千葉の柏の葉の勉強会 以来、ご無沙汰しておりました。患者本人の52才の小生は、柏の葉の勉強会の2日後に肝臓の一部切除しましたが、再発しました。@1998年10月 胃の粘膜下腫瘍発見。A2001年5月 胃の一部切除。B2005年12月 胃、再発により全摘出。膵臓も同時に全摘出。C2006年9月 肝臓に転移。グリベック4錠 服用開始。D2012年4月 肝臓一部切除。(グリベックにより消えていた腫瘍が はっきり見えるようになった為。)手術後もグリベック4錠を服用。E2014年11月 肝臓 再発。(腫瘍が はっきり見えるようになりました。)グリベック4錠を約8年間 服用しましたが、耐性だと思います。グリベックを8錠にしようか、スーテントにしようか 悩んでいます。勤務会社の系列病院なので、セカンド オピニオンは出来ない状況です。
グリベック8錠は保険がきかないですよね。みなさん、こちらを選択される場合はどうなさってるのでしょうか?
桃太郎さん、桃太郎さんの腫瘍はゲノム解析をしてもらったでしょうか? もし腫瘍の変異がExon11タイプであればグリベック効果が400rで統計的に良いと読んでいます。私のもExon11, Deletion 557,558です。Exon11では再発率が最悪ですが、もう10年以上のグリベック服用でCTで腫瘍の影が見られなくなってきました。もしExon9タイプであれば400rでは不十分で800r服用で良い結果を得ているとの欧米ではもう昔から実行されています。桃太郎さんはグリベックを服用され進行するまでおおよそ8年間抑制効果があったのですから、Exon11タイプの可能性が高いと思います。進行の原因はグリベック耐性でしょう。耐性の原因は進行中に新変異が起こった と言われていましたが、最近はもともと複数の変異があったがグリベックが効かない変異が頭をだしてきた例も多いと読んでいます。アメリカASCO 2014学会で今年発表された文献があります。ドイツでGIST治療、研究で知名度の高いDr. Hohenberger 等のレポートの重要部分を紹介します。(G.netにポストしたのを編集しました。)この彼らの発表によるとGIST二次変異は原発臓器と初期の腫瘍突然変異に関連が深いーとのことです。キーポイントは:1.GIST抗癌剤耐性の最も重要な原因はKIT/PDGFRαの二次突然変異がほとんどである。2.二次突然変異の殆ど(52/58、 89.7%)が Point Mutation であった。即ちゲノムのコドン1個だけが変わっていた。(私のはコドン二個欠失でしたが二次突然変異は見届けられていません。)3.二次突然変異発現の頻繁な地域は KIT Exon13 コドン654 と KIT Exon17 コドン820, 822だった。また二次突然変異KIT Exon13発現は一次変異がKIT Exon11のみのGISTで起こっていた。4.胃以外の消化臓器原発 GIST はKIT活性化ループAL = Activation Loop)、 (AL Exon 17)の二次突然変異発生が胃原発GISTに比べ高かった。(非胃原発67.7% 対 胃原発35.7%)。5.活性化ループ内(AL Exon 17) の二次変異の発生はイマチニブ服用患者より複数のTKI(イマチニブ、スニチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブ)服用患者に頻繁に発見された。6.高度なGIST治療中の二次的チロシンキナーゼの突然変異発生はランダム的な結果ではない。初期腫瘍部位と二次的変異は相関する。このアブストラクトの原文は下で読めます。http://abstracts.asco.org/144/AbstView_144_133726.htmlこのレポートから桃太郎さんはExon 11で第二次的変異はExon13, Codon654の可能性が高いでしょう。第二次的変異がKIT Exon17 コドン820, 822変異の可能性は36%ほどでしょうか。二次的変異がでたGISTの治療薬ですが、去年、2013年のハーヴァード大学関連病院の発表スライドで二次的変異に効く、効かない薬のリポートが出ていました。掲示板では画像付着が不可能なのでそのスライドを翻訳しコペしました。 KIT の変異薬の効果最初の変異 二次的な変異 Imatinib Sunitinib Regorafenib---------- ------------- --------- --------- -----------Exon 11 -------− 効く 効く 効くExon 11 Exon 13 (V654A) 効かない 効く 効かないExon 11 Exon 17 (D816) 効かない 効かない 効くExon 11 Exon 17 (D820) 効かない 効かない 効くこれらを読み可能性から言えば、胃原発のExon11で耐性がでれば Exon13の可能性が高く、スニチニブ(スーテント)の効果がよいがレゴラフェニブは効かない。しかし胃以外の原発で耐性がでれば、Exon17変異の可能性が2:1の比率で高く、レゴラフェニブ(スチーヴァガー)が効く可能性が高い でしょうか? これらに漏れる場合はどうなるの? 判りません。 あなたの医師と良く話してください。このサイトはPPTなのでURLが付着できません。下の英文題をコピーして検索すると出てきます。CYCLING MULTI-KINASE INHIBITORS IN IMATINIB-RESISTANT GASTROINTESTINAL STROMAL TUMORS TO MAXIMIZE DISEASE CONTROL: PRECLINICAL AND CLINICAL RATIONALE17番目のスライドに出てきます。桃太郎さんの” 勤務会社の系列病院なので、セカンド オピニオンは出来ない状況です。” に違和感を感じますが。私なら「金で命を買える」なら、有り金を叩きますが。それが生きる意味でしょ。多分現在の桃太郎さんの治療医はこれら新しい文献は読んでいる可能性は少ないでしょう。いわゆるGIST専門医も、多分。これらはアメリカのGIST患者サポートグループから教えてもらったサイトです。セカンド オピニオンの実費は比較的に安いと思いますが。GISTを尊重し、最適な治療を得ることを強くお勧めします。長くなりました。
こんにちは。私の妻もグリベック耐性の折には、増薬かスニチニブかで迷いました。ただ何回かセカンドを受ける中で、スニチニブから先は専門医の知識と経験が大きく治療に関わってくることを事を身をもって感じました。今の掛かりつけの医師が悪いという事ではないのですが、系列病院だからと言って他の医療機関と連携できないという事もないはずです。いずれにしても、この先はどうすれば専門医にも意見をいただきながら進められるかを考えるべきだと思います。
CTで腫瘍の再発を見つけましたが、念のためMRIも検査してみました。すると、腫瘍がはっきり見えましたが、リンパ節にも 無数に転移している事も わかりました。まずは、スーテントを1週間チャレンジします。スーテント服用前の血液検査と、服用1週間後の血液検査を比較して、継続するかを決めます。
追伸。セカンド・オピニオンは、勤務会社の直営病院と言う以外に、今の自分にはセカンド・オピニオンをする体力が無いと言う事も、理由のひとつです。グリベックを服用していますから、腰から足にかけて 筋肉痛により、あまり歩けない状況です。やむを得ない選択でした。