皆様いつもお世話になっております。カエルです。放射線治療について議論になっているようですので,ちょっと情報提供を。ちなみに私も医師ではありませんので,治療方針については主治医の先生にご相談下さい。私の主治医の話では,かつてはGISTに放射線治療は効かないとされてきたのですが(現在のガイドラインでもそうなっているらしい),近年,グリベックなどの分子標的薬を使用した後に耐性になった物に関しては,結構効果がある場合が多いという事で,私もこれまで耐性の転移がみつかるたびに放射線治療をうけて,良い結果が得られています。実際,そのような報告もあるようです。(英文です)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5223331/https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7253383/もちろん外科手術が第一選択のようですが,私のようにあちこちに転移がある場合は(原発巣は外科切除済みです)手術時の休薬がリスクになるようですし,増悪部への照射は効果的な場合があるので検討すべきであると思います。実は先週も放射線治療を受けていたのですが,照射部位に炎症が起きたようで痛みが出てきたため,10回照射の予定でしたが7回で中止しました。まあ,ある程度効果が出た結果の痛みのようなので前向きにとらえてます。主治医の先生からは,放射線治療について早くガイドラインを改定すべきといった話を聞いたこともあります。皆さんのご参考になれば幸いです。長文失礼しました。カエル
カエル 様貴重な体験談ありがとうございます。私の治療方針は手術がもちろん第一選択ですが、食道全体を切除することは考えておりません。しかし、今の外科医はそれしか提案してくれません。たぶん標準治療がそれなのでしょう。なので、腫瘍が増大したときに、放射線で少し小さくして、姑息的にその都度乗り越えていこうと考えたわけです。カエルさんの放射線治療体験談で希望がもてました。同一腫瘍に放射線を照射していくとどうなるかご存じでしたら、教えてください。痛みが出てきたら、中止せざるを得ないのでしょうね。それから先はどうしたらいいのかわかりません。
ET 様担当の先生の治療方針に納得がいかなければ,セカンドオピニオンにぜひ行くべきだと思います。特にGISTのような希少疾患では,詳しい先生に判断してもらうことが重要だと思います。私も放射線治療で効果が出ていますが,分子標的薬による治療と外科手術を経て放射線治療を受けています。(今も薬を飲み続けています)主治医の先生の話では,はっきりしたデータは出てないが,分子標的薬治療を受けてからの放射線治療に効果があるのではないかとされているようです。”同一腫瘍に放射線を照射していく”というのが上手くイメージできていないのですが,治療のための照射量には決まりがあるので,いくらでも当てるわけにはいかないはずです。また,周辺の臓器への影響があるので,腫瘍の位置などいろいろ検討した上で照射しているようですので,状況により色々変わりうるようです。あと,蛇足になりますが,私ならセカンドオピニオンを得た上で,必要な外科手術を受けるだろうなと思います。ETさんにはETさんの事情がおありだとは思いますが,私のようにあちこち転移してしまうと,外科手術を受けること自体が難しくなりかねません。ということで,一番お勧めはとにかくセカンドオピニオンです。まとまりのない文章になってしまいましたが,少しでも参考になれば幸いです。
ウチの場合の話を書きます。患者は夫。原発は直腸。私は家族です。放射線治療をしました。そして最初の治療ではありません。骨盤内いっぱいの腫瘍で、あるべき臓器が見えない画像を見た時の衝撃は今でも思い出すだけで鳥肌が立ちます。提案された骨盤内全摘術は身体への負担が大きい事、更には別の術式へ変更できる可能性にかけて、ネオアジュバンドとしてグリベックを7か月服用しました。幸いグリベックの効果で腫瘍は劇的に小さくなりましたが、直腸原発なのに膀胱尿管に沿うように細長く縮小したのと腫瘍の配置が奥深く、結果身体にとても負担がかかる骨盤内全摘術となりましたが、GISTを全摘出できる可能性に挑みました。「GISTは熟したトマトのように柔らかい」と医師は表現しました。直腸という原発部位で骨盤内という狭い空間で奥深いGISTだけを摘出、更には臓器温存を目指すより、直腸ならではの後々のQOLを考えるとGISTを中心に周りの臓器で包むように骨盤内全摘出をしました。術後の腫瘍の病理診断は、体前面骨側の断片にGIST陽性反応が出ました。グリベックを飲んで骨に癒着しながら縮小したGIST。医師は骨転移の可能性があるため、早急なグリベック服用と放射線治療を提案しました。癒着部分の骨を削る事を私から質問しましたが、場所が骨盤中心部で歩行への影響も想定されました。50Gy30回照射だったと記憶しています。放射線治療は一度照射すると同じ部位には照射できないとも言われました。それでも放射線治療にかけました。夫は骨盤内全摘出でWストーマ。オストメイトです。骨盤内に臓器が無い為、他の臓器への放射線による影響が少ないと言われました。罹患4年経過し、術後3年半経ちましたが、今のところ再発はありません。術後の断片陽性反応が出た時点で検体の遺伝子解析をしてくださり、グリベックが効くタイプであるとの事でした。骨盤内全摘出で臓器を5つ無くしました。術後のさまざまな症状を乗り越え今は夫なりに普通に生活と仕事をしています。ネオアジュバンド後の外科手術で目に見えるGISTの摘出、断片陽性という結果からの骨への放射線治療とグリベック服用。今現在の安定した状況がグリベックのおかげなのか、放射線治療のおかげなのか、両方なのかは素人の私たちには判りませんが、全ての治療があって今があると思っています。GISTを完全に摘出できる可能性があるのなら取り除きたい。それには夫の場合は、GIST摘出と骨盤内全摘出という希少で難しい手術の経験ある医師に他の術式の可能性への微かな希望を持って手術をお願いしたい。当時の受診病院には症例がなかった。その為に患者会の勉強会で情報収集し、生の声を聞き、GIST治療実績ある病院で、且つGISTと骨盤内全摘出の実績ある医師に手術をお願いし、転院しました。放射線治療は、夫の場合はGIST摘出を目指した事と医師から提案がなかった時点で最初は選択肢になかったです。文章記載が下手で長々と記載してしまい申し訳ないです。しかし実際の経験を知りたいというお気持ち、私も痛いほど判ります。当時は夫婦共に不安でいっぱいでしたから。そして、私もこの掲示板に助けていただいた1人であり、恩返しできるかもしれないと勝手ながら思いました。この掲示板で、私が「放射線治療したよ」と言う事により私が想定すること以上の影響を考え、放射線治療に至った全ての経緯は記載必須と考えました。この事に際し、「もっと別のアプローチ方法があるじゃん」との考えや治療方法をご存知の方もいるかと思います。現在はリアルでの勉強会ができない状況ですが、GISTのセカンドオピニオンについてのご相談をされるのでしたら ●国立がんセンター希少がんセンターhttps://www.ncc.go.jp/jp/rcc/hotline/index.html●大阪国際がんセンター希少がんセンターhttps://oici.jp/hospital/department/rarecancer/●九州大学病院希少がんセンターhttps://www.gan.med.kyushu-u.ac.jp/approach01/上記でも相談が可能です。GISTERS.netは、GIST患者さんと家族のクローズな交流の場です。同じ部位の仲間、同じ治療の仲間がいるかもです。この日記の上の「GISTERS.netのご案内」から申込みできます。また、このホームページにて、電話相談、オンライン相談も受付しております。ひとりじゃない共に歩いていきましょう。
GIST治療に放射線が有効かもしれない事例が、少しずつ蓄積されているのですね。今のところは初発GISTに対しては、放射線治療が手術に取って代わるという事ではないと思いますが、再発治療の一つのオプションとなり得る可能性はありますね。分子標的薬との併用が今後の研究課題のようです。そういえばピミテスピブ(TAS-116)と重粒子線の併用で感度が挙がるという研究結果を読んだことがあります。https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-24249067/24249067seika.pdf肉腫に対しては陽子線、重粒子線が保険適用になっていますので、研究が進めばGISTでも保険適用になる事が十分考えられますね。
はしもん さま身内の方の長文の体験談ありがとうございます。骨盤内全摘など、自分の事と考えれば、想像がつきません。よく頑張られましたね。お話からGISTは、1手術 2グリベック(適用の場合)&放射線等と感じました。しかし、その周辺も郭清しなければならないので、やっかいですね。相談窓口の案内もありがとうございます。
奥G さまGISTに対してどういう放射線を当てたらいいのかも、今後の研究課題ですね。また、保険適用も早く考えて欲しいですね。