他のサイトのページを読んでいたらエベロリムスという薬のことが書いてありました。そこでは2008年8月6日付けで>RAD001(everolimus)投与が日本でも可能になる〜胃がん、イレッサが奏効しにくい非小細胞性肺がん、腎臓がん、GIST、乳がん、神経内分泌がんに有効性があるGISTでは>但し保険内の使用が可能なグリベック、スーテントが耐性化した方という条件で投与希望者を募集するという内容でした。調べてみるとノバルティス ファーマ社のサーティカンという進行性腎臓がんの薬のようです。くすりのしおりを読んだのですがGISTにどうなのか私は意味がよくわかりませんでした。この薬についてどなたか教えてください。
興味あり、Everolimusを調べました。 “Everolimusは ガン細胞の増加と代謝を中心的に調整する mTOR を遮断” との題のNovartice社の説明の前部を翻訳しました。http://www.novartisoncology.us/research/products-in-development.jsp (このサイトのRAD001のボックスをクリックすると下の説明と mTOR の機能を示す図が見えます。)ーーー哺乳類の標的ラパマイシン - mammalian target of rapamycin- mTOR は細胞内にみつかるタンパク質である。 mTOR は複数の信号伝達経路- signaling pathways(IGF、EGF、PDGF、VEGF、アミノ酸)を制御をする。それらの信号伝達経路はガンの異常な成長、生存、血管形成の仲立ちをする。又 mTORはPI3K/AKT経路の重要な構成要素でもある。その重要な信号伝達経路が多くのがん細胞内で頻繁にdysregulatedー悪制御されている。RAD001(Everolimus)は mTORタンパク質をブロックするする経口キナーゼ抑制剤である。細胞増殖、細胞生体エネルギーと血管形成を妨げることによって、RAD001は臨床的利益をガン患者に提供するかもしれない。ーーーちなみに、グリベックは Tyrosine Kinaseとよばれる細胞膜を突き通す蛋白質に付着し、細胞外から細胞内に増殖せよとの信号伝達を妨げ、GIST細胞の増殖を防いでいます。その他、癌腫瘍の血管形成を妨げ、またGIST細胞撲滅の作用もあると読んでいますが、全てのGISTに効果があるとは言えません。また効果があっても数年後、細胞内で別の信号伝達経路を見つけ、いわゆる耐性が大半の患者におこるようです。RAD001は mTORの働きを妨害し増殖信号伝達を止めるが、imatinibとは別戦略薬です。2008 ASCO Annual Meeting でリポートされた Everolimusと imatinibとのカクテル服用のGIST治験Phase IIの結果概要が下でみられます。http://opl.asco.org/ASCO/Abstracts+&+Virtual+Meeting/Abstracts?&vmview=abst_detail_view&confID=55&abstractID=31873概要の適切部分を翻訳しました。このオープンラベル治験は二つの患者グループに分けら行われた。グループ1: Imatinib服用後耐性を示し進行し始めた28人の患者 (第一線治療失敗患者)グループ2: Imatinib耐性経験後sunitinib (Sutent)服用又は他の治療後進行し始めた47人の患者 (第二線治療失敗患者)治験の主な目的は4ケ月の20%以上の(Progression Free Survival – PFS) 腫瘍進行なしである。治験で各患者は毎日 Imatinib 600mg とRAD001 2.5 mgを服用した。 (Imatinib、RAD001共にNovartis社の薬)結果:グループ1:登録された28人の内の23人は4ヵ月後診察可能で、4人(17.4%)は腫瘍進行なし。グループ2:登録された47人の内の35人は4ヵ月後診察可能で、13人(37.1%)は腫瘍進行なし。結論:結果はGIST患者は第1-第2線治療失敗の場合でもこのカクテル服用で効果がある事を示唆している。しかし、ランダム化された研究続行が必要だろう。現在、http://clinicaltrials.gov/show/NCT00510354によると、ドイツ9カ所でPhase II, IIIのRAD001治験が行われGIST患者募集中です。
SunnySoCal さん 詳しい資料をありがとうございました。翻訳をしてくださって大変助かります。エベロリムスはドイツで治験中の薬なのですね。3579でsumitoさんが話していらしゃった薬と同じようですね。GISTに効果的だと分かるといいです。ところで私が読んだページでは投与希望者を募集していたようです。日本で治験に参加する人を募集しているということなのでしょうか?どなたか治験等についても教えてください。
ゆりさん、こんにちは。エベロリムスの治験は、そちらのページにもあったように、胃がん、腎臓がん、膵内分泌腫瘍について行われていますが、GISTに対する治験の予定はありません。海外(ドイツ)での治験もエベロリムスとグリベックのコンビネーション(カクテル服用)を試すもののようです。「がん患者のあきらめない診察室」では、海外や国内の治験に参加できないけれど、服用を希望する方のために用法・容量の指導と管理(経過観察)をしてくださるというもので、薬代のかからない治験ではなく、あくまで個人で購入した薬と治療の管理という形です。ドイツでの治験ではグリベック600mg+エベロリムス2.5mg/一日とあります。また腎細胞がんへの単剤での治験ではエベロリムス10mg/一日のようです。
Sumitoさん ありがとうございます。お礼が遅くなって申し訳ありません。「がん患者のあきらめない診察室」の募集の意味がよく分かりました。個人輸入となるといろいろな意味でなかなか手に入りにくい薬ということですね。これからも情報をよろしくお願いいたします。