北海道マンション管理問題支援ネット
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HP管理員 2010年05月18日 (火) 10時59分 No.1394
≪日本経済新聞≫
これは業者に保険加入または修理資金の供託を義務付けるもので、09年10月以降引き渡された新築住宅が対象。保険は買い手でなく、業者が住宅専門の保険会社に加入する。欠陥があれば保険金が業者に支払われ、欠陥を直す。ただし倒産などで業者が修理できない場合は、購入者が保険金を直接受け取れる。
もう一つの供託とは、業者の事業規模などに応じて計算した保証金を10年間、法務局などの供託所に預ける制度。倒産などの場合は購入者が還付請求すれば、修理に必要な費用が支払われる。「保険または供託の内容などについては、契約のときに業者が説明する義務がある」(支援センターの石川尚子副調査役)
ただし、こうした修理・賠償義務や保険・供託の仕組みは、新築住宅の「主要な部分」または「雨水の浸入防止の部分」の話。実際には、新築住宅でも「引き戸などの作動不良や、階上の音がうるさいなど主要部分以外の不具合の相談も多い」(石川さん、グラフB)。こうした不具合、あるいは中古の場合はどうすればいいのだろうか。
これらは品確法の対象外で、基本的には民法での処理になる。売買のケースでは「買い主が瑕疵を知った時から1年の間なら、売り主に損賠賠償や契約解除を請求できるのが原則」(行政書士の木島康雄さん)。
ただこれだと、例えば引き渡しから長期間経過してからでも、瑕疵を知ってから1年以内なら損害賠償などを請求されることもあり得て、売り主のリスクが大きい。民法の原則は契約で変えることも可能なため「売り主が不動産業者の場合は、引き渡しから2年以内としていることが多い」(小野総合法律事務所の庄司克也弁護士)。それ以上短くすることは宅地建物取引業法で禁じられている。
HP管理員 2010年05月18日 (火) 11時00分 No.1395
≪日本経済新聞≫
逆に言えば、中古住宅を買った際に契約で瑕疵の責任を負うのが2年となっていれば、瑕疵があればその期間内に売り主にきちんと伝える必要がある。「中には数年も放っておく人もいて、解決が困難になることがある」(同事務所の松村寧雄弁護士)
中古で売り主が個人の場合は「瑕疵担保責任を負わない」という契約にすることも許されている。こうした契約の場合は「事前に欠陥がないか十分に調べてから買うことが、より重要になる」(木島行政書士)。
ちなみに民法の規定が適用される場合、売買ではなく、工務店に注文して家を建ててもらうなどの「請負」という形式では、売買と違って契約解除はできないが、損害賠償や修理請求はできることになっている。
トラブルは相談を
瑕疵が見つかれば、まずは業者に修理を依頼することになる。トラブルになれば支援センター(電話03・3556・5147)に相談してみよう。そのうえで保険付住宅であれば、各地域の弁護士会などにある住宅紛争審査会にあっせんなどを頼むことになる。
業者と話し合う場合、口頭だと後で水掛け論になりやすい。「できるだけ書面で記録を残すことが大事」(石川さん)だ。
本来は購入の前に瑕疵を見つけられるのが一番。最近は有料で住宅診断を行う建築士も増えているので、購入前に診断してもらうのも一法だろう。「日本ホームインスペクターズ協会」のホームページ(http://www.jshi.org/)などで診断を請け負う建築士などを探すことができる。
もっとも、何でも要求が通るわけでもない。庄司弁護士は「瑕疵とまでいえない内容を購入者側が過剰に指摘し、売り主との関係を悪化させることもある」と指摘。「精巧な工業製品を買っているわけではないとの認識も必要」と話す。
(編集委員 田村正之)