北海道マンション管理問題支援ネット
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HP管理員 2008年12月11日 (木) 15時21分 No.1002
≪マンション管理新時代≫
(1)理事会の定足数について
前述のように、標準管理規約では、理事会については、書面や代理人による出席、議決権の行使に関する規定がありません。これは、委任状ではなく、実際に出席した理事によって理事会は成立し、そこで決議がなされることを前提にしていると考えられます。
一方、出席理事だけでは定足数を満たすことができない事情を抱えた管理組合もあることから、標準管理規約53条関係コメントでは、「理事に事故があり、理事会に出席できない場合は、その配偶者または一親等の親族に限り、代理出席を認める旨を規約に定めることもできる」としています。ここでいう「事故」とは、一般的な交通事故などではなく、単に都合がつかないことを意味しています。
従って、理事会の定足数については、現行の「委任状を含めた理事の過半数出席で有効」を維持するか、または、標準管理規約に準じて委任状ではなく代理人の出席を認める形に変更して、「代理人を含めた理事の過半数出席で有効」とするかを、議論されたらいかがでしょうか。
(2)決議方法について
基本的には、理事会での決議はなるべく理事全員一致が望ましいのですが、現実にはそれでは組合活動が先に進まなくなる怖れもあるので、十分に審議を尽くしたうえで、多数決による決議を選択しているところが一般的です。標準管理規約に準拠した「出席理事の過半数で決する」方式が多く見られますが、ご相談者のマンションの管理規約のように「3分の2」としているところもあります。どちらがよいと一概にいえるものではありません。
過半数(2分の1)と3分の2とでは、3分の2のほうがより賛成率のハードルは当然高くなります。全員一致に近い反面、3分の2の賛成が得られるまでは、具体的な執行ができないことになり、結果として、組合活動を停滞させる可能性もあります。
代理人を含めた実出席理事の「2分の1」ないし「3分の2」とするか、欠席される理事の委任状を含めて「3分の2」とするか、どれがより望ましいかについても理事会で十分議論されたらいかがでしょうか。
この先は、あくまでも私の私見となりますが、組合活動の円滑化とともに、実出席者による審議を重視して、代理人を含めた実出席理事の「2分の1」による決議方法、すなわち、標準管理規約による決議方法がよいのではないかと考えます。
マンション管理適正化法3条に基づいた「マンション管理適正化指針」は、「管理規約は、当該マンションの実態およびマンションの区分所有者等の意向を踏まえ、適切なものを作成し、必要に応じて改正することが重要である」と明記しています。
議論するに当たっては、モデルとなる標準管理規約やコメント、さらに適正化指針を理事全員でよく読んで理解を深められることをお勧めします。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/mansion/column/20081120/528247/?P=2