北海道マンション管理問題支援ネット
マンション管理に関する相談、質問、情報交換に利用して下さい。
営業、誹謗中傷及び管理者が不適切と判断した投稿は、予告無く削除させていただく場合があります。
HP管理員 2008年12月27日 (土) 20時58分 No.1024
≪asahi.com ここが知りたい≫
【質問】事務所経営者が退去を拒否したとすると、管理組合というかマンションの区分所有者はどのような方法がとれるのでしょうか。事務所側は居座り得となるのでしょうか。
【答え】その管理組合は、定期総会で「事務所の使用が管理規約に違反していることは共同の利益に反する行為(区分所有法第6条1項)である」として、区分所有法第60条1項にもとづき、上記事務所使用によって区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によっては、その障害を除去して共用部分の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、賃貸借契約を解除させ、その専有部分の引き渡しを請求することができるという内容の裁判を提起しました。
もっとも裁判を提起するには、管理組合が法人格を持っていないときは区分者全員、法人格のある管理組合は集会の決議に基づき上記裁判を起こすことが出来ます。区分所有法第60条1項の決議は区分所有法第58条2項3項を準用することになっており、総会において、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数決で決議することになっています。
また、決議するにあたって、あらかじめ賃貸人の区分所有者(賃借人も同様と考える)に対して弁明の機会を与えなければなりません。
なお、上記ケースでは賃借人は総会には出席しなかったそうです。
【質問】この裁判の結果はどうなったのですか。形式的違反が重視されたのですか。
【答え】この判決の内容は傾聴に値するものと思われます。判決の内容をまとめてみますと、
(1)規約などで店舗部分と居住部分の二分されているのは、居住者の共同生活上の利益を維持・管理するための不可欠な条件である。
(2)事務所として利用されることにより、周囲の居住環境に著しい変化をもたらす可能性が高い。
(3)管理規約の実効性・信頼性を損ない、他の規約違反を誘発する可能性さえある。
ということで、管理組合が勝訴しました。
あなたのマンションも「個人美容室」が何軒も増えたことは、最初の一軒を見つけられなかったことから増え続けたものであると思います。放っておくとこの裁判の(2)(3)のような状態になり、規約に違反しても構わないという考えを持つ人も出て来るものと思われます。
http://www.asahi.com/housing/soudan/TKY200812270152.html