北海道マンション管理問題支援ネット
マンション管理に関する相談、質問、情報交換に利用して下さい。
営業、誹謗中傷及び管理者が不適切と判断した投稿は、予告無く削除させていただく場合があります。
HP管理員 2008年09月27日 (土) 10時50分 No.893
≪マンション管理新時代≫
「マナー違反」をそのまま放置しておくと、周囲からは“荒れたマンション”とみなされ、その結果、
(ア)居住者が安心・安全に生活できる居住環境を阻害する行為
(イ)マンションの美観を阻害する行為
(ウ)マンションの防犯へ悪影響を及ぼす行為
(エ)マンションの資産価値を下げる行為
――など、マンション固有の「ルール違反」へと発展するからです。
管理組合(理事会)はそこまで視野に入れて、「マナー違反」の解決に向けた検討を進める必要があるのです。
具体的な対策の手順を、以下に記載します。
(1)マナー違反は一個人ではなくマンション全体の問題であり、改善を図らないと今後どのような問題に発展するか、広報媒体を通じて居住者に訴えて問題意識を共有化する。
(2)マンション全体のマナー違反の実態を把握する。たとえば、どのようなマナー違反が、いつ、どのように行われているか、管理員や居住者がメモを投函できるように管理員室前に投書箱を設置する。
(3)管理組合(理事会)が投書箱に投函されたマナー違反の訴えを集約、整理する。マナー違反の行為の分類や違反者の属性(子どもなのか大人なのかなど)を把握したうえで、注意を促す張り紙の掲示板への掲載、注意呼び掛け書の全戸配布を行う。
(4)理事が腕章などを付けてマンション内を巡回し、違反行為を見つけたら、教育的見地またはマナー遵守指導の観点から注意する。その際には温かい目を持つことが重要。「おい、コラッ」は禁物です。
(5)マナー違反の要因分析を行った結果、物理的予防策や再発防止策が具体的に見つかれば、理事会で審議して、費用をかけてでも実行に移す。
(6)以上の取り組みの経過を、広報媒体を通じて常に居住者に流していく。居住者は無関心でいられなくなり、周囲から自分の行為が見られていることを意識させられる。場合によっては自分がマナー違反を注意する側に回ることもあり得るという自覚を促し、マナー違反をしにくい環境が形成される効果も期待できる。
これらの一連の手順を踏むときに、理事会が留意すべき点もあります。マナー違反情報を居住者から集める場合は、違反した個人を特定する犯人探しにしてはなりません。居住者間の人間関係を壊すことに直結するからです。
もちろん理事会は違反人物を確認・特定すべきです。防犯カメラが設置されているマンションであれば、防犯カメラ運用細則を定め、マナー違反の居住者を特定することも可能です。しかし、その情報は理事会限りに留めるべきです。
上記の一連の手順を踏めば、“理事会はあなたを特定していますよ”というサインが違反者に伝わります。本人の自覚を促すために一定の猶予期間を見たうえ、それでも違反者が態度を改めないようであれば、故意で繰り返されている悪質なマナー違反であると認め、理事会の承認の下で理事長が戸別訪問し、当該者または保護者に直接注意勧告を行うようにしましょう。
悪質なマナー違反を「共同の利益に反する行為」であると見定め、区分所有法の57条から60条の規定を使って法的手段に訴えるのは、さらにその先の段階になります。ご質問者のマンションの状況がすでにその段階であると判断される場合には、弁護士に相談されたほうがよいと考えます。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/mansion/column/20080916/526290/?P=2