現在、GIST治療中の父がいます。大腸原発で、病名が確定するまで、1ヶ月ほどかかり、そのときはすでに100個近いGISTが大腸の粘膜の所に出来ており、手術で取り除く事が不可能だったため、当時唯一の治療薬だった、グリペックの投薬を行い、飲み始めてから、目に見えた効果が出始め、副作用も殆どなかったのですが、2年を過ぎた所で、効果が出なくなり、スーテントに切り替えて服用する事になりました。しかし、グリペックと違い副作用も酷く、大腸以外に肝臓に転移していた為、父には効果があまりなかったようです。肝臓のGISTを取り除く手術と、大腸のGISTも出来る限りそのとき一緒に取り除く手術をして頂くことに2年前行い、これでよくなるのではと期待しておりましたが、術後1ヶ月で、また肝臓にGISTが出来た事がわかり、新薬の登場を待って、しばらく投薬をやめる事になりました。その後、新薬の治験のお話しを頂き、今年の3月から、新薬を飲み始め、経過を見ておりましたが、3ヶ月たっても効果が表れず、胃のところが表面から触っても硬くなっていた為、検査をしたところ、転移がみつかり、新薬の治験を6月で終了する事にしました。その後、セカンドオピニオンの意見を聞きに行き、もう一度一番効果が表れたグリペックの投薬を始める事を決め、入院しながら服用しておりますが、腹水がたまり、かなり苦しそうです。主治医の方のお話では、かなり症状が進んで、どのくらい実際生きられるの解らないというお話しです。こちらの掲示板を読ませていただき、治療の参考にさせて頂いておりますが、現在父の状態では治療がないといった所が、現状です。しかしながら、父は何か治療法があれば、探して欲しいと希望しております。もし何かございましたら、教えていただければ非常にありがたいと思い、こういった現状を入力させて頂きました。同じGISTを抱えておられる方々に対してこのような状況を入力するのは、気がとがめ、何度も迷い、申し訳なく思いますが、お知恵を貸していただければ幸いです。
パンダさん、お父さん大変ですね。多分お父さんと同じ年代のSunny南加 (SunnySoCal)です。私の読んだ知識内でお手伝いできればとポストしました。お父さんは二年ほどでグリペック耐性がでて、スーテントに切り替えあまり効果が得られず、新薬の治験(Tasigna?)も3ヶ月で打ち切られ、グリペックを再服用されているのですね。お父さんの2年前に摘出した腫瘍のゲノタイプ(KITまたはPDGFRキナセ(カイネス)のどの部分に突然変異した異常があるか)の検査をされましたか? Exon9異常は10%程の頻度で小腸、特に大腸原発で見つかると報告されています(Dr.Heirich)。 他の臓器原発では殆どがExon11です。 Exon9のGISTはグリペックの効果が弱く、こちらでは早くから一日、800mg服用が勧められています。 もしもすでにそうでなければ、パンダさん、お父さんも800mg服用を試したらと主治医と相談して下さい。 これは下の Dr.Heirichのリポートにも、書かれています。 こちらのRLGのメールでスーテントに失敗した患者さんがグリペック800mgにもどり、安定をえていると案外沢山のポストを記憶しています。Dr.Heirich http://www.liferaftgroup.org/news_sci_articles/KIT_&_PDGFRA_mutations_A_Z.htmlゲノタイプについては スレッド [1913] 「GISTのゲノタイプとイマチニブ療法の反応と結果関係」で前記と同じことをポストしました。2007/6/10ですから、このサイト内で“ゲノタイプ”と検索すれば、早く出ます。またスレッド[1602] の下:[1605] 「日本GIST遺伝子解析サービス提供の会社」 SunnySoCal - 2007/01/16 も見てください。お父さんのGISTは大腸原発ですが、Exon11の可能性も80%以上あります。グリペックはExon11のゲノタイプGISTに一番効果がよいのですが、統計的に二年ほどで耐性がでます。原因は増殖中に腫瘍組織のクロン中に二次的な間違いができて、新しいガン細胞ができるのが主だと読んでいます。この場合、元の腫瘍組織と新しい腫瘍組織が同じ腫瘍内に入り混じっていることは珍しくないようです。また転移した腫瘍が新組織の物も多いようです。新しく突然変異したGIST腫瘍組織にはグリペックは効きません。古い組織には効くが、新組織の形が変わり薬が合体、付着できなくなるからです。[4384] Jerry Call さんの 「KIT抑制剤のランキング」Sunny南加 - 2009/09/23 で彼のメール翻訳をポストしました。 彼によると「Nexavar はエキソン11変異KITだったら私の第一選択でしょう。 これは二次的突然変異したGISTに最も良い効果があるようです。」 ただ彼によるとNexavarの副作用が五種類の薬のうち一番悪いと書かれていますが、個人差が大きいようです。[4384]を読み、主治医と相談して下さい。二次的突然変異と耐性につきスレッド [1782] GISTに対する耐性 杉並FUMIO - 2007/03/15も参考にして下さい。
「削除キー」を入力したのですが、受けられていなく、下に訂正をします。「原因は増殖中に腫瘍組織のクロン中に二次的な間違いができて、新しいガン細胞ができるからです。」 を「原因は腫瘍細胞クロン中に二次的な間違いができて、新しいガン細胞ができるからです。」 と直しました。また、「古い組織には効くが、新組織の形が変わり薬が合体、付着できなくなるからです。」を「古い腫瘍組織内のカイネスには効くが、新組織のカイネスの形が変わり薬が合体、付着できなくなるからです。」と訂正しました。失礼しました。また、お父さんの現状で、もしも400mg服用であれば、ゲノタイプ確定の前にグリベック800mgに増やすのが一番手近な選択かと思います。Falco社の GIST関連遺伝子解析のサイトは下で見られます。http://www.falco-genetics.com/gene_analysis/clin_gene/gist.html新しく習いました。下の色数字をクリックするとスレッドが出てきます。>>495 スレッド [1913] 「GISTのゲノタイプとイマチニブ療法の反応と結果関係」SunnySoCal2007/05/10>>432 スレッド [1602] の下:[1605] 「日本GIST遺伝子解析サービス提供の会社」 SunnySoCal 2007/01/15>>465 スレッド [1782] GISTに対する耐性 杉並FUMIO - 2007/03/15>>891 スレッド [4384] Jerry Call さんの 「KIT抑制剤のランキング」Sunny南加 - 2009/09/23
Sunny南加様のご説明の通り、ご説明の通りC-KITの遺伝子により、エクソン9か11によってグリペックを増加して効果が表れる人とそうではない人がいるということを説明をセカンドオピニオンの医師から一月ほど前聞き、父の場合はエクソン11ではないかという事でしたので、可能性にかけて投与を開始してみました。実は以前、グリペックを800rにスーテント開始前に増やして投薬しておりましたが、副作用が今までなかったのに、むくみやだるさがひどく効果が表れなかったの、打ち切りスーテントの投与を始めました。現在は、400r投与していますが、腹水と、胸水がたまりとてもつらそうです。効果も殆どないようで、今後の事を、昨日、父を含め、家族で相談してみましたが、今後は痛みの緩和と、なるべく穏やかに過ごしたいという希望から、緩和ケアがある病院に転院することにしました。今の主治医から年内厳しいと言われましたので、積極的な治療は行わない決断を本人が決めました。急な質問に詳しく教えてくださり本当に感謝しております。ありがとうございました。
大変厳しい状況となり、慰める言葉も見つかりません。しかし、全ての道が閉ざされた時の毅然とした決断とご家族の心中を思うとなんとか他の治験等の方法はないのかと思ってしまいますが、それすらも、もはやかなわぬ事になってしまっているのでしょう。しかしながら、もはや「積極的な治療は行わない決断」に対しては深い敬意を払わざる終えません。願わくば、痛みから解放され穏やかに過ごされん事を願ってやみません。ご家族の心中を思うと残念でなりませんが深い尊厳を持って本人の決断をお受け入れなさった事に敬意を表します。