2)ごみ置場の扉の開錠(午前7時)、3)テナント部分の冷暖房装置の運転開始(午前8時30分)、4)テナント部分の冷暖房装置の停止(午後8時)、5)無断駐車の確認および発見後の対応(午後9時)、6)ごみ置場の扉の施錠(午後9時)、7)管理員室の照明消灯(午後10時)──を行うよう指示。所定労働時間外でも、住民や外来者から宅配物の受け渡しなどの要望があった場合には随時対応すべき旨を記載した業務マニュアルを併せて手渡していた。
さらに、土曜日については平日と同様の業務を1人が行い、翌週の平日の1日を代休に当てるよう指示して夫婦の承諾を得ていた。日曜・祝日については、管理員室の照明の点消灯とごみ置場の扉の開閉のみを指示していた。
実際には管理員夫婦は所定労働時間内に行うよう指示されていた業務を時間外に行うこともあり、休日も住民からのインターホンの呼び出しに応じ、居住者不在時の書留郵便、宅配物の受け渡し、駐車の指示、自転車置場の整理、リサイクル用ごみの整理などの業務に従事していた。代休を取ることはなかった。
最高裁は今回、平日の午前7時から午後10時までの時間(正午からの1時間の休憩時間を除く)については、2人が管理員室の隣の居室にいる場合でも管理会社の指揮命令下で待機している状態にあり、すべて労働基準法上の労働時間に当たる、と判断した。
一方、土曜日は、平日と同様に午前7時から午後10時まで(正午からの1時間の休憩時間を除く)のすべてが時間外労働時間に当たるが、勤務は両者間の契約どおり1人で行っていたとみなして労働時間を算定すべきとして、高裁判決を覆した。
また、日曜日・祝日は、管理員室の照明の点消灯とごみ置場の扉の開閉以外の時間は待機を命じられていた状態とはいえないとして、労働時間は管理会社から明示・暗示された業務に従事していた実働時間に限るべきであるとした。
さらに、時間外に病院に通院したり犬を散歩させたりしていた行為は管理員業務に当たらない私的行為であり、たとえ住み込みであっても労働時間には当たらないと判断。これらに要した時間を控除して時間外労働時間を算定し直す必要があるとして、審理差し戻しを決定した。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/mansion/20071022/512602/?P=2
HP管理員 2008年09月04日 (木) 09時07分 No.836
≪日経ビジネスオンライン≫
欠陥住宅の訴訟は通常、建物の買い主は、まず売り主に対して訴えを起こし、さらに売り主が設計事務所と建設会社を訴えるという2段階の構成にする。法律上の形式では、女性がマンションを購入する契約を結んだ相手は売り主の男性であって、建築業者との間に直接の契約関係はないからだ。
しかし女性には、売り主に騙されたという意識はなく、むしろ建築業者が手抜き工事をしたという意識があった。1審で原告の女性についた弁護士も欠陥建築にはそれほど詳しくなかったため、形式上の契約関係を飛び越えて、建築業者を相手に損害賠償を請求する異例の訴訟となった。それでも1審は、瑕疵補修に要する費用や弁護士費用など計7400万円の支払いを命じて原告が勝訴した。
「違法性が強度でない」とした高裁
ところが福岡高等裁判所での控訴審は、一転して原告の女性に厳しかった。もともと女性は、「瑕疵担保責任」と「不法行為責任」に基づいて建築業者に損害賠償を請求していた。だが控訴審では、瑕疵担保責任に基づいて、女性が直接の契約関係にない建築業者を訴えるのは認められないとした。
瑕疵担保責任とは、売り買いの契約当事者間で生じる責任問題に適用される規定なので、欠陥住宅の場合は、売り主を相手にしか責任追及はできないからだ。
これに対して不法行為責任は、契約関係にはない相手に対して追及できる責任で、不特定多数の被害者との間に生じる特徴がある。例えば、道を歩いていて突然殴られたというような被害に対して責任を追及できる。ただし、立証責任は被害者側にある。損害の発生と行為との因果関係を立証する必要があるので、瑕疵担保責任に比べてハードルは高い。
こうして原告の女性は不法行為責任だけで争うことになった。ところが2004年12月に出た高裁判決は、不法行為責任が成り立つのは「違法性が強度」である場合だと限定し、原告の請求を退けた。
高裁は不法行為責任が成立する要件について、例えば売り主が買い主の権利を積極的に侵害する意図で欠陥のある物を製作した場合や、欠陥の程度や内容が重大で、建物の存在自体が社会的に危険という場合などに限った。
控訴審から訴訟を引き受けたのは福岡に事務所を持つ幸田雅弘弁護士。幸田弁護士は「こんな判例を確定させてしまったら全国で同様の訴訟をしている弁護士らみんなに迷惑をかける」として上告した。
2007年7月に出た最高裁の判決は、高裁判断をひっくり返した。最高裁は「建物は、そこに居住する者、そこで働く者、そこを訪問する者等の様々な者によって利用されるとともに、当該建物の周辺には他の建物や道路等が存在している」と指摘。通行人を含む居住者らの生命、身体または財産が侵害された場合、建築業者は生じた損害について不法行為による賠償責任を負うとした。
とりわけ最高裁が「建物としての基本的な安全性」という言葉で、建築に携わる設計者や施工者、工事監理者には、契約関係にない居住者らに対して配慮すべき注意義務を負うとした。これは従来にない判断だった。
弁護士も建築士もできれば関わりたくない
実は、最高裁が欠陥住宅訴訟で建築業者に厳しい判決を出したのは、これが初めてではない。そのきっかけは、1995年の阪神・淡路大震災にまでさかのぼる。
もともと欠陥住宅の訴訟は1960年代から頻発していた。しかし、ほとんどは原告敗訴の判決ばかり。その理由は、裁判所も弁護士も専門知識が不足していたためだ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080903/169484/?P=2
HP管理員 2008年09月04日 (木) 09時11分 No.837
≪日経ビジネスオンライン≫
例えば、新築した建物に雨漏りがあった場合、被害者の買い主は取り替えてくれと裁判を起こす。しかし弁護士が被害者の主張をそのまま訴状に書いても、主張は認められにくい。
例えば雨漏りの原因が、瓦を1枚付け忘れていただけなら、賠償額は瓦を取り付けるだけの数万円の補修費用で終わる。しかし実際には地盤が弱くて建物が傾いたりして屋根が割れた個所から雨漏りがしているならば、地盤から見直して建物を建て替えなければならない。
素人である被害者の訴える雨漏りという「欠陥現象」に対して、専門家である弁護士はなぜ雨漏りが起きるのか「欠陥原因」を訴状に書かなければならない。しかし、原因を専門的な知見に基づいて立証するノウハウがなかった。
裁判官も知識が足りず、裁判は長引くばかり。鑑定を丸投げされた建築士や、建築専門の大学教授も、鑑定人として主観的な見解を述べるだけで、なかなか争いが収まらない。結局、建築士も弁護士も、裁判に関わりたくないと嫌がられる時期が続いたという。
幸田弁護士によると、実際の訴訟では建築業界の徒弟的な人間関係にも阻まれるという。建築関係の大学教授らは、建築業者で働く教え子を悪くは言いにくい。技術的な問題があっても許容範囲内だと証言しがちだ。こうして、そもそも建物が建築基準に照らして問題があるのかという論点にたどり着くことすら最初の山場になってしまうという。
震災を機に設けられた「欠陥住宅110番」
ところが、阪神・淡路大震災で、新築の家屋が大量に倒壊する被害が続出して以来、「隣の古い建物は倒れずに残っているのになぜうちが倒れるのか」という訴訟が急増。欠陥住宅が社会問題化したため、弁護士らが対策に動き始めた。
96年に日本弁護士連合会(日弁連)の消費者問題対策委員会が「土地住宅部会」を設置して、被害相談を募る「欠陥住宅110番」を開いた。すると全国から約700件の相談が寄せられた。相談に登場した建築業者には一流ゼネコンもずらりと並んだ。それを発表したら株価を直撃してしまうとして、匿名で発表したほどだったという。
同じ年に弁護士や建築士や学者、被害者らが「欠陥住宅全国ネット」(欠陥住宅全国被害連絡協議会)という組織を作った。こうして欠陥の現象と原因を分けて、原因が建築基準法という客観的な基準を満たしていないことを主張するようになった。
欠陥住宅全国ネット幹事長の吉岡和弘弁護士によると、当時の建築業者の間には、「法律の中で一番守らなくてよいのは建築基準法」という意識すらあったという。
例えば、建築基準法では地震が起きても耐えられる建物のコンクリートの強度に比べて、長期間耐えるためには3倍の余裕を持つ強度が必要とある。ところが裁判に出てくる業者側の意見書には、建築基準法は3倍の余裕を定めているから、逆に3分の1の強度があれば安全性は保てるという主張が平然とされる状態だった。
こうした事態を重く見た欠陥住宅全国ネットは国土交通省に、建築確認申請書に名義貸しだけして本来の役割である現場の監督をしていなかった建築士の告発に乗り出した。すると意外にも、国交省は建築士の摘発に動き出した。
最高裁も専門委員会を設置
行政の変化に司法も動き始めた。例えば、最高裁は2001年4月に東京と大阪地裁に建築関係の訴訟を集中的に扱う裁判部を設置、さらに2002年に、建築と法曹の専門家17人で構成する「建築関係訴訟委員会」を設けて、訴訟の原因分析と対応策を委員会に諮問した。
また最高裁は2002年以降、従来にはなかった判決を立て続けに3つ出している。
1つは2002年9月の判決だ。最高裁は、建築物の基礎や根本的な部分に欠陥があれば、瑕疵担保責任に基づいて建て替え費用も請求できると判断した。法律では、欠陥が重大であっても、建物を全て取り壊して建て替えるとなると社会的損失が大きいので契約の解除はできないと定められている。そのため、かつては建て替え費用の請求も認められない場合が多かった。しかし最高裁は、建て替え費用の請求も可能だと判断し、下級審で分かれていた判断を統一した。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080903/169484/?P=3
HP管理員 2008年09月04日 (木) 09時13分 No.838
≪日経ビジネスオンライン≫
2つめは2003年10月の判決。ワンルームマンションの建築主が、一部支柱を通常よりも太くしてほしいと建築業者に注文したのに、業者が安全性に問題ないとして契約と異なる細い柱を使ったことに対して争われた。最高裁は、業者が勝手な判断で、依頼主の要望とは異なり細い柱を使用したのは欠陥だと判断した。それまで欠陥かどうかの判断は、客観的な安全基準を満たしているかだった。この判決では客観的には安全とされても、建築主と建築業者との契約で取り決めた安全性を満たしていないことは欠陥だとした。
3つめは同11月の判決だ。建築確認申請書に名義貸ししていた建築士に対して、契約が変更されても届け出をせず放置したのは不法行為責任がある、として欠陥建築の損害額の2割を弁償させる判決を出した。建築士には、それまで珍しくなかった名義貸しの責任を取らされる判断に衝撃が広がったという。
こうした最高裁の判断は、建築関係訴訟委員会による答申に源流があると見られる。今回取り上げた昨年7月の最高裁判決も、その一連の流れから出されたものだ。
「懲罰的」慰謝料も
判決で最高裁が欠陥住宅にかかわった業者に不法行為責任を負わせる道を開いた衝撃は大きい。欠陥のある物の買い手が売り手に責任を追及できる瑕疵担保責任の時効は、欠陥があることを知ってから1年以内、目的物の引き渡しを受けてから10年とされている。
ところが不法行為責任の時効は、被害者が被害や加害者の存在を知ってから3年、または被害が生じてから20年と長い。しかも被害者は、直接の契約関係になくても中間者を飛び越して責任追及もできる。欠陥住宅の場合、建物の建築に関わった設計者、販売者、建築施工者のほか、建築確認検査機関など関係者すべてに対し、不法行為責任を追及できる。
さらに、関係者らに共同の不法行為責任が認められれば、たとえ、そのうちの1社が倒産してしまったとしても、残った関係者に対して損害額全額を請求できる。つまり倒産した業者の責任を残った業者に負わせることができる。
さらに、損害賠償請求に弁護士費用の一部や慰謝料を含めることもできる。日本では懲罰的な慰謝料請求は認められていない。だが、毎日地震の恐怖に怯えながら暮らさなければならないなど、安全な住宅に居住する基本的人権が侵害されているとして、慰謝料請求も認められるようになってきた。数百万円の慰謝料を認める判決も出てきたという。
吉岡弁護士は「慰謝料額を高めることで、欠陥が分かった段階で業者は工事をいったん中止して直してから次に進むようにした方が損ではないという状況を作りたい」と語る。
貸金業に対するグレーゾーン金利分の返還から、学納金返還訴訟、英会話学校の旧NOVAの解約金返還。これまで見てきたように、最高裁の判決は社会に大きな影響を与えてきた。こうした司法判断が、規制緩和の進展とともに利害の衝突を訴訟で解決しようという社会変化に呼応したものならば、消費者の利益を重視した判決は今後も続く可能性が高い。その流れを理解しないままの企業は、知らぬ間に高い経営リスクを背負う恐れがある。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080903/169484/?P=4
HP管理員 2008年09月02日 (火) 09時30分 No.833
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理事会(理事長)が直接保管したほうがよい書類・資料には、
(1)管理組合資料として区分所有法で保管義務が定められている「管理規約」、「総会議事録」、「書面決議の書面」、マンション標準管理規約で保管を定めている「理事会議事録」や「各種帳票類」
(2)管理組合が保管すべき「各種契約書」、「相見積書」
(3)原則、管理会社に保管を委託する書類・資料の中で、特に管理組合活動をスピーディーかつ効率的に運営していくためにすぐに取り出して活用できるようにしておきたいもの
――以上の3点があると考えます。
なお、現実に管理組合が保管するとなると、保管場所が十分に確保されていないケースも想定できます。そうした場合は、集会室内またはマンション敷地内の空きスペースへのカギ付きロッカーの設置、さらには外部のトランクルームや貸金庫の利用なども検討してみましょう。
マンション内に書類の保管場所がない場合などは、協議のうえ管理会社に保管場所の提供を依頼することもあります。その場合は預かり書類一覧表を作成させて、受領書を受け取りましょう。
最近、「管理会社が分譲時に預かった永久保存の竣工図書や設計図書を紛失した」、「紙で保存していたためにインクがかすれたりカビが生えたりして判読できなくなった」といった問題点が指摘されています。特に築後20数年を経過したマンションの場合は、管理組合は早めに保管書類・資料に関する現況の確認と対策の検討を管理会社と進めるようにしてください。
<管理会社が保管している書類を、理事役員の引き継ぎ時に、どのようにチェックすべきか>
私が知る限り、管理組合役員の書類・資料の保管に対する意識は総じて高くありません。
その理由としては、
(1)役員の任期が短くマンション管理の基本を学ぶ機会が少ないため、区分所有法で指定された書類の保管義務が管理組合にあることを知っている役員はほとんどいない
(2)保管すべき書類・資料がないことで問題が発生する事態は任期中には少ないため、保管に対する緊張感が薄い
(3)“保管は管理会社がやってくれているはず”という他者依存の傾向
(4)こまめに書類・資料を維持・保管する手間を疎んじる傾向
――などが挙げられます。
その結果、必要なときに必要な書類・資料が見つからず、いつ紛失したかもわからないという最悪のケースが現実に起きています。
いまからでも遅くはありません。そうならないためにも、気付いたときに行動を起こすことが重要です。理事役員の引き継ぎをよい機会ととらえ、問題を先延ばしせず、理事長以下理事全員で冒頭に記載した7月15日付の本欄回答の内容を確認することをお勧めします。理事ごとに担当する役割に関係する書類の存在を確認でき、それぞれの管理責任を明確にできます。
書類・資料の保管全体を担当する理事を決めるのもよいでしょう。管理組合にかかわる書類の管理責任者は確かに管理者(理事長)ではありますが、現実には理事全員で連帯責任を負うことになるとお考えください。
管理会社が保管している書類・資料については、管理委託契約書の「図書等の保管」の項目に記載されている内容と「預かり書類一覧表」を照らし合わせ、保管場所ごとに実際に存在していることを、以下の要領で確認しましょう。
・ベストは、理事長以下の書類保管担当理事が外部も含めた保管場所に出向き、管理会社同席の下で預かり書類一覧表に基づいて確認する
・ベターは、マンション内の管理員室に保管されている書類・資料を管理会社同席の下で確認し、未確認のものについては「存在している証(在庫証明など)」を管理会社から提出させる
・グッドは、最初から「存在している証(在庫証明など)」を管理会社に提出させる
──です。
役員の陣容に合わせて方法を選択しましょう。
書類・資料のチェックに当たっては、以下の点も注意してください。
・保存期間を超えたために焼却する書類の取り扱いを管理会社に委託している場合は、処分方法についてチェックする
・最近は、常時メンテナンスを必要とする組合員名簿などは紙ではなくコンピューター上のデータで管理している管理会社が多いので、データ保護がどのようにされているかを確認する
・もし、管理委託契約書の「図書等の保管」や預かり書類一覧表に記載されている書類・資料が見当たらなかったり紛失したりした場合は、管理会社の責任を問う事態になることを確認する
管理会社の善管注意義務違反または債務不履行によって保管すべき書類・資料が紛失したときの影響は、決して小さくはありません。特に分譲時に管理組合が引き取った資料、修繕工事や設備点検関係の書類の再生は、時間がたつほど難しくなります。もし、こうした書類を紛失すれば、大規模修繕工事の検討時に大きな影響を受けることになります。
管理組合が保管している書類・資料でも同じことが言えます。
書類・資料の保管は地味な活動ですが、マンションと管理組合運営に関する履歴書を預かる極めて重要な業務です。その点を管理組合も管理会社も再認識して、コツコツと継続的に行うことを心がけましょう。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/mansion/column/20080825/525554/?P=2
HP管理員 2008年08月29日 (金) 15時44分 No.830
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株式会社広島県住宅管理センター
「広島県住宅供給公社(地方住宅供給公社法に基づき、広島県及び広島市ほか4市の出資によって設立された特別法人。以下「公社」という。)が建設した住宅等施設の受託管理運営を主たる業務として設立した、公社の全額出資会社です。」
公社の全額出資会社が違法行為を行っていたのですね。
http://www.jkc-hiroshima.co.jp/index.html
HP管理員 2008年08月29日 (金) 10時14分 No.827
≪北海道新聞≫
コープさっぽろ 1日から灯油6円値下げ 札幌で1リットル123円
道内最大の灯油共同購入団体、生活協同組合コープさっぽろ(札幌)が、九月一日から札幌地区の灯油価格(定期配達、税込み)を一リットル当たり百二十三円とするなど全道で六円引き下げることが二十八日、分かった。小売価格の相場形成に影響力を持つ同生協の値下げで、道内の灯油平均価格が下落に転じるのは確実。食品などの値上げが続く中、消費者には朗報といえそうだ。
値下げ後の最安値は、札幌、北広島、江別などの百二十三円で、最高値は稚内、根室などの百二十九円。このほか、旭川は百二十四円、函館、釧路は百二十五円などとする。
同生協が灯油価格を引き下げるのは、今年二月(下げ幅は二−三円)以来となる。
同生協は、五月に六円、六月に八円、七月には二十二円を値上げ。八月は石油元売り会社が卸価格を五−六円引き上げたが、不需要期で供給量も少ないことから価格を据え置いていた。
九月は仕入れコストが十円程度下がる見通しとなったため、価格の引き下げが可能と判断。ただ、八月の未転嫁分を考慮し下げ幅を六円とする。
原油価格は下落傾向で、一バレル=一二〇ドルを割る水準となっており、今のままなら秋以降の需要期も百二十三円(札幌)で推移する可能性が高い。ただ、それでも昨年十月の七十九円(同)に比べると四十四円高く、道内の一世帯当たりの年間平均使用量(約二千リットル)でみると、八万八千円の負担増となる計算だ。
価格に一服感が出たとはいえ、依然として厳しい状況は続きそうだ。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/114494.html?_nva=20
sugana 2008年08月29日 (金) 12時39分 No.828
どうなる灯油価格
灯油価格上げ止まりか? 小売価格下がる
高騰に高騰を続けていた灯油価格が下がり始めました。どうして下がり始めたのか、その真相はまだ闇の中ですが、小売店は「仕入れ価格が8月の下旬から少しづつ下がり出しました。
多分9月には間違いなく下がるという情報が入っています。化石燃料に依存している農業、漁業、運搬業の事業者の怒りが日本全国に広まっています。このような国民の怒りが反映しているのではないかとも思います」と話していました。
マンションネットが進める灯油の共同購入も契約している業者と交渉しておりましたが、昨日妥結し、8月分は1g当たり110円(税抜き)となりました。確かな情報によれば9月の卸価格は8月に比較してある程度下がる点を考慮し前倒して、共同購入価格が一挙に下がったと考えられます。
札幌生協価格は相変わらず1g当たり税込みで129円、 マンションに納入している一般的価格は税込みで120円〜125円です。それに比較すれば当マンションネットの価格は相当なメリットがあります。
それにしても、冬期間このような価格ではマンション住民の生活にも多大な影響がでます。政府の抜本的な対策が望まれています。
HP管理員 2008年08月29日 (金) 10時08分 No.826
≪マンション管理新時代≫
(1)もしもマンション内の駐車場が使えるなら利用を希望するか否かという、利用希望者数
(2)マンション内の駐車場を利用できないために外部の駐車場を借りている人の利用料金
(3)外部の駐車場を借りている人がその駐車場からマンションまで到達するのに要する時間
(4)外部の駐車場を借りている人がその駐車場からマンションまで到達する際に感じている不便さ(例えば危険な国道を横断したり歩道橋を渡ったりしなければならないなど)
以上の(1)〜(4)を把握して「利害の衡平性」が保たれていないことを確認できたら、マンション内の駐車場利用者と外部駐車場利用者の置かれた状態を比較した表を作成して、調査結果とともに「規約違反である現状を放置できない」ことを居住者に広報します。
次に、そこから半年くらいの猶予期間をおいて暫定的な「合理的で公平と見なせる方法による抽選実施要項」を作成し、説明会を開き、居住者の意見を集約します。
さらにその説明会で集約した意見を参考にして理事会で抽選実施要項を完成させたうえで、抽選を実施すると広報して、抽選を実行に移すことになります。
ここで法的に問題となる点は、理事会で作成する抽選実施要領の有効性であろうかと思います。
私見ですが、規約で利用希望者が多数の場合は抽選と定められていること、また、利用者調査の結果、金銭的にも時間的にも生活上も外部駐車場利用者が著しく不利益を被っている結果が判明しているのであれば、区分所有者間の「利害の衡平性」は保たれていないと考えます。
また、これまで管理組合総会に抽選実施の運用細則を上げても6割に達するマンション内駐車場利用者によって否決されている現状がある以上、理事会で作成した抽選実施要領は「利害の衡平性」を保つために緊急かつやむを得ない措置であり、その有効性を評価したいと考えます。
マンション内駐車場利用者でなお不満な人は、この要領の無効確認を裁判所に申し立て、最終判断を任せたらいかがでしょうか。
ただ、本件で一番深刻なのは、仮に抽選を実施できても、6割に達する現在のマンション内駐車場利用者が参加せず、現状のまま駐車場利用を継続した場合です。
区分所有法57条に基づき、共同の利益に反する行為をした人に対して、管理組合として行為の停止や行為の結果の除去を請求しようとしても、6割が反対に回れば総会では議決できません。
理事長ができることは、「抽選に参加しないのであれば内部駐車場を利用する意思がないとみなす。速やかに管理組合に駐車場を返還せよ」と勧告することくらいです。
この場合、外部駐車場利用者は、マンション内駐車場利用者に対してその共有持分権により駐車場返還請求訴訟を起こし、勝訴しなければ、実際にはマンション内駐車場を利用できません。
返還訴訟では、理事会の以上の一連の活動によって管理組合が維持管理している駐車場を利用する権限を喪失したにもかかわらず、マンション内駐車場利用者は不法占拠していると主張することになります。
こうした訴訟を起こす場合には、損害賠償請求も同時に行うことが考えられます。
今回の相談事例のような、住人のエゴがもろにぶつかり合っている管理組合の現状には、正直、心が寒くなります。
“不利益は順番に負担しましょう”という気持ちに持って行くには、何よりも普段のコミュニケーションが大切です。
訴訟合戦がマンション内で起これば、そのマンションの財産的価値は下落します。
住人みなが大人になることが肝心です。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/mansion/column/20080819/525342/?P=2