北海道マンション管理問題支援ネット
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HP管理員 2008年10月08日 (水) 11時31分 No.905
≪マンション管理新時代≫
【更新工事のメリット】
何といっても排水管が新しいものになることによって安心感を得られることが大きい。現在の管材と継ぎ手を使用して更新すれば、腐食による劣化は起こらない。
【更生工事のメリット】
一般的に更新工事に比べ、費用、工事日数、工事騒音、解体復旧の手間などが少ない。居住者の負担(がまん)がかなり低減できる。
【更新工事のデメリット】
工事費用、工事日数、現配管を撤去する際のはつりなどに伴って騒音、振動、ほこり、廃材が発生する。古い建物だと解体をする壁の下地材にアスベストが含有されているものもあるので、作業員の安全衛生確保や廃棄処分方法などは法律に基づいて行う必要がある。建物環境により現配管の撤去が現実的ではないと判断された場合は、現配管を残したまま新規配管が露出配管となる可能性もある。
【更生工事のデメリット】
あくまでも延命措置に過ぎないため、将来の更新工事を想定しておく必要がある。配管の劣化状況(度合い)によっては施工できず、また、継ぎ手部分を更新する必要が出てくる可能性もある。現在の配管の中で作業が行われるので、耐久性(寿命)を左右するコーティングの厚さなど、品質確保のチェック体制に限界がある。「建設技術審査証明協議会」が交付する審査証明を取得した工法であることも条件となる。
給・排水管工事については、マンションの現状に見合った工法や経済性などを考えて検討しなければなりません。実施に向けては、管理組合の情報伝達力、居住者間のコミュニケーション力が大きなポイントとなります。
以下を参考にしてください。
○老若男女を問わずに工事実行委員会を発足させ、居住者(区分所有者)間のネットワークを構築する
○居住者(区分所有者)に排水管工事の必要性を説明し理解を求める
○全体説明会、系統別説明会を複数回行い、居住者(区分所有者)の全員参加を目標とする
○居住者(区分所有者)に工事の仕様などの詳細を説明する。音や悪臭については実際の状況を具体的に開示する必要がある
○工事当日に不在者や非協力者が出ないようなフォローおよび啓発活動を行う
○相談窓口を設置して、荷物の移動や、当日不在予定者、長期不在者、ライフサイクル(昼夜逆転)が異なる居住者、高齢者、要介護者、ペット飼育住居などへの対応を検討する
工事実施に当たっては、うっかり不在者対策、うっかり排水対策として、玄関のドアノブに工事前々日、前日、当日と、連続してお知らせプレートを吊り下げたり、各住戸の蛇口に排水禁止のプレートなどを吊り下げたりする方法が有効です。
パイプシャフトや配管の継ぎ手部分に点検口を設置していないマンションでは、工事の際に新たな点検口の設置を検討する必要があります。竪穴防火区画や台所換気の排気シャフト内に給・排水管が同居していることもあるので、点検口の設置では、防火区画・排煙・臭気・流水の騒音対策なども考慮した専門家の設計が求められます。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/mansion/column/20080924/526496/?P=2