先月のThe LRG主催のLife Fest 2006のプレゼンテーションのスライドが http://www.liferaftgroup.org/members_lifefest.html でクリックしてダウンロードできます。説明の声なしなので了解しにくいですが。モニカ デイヴィ(Monica Davey)さんがグリーベックの他にSutent, SU011248, AMN107, RAD001らの抗GIST薬の副作用また副作用管理を説明しています。特にグリーベックの胃腸副作用に新しいものを見ました。そのスライドを翻訳しました。胃腸副作用・Gleevecは胃腸を刺激することで知られている。・食事後に大きなコップ一杯の水と一緒に飲むことで胃腸副作用を抑えられる。錠剤を服用後およそ1時間ばかり上半身を縦に維持すること。・Gleevecはグレープフルーツまたはそれを含む食料、またカフェインと一緒に飲まぬこと。これ等は薬の代謝を干渉をする。カフェインは錠剤服用一時間前後はとらぬこと。・Dyspepsia(胃腸の不快感)は、制酸剤またはアンチプロトンポンプ剤で管理することができる。・ガス(鼓腸)は、およそ23%の患者に起っている。多くの患者は、Simethiconeを使っている。私の個人体験ですが、三ヶ月前位から、お茶、コーヒー、ワインなどが非常に苦く感じ始め、完全にカフェインを含む飲み物を断ち切りました。コカコラなどのソーダ水も多量のカフェインが入っているので、詳細を見て飲んでいます。それ以後胃の不快感が非常によくなりました。アンチプロトンポンプ剤(Nexium)を飲み忘れても殆ど正常になりました。私は夕食後にGleevecを飲んでいますが、Monica Daveyさんのスライドを読んで、この頃、朝また日中のお茶の味を楽しんでいます。
SunnySoCalさんの書き込みをいつも読ませていただいてます。具体的で細かな情報を有難うございます。胃部の不快感、鼓腸が改善されませんが、まずはグリベックを服用後に横臥するのはやめることにします。少しでも副作用は減らしたいものです。
前回は此方の12時前の書き込みで急いでしまいました。私の個人体験ですがお茶、コーヒー等のカフェインを断ち切って、皮膚、特に手の皮膚が丈夫になりました。よく非常に些細な事でかすり傷を繰り返していましたが最近は手袋なしで庭掃除も時々やっています。カフェインを断ち切って全体的に体の調子が普通に変わらなく良く感じます。それで一寸調べてみました。グリベック錠100mg 添付文書, http://www.novartis.co.jp/product/gli/pi/pi_glitab00.html 3.相互作用“本剤は主に薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP3A4)で代謝されるので、本酵素の活性に影響を及ぼす薬剤と併用する場合には、注意して投与 すること。CYP3A4活性を阻害する薬剤又はCYP3A4によって代謝される薬剤との併用により、本剤の代謝が阻害され本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。またCYP酵素を誘導する薬剤との併用により、本剤の代謝が促進され血中濃度が低下する可能性がある。”ウィキペデイア http://en.wikipedia.org/wiki/Caffeine によると:“カフェインは、チトクロムP450オキシダーゼ酵素系によって、肝臓で新陳代謝します。”と書かれています。またカフェインの体内での半減時間は健康な人で3−4時間、肝臓疾患の人では96時間にもなることもあると。なおグリベック薬の半減時間は健康な人で3±1時間です。すなわちカフェインはグレープフルーツと同じく肝臓でP450(CYP3A4)酵素で新陳代謝され、多く摂取するとグリベック薬の代謝が“阻害され本剤の血中濃度が上昇する”結果になります。このウィキペデイアに一般飲み物のカフェイン含有量の表が出ています。コーヒー240mlで135mg、同量のお茶 (Green Tea) は15mgと出ています。しかしお茶も種類と入れ方で大差がありそうです。
具体的な副作用を教えてくださるのでとても参考になります。知らないことは不安になります。何か起きた時にSunnyさんのお話にあった、と思い出せば安心です。案外細かいことまで医師は知らなかもしれませんものね。