日本発のASCO2013年の 要約です。
http://gicasym.asco.org/content/105430-133
私の簡単な解釈とコメント:
直腸GISTは同じ所に再発する可能性が高い。この裏は他に転移した記録が少ない ーでしょうか。
局部の腫瘍摘出手術を受けた患者と局部以外と拡大した摘出手術を受けた患者の再発度には大差がなかった。
手術前から、また手術後にグリベック服用により再発の可能性が抑えられた。
ただサンプルサイズが20人ですから。でも直腸GISTの患者数も少ない。
概要レポートの翻訳:
方法:
2003年から2007年の間に直腸GISTと診断された日本の17医療機関から収集したデータを解析した。
結果:
20人の患者(男性11、女性14)直腸GISTsの治療情報が集められた。
年齢中央値は67歳。病理検査の有糸分裂と腫瘍サイズ中央値は4/50HPFと4.5cm。
GIST Miettinen基準による高リスクは32%(n = 8)低リスクと16%(n = 4)だった。
63%(7/11)の高リスク患者は再発をしていた。
低またはNoリスクのGIST患者(n= 12)のいずれもフォローアップ期間の中央値は1699日(135から3871日)後再発していなかった。
再発患者の85%(6/7)は、同じ局所領域に再発が認められた。
12人の直腸GIST患者は局所切除を受け、13人の患者は拡張手術(abdominoperineal resection or low anterior resection、腹会陰式直腸切断術または低位前方切除術?)を受けた。
局所切除後に局所領域にての再発率は25%(3/12)であった。これは拡張手術を受けた患者と殆んど同じ23%(3/13)だった。
7人の患者は術前または術後または両方でイマチニブ治療を受けた。イマチニブ治療を受けた7人のうち1人が再発した。
結論:
局所領域再発は直腸GISTの外科的切除後の再発の中で最も優勢なパターンだった。
Miettinen 基準はリスクグループを区別することに有用であった。GIST再発率は、術前イマチニブ服用治療を受けた患者が低かった。
直腸GISTは広範囲な外科的再切除より周術期のイマチニブ服用治療後の多様化された外科的切除の方が最適な治療管理ができる。(Rectal GIST may be optimally managed by perioperative multimodal treatment instead of extending surgical resection.)
“perioperative“は一般辞書には出てこない。Preoperative-手術前との間違いかと思ったが、そうではなかった。
Perioperative: 周術期 とは一般的に術前、術中、術後の3つ全ての手術段階を指す。
周術期(しゅうじゅつき、)または周手術期は、入院、麻酔、手術、回復といった、患者の術中だけでなく前後の期間を含めた一連の期間である。