お久しぶりです。
私の母は現在治験にてニロチニブを服用しています。
今まで、グリベック、スーテントと服用してきて効果があまり見られなくなってきていたところへ、ニロチニブの治験の情報が入ってきて祈る思いでした。
しかし、４月に服用を始めて１ヶ月後の健診を受けたときは腫瘍が縮小していて、希望の光が見えたかのようでしたが、その後２度目の健診では肥大しておりました。腫瘍の大きさが最小時の120%以上になると効果なしと判断されて治験は打ち切られてしまうそうです。
次回の健診時には打ち切りになる可能性が十分にあります。
そこで、別の新薬の治験の情報がないか探しております。
どなたかご存知でしたら是非教えてください。

YSさん、アメリカ連邦政府の治験登録を“GIST and Japan”と 検索しました。下をクリックして下さい。
http://clinicaltrials.gov/ct2/results?term=GIST+and+Japan
これによると、日本新薬治験で患者を応募しているのはRank 1の“Nilotinib Versus Imatinib”だけのようです。
“GIST and USA”と検索しアメリカでの治験は７２ランク出てきました。参考にしてください。
http://clinicaltrials.gov/ct2/results?term=GIST+and+USA&pg=1
その内、治験患者応募をしているのは29です。
このサイトの上部の“Hide studies that are not seeking new volunteers" をクリックすると現在または近い将来患者応募する治験だけが表示されます。また左から四つ目のタブ“Results on Map"をクリックすると世界地図に各国または範囲内でのGIST関連の治験数が出てきます。

YSさん、私の記憶をさぐり、Nexavar,　soranifenibの可能性を探索しなおしました。この薬については
私がSunnySoCalの名で2005年にポストしていました。
[755] 「新薬NexavarのGleevec耐性GIST臨床試験 」を読んで下さい。

ソラフェニブ（Nexavar）の治験はまだ進行中です。　登録サイトは：
http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT00265798?term=sorafenib+and+GIST&rank=1

LRGのサイエンスコーデイネイターのJerry Callさんの今年4月に改正された記事は下をクリックして読めます。
http://www.liferaftgroup.org/news_sci_articles/two_reports_good_nexavar_response.html
この記事にはグリーベック、スーテント、AMN107等に耐性又は失敗した患者がNexavarを服用して良い結果があったと二つのリポートが届いたとの事。そのひとつのイズラエルの患者は７０日間服用で１５個すべての腫瘍が１５から５０％の縮小を確認したとの個人例が書かれています。

日本サイトを検索したらNexavarは根治切除不能又は転移性の腎細胞がんと肝細胞がんの患者さん等に日本でも認められているようです。これは下をクリックして下さい。
http://www.nexavar.jp/

Nexavarはまだ正式なGIST患者の治験が終わっていなく、こちらでもGIST患者へのFDAの許可が下りていません。治験は大変な時間と経費が掛かります。しかし保険はともあれ、Nexavar薬は日本でも入手できるはずです。薬が入手できるのですから、GIST病に詳しく、熱心な主治医に選択肢の一つとしてかけあってみて下さい。可能性がゼロでもないと思います。

Sunny南加さん、情報ありがとうございます。

英文がんばって解読してみます。

YSさん、先回のポストに書き忘れました。[4049]の下、[4053] 「2009 ASCO Annual Meeting Abstractsを見つけました。」でも報告しましたが、一月ほど前に発表されたM. C. Heinrich氏等のリポートは　‐　Imatinib耐性の出た腫瘍にはsorafenib (Nexavar) の方がsunitib (Sutent)より試験管内(in vitro)で効果が良かった　‐　との最新情報です。
このリポートの概要は下で見られます。
http://www.asco.org/ASCOv2/Meetings/Abstracts?&vmview=abst_detail_view&confID=65&abstractID=34891

このリポートの概要結論の翻訳を試みました。

結論：ソラフェニブ（Nexavar）は一群の突然変異したカイネス（キナーゼ）細胞に対して、イマテイニブ、（Gleevec）やスニチニブ、（Sutent）よりも優れた効果が試験管内で見届けられた。特にソラフェニブはスニチニブと違い、イマテイニブ耐性の第二次突然変異したカイネス活発性ループの細胞に効果が高かった。これらのテスト結果に基づいて、我々はソラフェニブがイマチニブ耐性GISTの第二線戦略剤との臨床有効性を確かめなければならないと考える。
Conclusions: SOR has superior in vitro potency compared with IM or SU against a panel of GIST-relevant mutant kinases. Notably, SOR, unlike SU, is active against most IM-resistant secondary mutations involving the KIT activation loop. Based on these results, we hypothesize that SOR might have superior clinical activity to SU in the setting of imatinib-resistant GIST and should be further evaluated for clinical efficacy in the second-line setting.

ソラフェニブ（Nexavar）治験は2005に始まり、まだ患者応募をしています。時間が掛かります。最近、こちらのLRGのメールにもNexavar服用して良い結果を得てると複数の患者さんの報告を記憶しています。

和訳までしていただいてありがとうございます。
ソラフェニブの件、母と主治医に話してみようと思います。