| [82] 青銅のライオンを暖かく… |
- 桃 - 2003年05月27日 (火) 17時46分
僕の住んでいる町には、青銅のライオンが段の上にいました。 青銅のライオンに願いを言うと叶うという。 人々たちはお金がほしいなど、自分勝手のことばっかり…
でも一人だけ青銅のライオンをじっと見つめていた… 「寒くないのかな?」
青銅のライオンは指一本だけで凍りそうな冷たさ! そのじっとみつめた男の子は夜…
布団を持って、青銅のライオンにかけてあげました…
「まだ寒い?そうだ、こすってあげれば、寒くないよね」 男の子は一生けん命にこすりました。
空から青白い光が男の子に射した。 そして空から声がする…
「こどもよ、何をしておる」 「え?」 びっくりした男の子は手をとめた。 「ねがいことか?」 「違うよ。僕はライオンがいつも冷たいから、暖めただけだよ」 「君はやさしいね。とっても気持い」 ライオンはすっかりあったかくなり、 「君、背中に乗りなさい。君んちまで送ってあげるよ」 「有難う!」 男の子は気持ちく帰りました。
それからは青銅のライオンは暖かいままでした…
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