2011年ASCO学会でHeikki Joensuu, MD, of the Helsinki University Central Hospital, FinlandがSSGXVIII/AIO studyの結果を発表されました。http://chicago2011.asco.org/ASCODailyNews/LBA1.aspxで見られます。要約は先週紹介されて読んだのですが、あまり把握しにくく、ポストをひかえていました。このオープン ラベル、マルチセンター、ランダム化されたフェーズIII研究は400人のKIT陽性のハイリスクGIST患者対応で、手術の後、イマチニ ブ400mg を12ヵ月(200人の患者)または36ヵ月(200人の患者)服用に分けた。 RFS, 再発のない生き残りがエンドポイントでした。(再発すると統計からはじかれる。) グリベック服用可能な、転移性GIST患者も最初に登録され たが、異なる研究、治療で観察と進行した病気患者を除外するために、プロトコルは後で改められた。そして、この研究で進行したGIST患者がイマチニブ服 用による積極的な治療停止による病気再発することも見届けた。結論は54ヵ月間のフォローアップ後、GISTを36ヵ月服用した患者は12ヵ月服用した患者と比較して再発が54%少ない事を確認した。([HR]: 0.46; 95%のCI[0.32、0.65]; p 0.0001)サブグループ分析をし、年齢、性、腫瘍部位、腫瘍サイズと腫瘍断裂に無関係で、長期イマチニブ治療患者の再発のない生き残りの優位性が認められた。そのう え、36ヵ月の間イマチニブ治療を受けてた患者は、五年間内の死亡率は12ヵ月服用患者より55%少なかった。(HR: 0.45; 95%のCI[0.22、0.89]; p = 0.019)。またイマチニブを36ヵ月服用した患者の五年間の生存率92%だったが、12ヵ月服用は81.7%だった。(コメント この数値、どこかに 矛盾があるんだけど、私には判らない)この記事の最後近くのグラフは再発なしの生存率、RFSを示しています。青は36ヶ月、緑は12ヶ月のアジュヴァント グリベック400mg服用です。%数値は服用3ヶ年、5ヵ年時点の再発なし生存率です。私の観測ですが、アジュヴァント グリベック服用停止一年後にグラフが10%近く落ちています。36ヶ月以上の長期服用が勧められていますが、長期の治験の難しさも指摘された。 最後に、デイスカッションでCharles D. Blanke, MD (イマチニブ発見者の一人)は長期のイマチニブ治療効果の重要さを指摘し、また服用を中断して進行した病気を再服用によりもどせないとの意味もあると結論 しました。ちなみに、Heikki Joensuu, MDは1998年だと記憶していますが、最後の手段として50歳代の女性GIST患者にグリベック、当事ではSTI571、を投与異常な腫瘍縮小を認めた GIST治療のパイオニアーです。この後グリベック治験がファスト トラック扱いになりました。 彼のレポートはもう探しても出てきません。私はセーブし たのですが、古いパソコンのHDに入っているでしょう。
Sunny南加さんいつも詳細な解説ありがとうございます。ここではすでに必要ありませんが、日本語での要約が「がんナビ」等で掲載されています。http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/asco2011/201106/520058.html&cnavi=1高リスク患者さんへのアジュバントの重要性がよりはっきりとしたデータで証明されてきましたね。そして3年服用すれば良いということではなく、可能な限り服用を続ける事の必要性も、しっかりと認識していただきたいと思います。再発した場合、必ず摘出できるとは限りません。播種していたり、難しい場所での再発は検査やカンファレンスの間にさらに悪化させてしまう可能性もあります。ただ今回のデータは高リスクの方が対象ですので、低リスク〜中リスクの患者さんのアジュバントについて、必要性、服用期間などは別の論議になると思います。※データの表記についてよく解からないという方は、こちらを参考にしてください。http://www.gsic.jp/examination/ex_03/index.htmlhttp://www.gsic.jp/examination/ex_03/02.html
Sunny南加さん、Sumitoさん貴重な情報ありがとうございます。今まで、十二指腸GIST・中リスクで腫瘍破裂があり再発リスクがかなり高いことは分っていたのですが、「がんナビ」によると高リスクになるのですね。私の場合は、アジュヴァントでグリベックを25ヶ月服用して、いったん中断したのですが、36ヶ月服用したほうが良いことが分ったので、服用再開したらと、主治医にを勧められ服用中です。地方の総合病院にしては、良い医師にめぐり合えたのかもしれません。
2年前に一度投稿したトシロウといいます。62歳、男性です。 4年間経過観察をした後、2011年1月に腹腔鏡で摘出手術をしました。 病理組織検査の結果は、壁外型の胃GISTで大きさ2.5p、核分裂像数3個/50HPFsでしたが、「術中に被膜が損傷し細胞レベルで散らばった可能性があります。」ということで、2月1日からグリベックを服用しています。 当初は「とりあえず1年間服用しましょう」ということではじめましたが、「アジュバンドとしてのグリベック服用36ヶ月の優位性が証明され、GIST治療ガイドラインに追加されました。」とのことで、引き続き服用しています。少なくとも36ヶ月、できれば5年間は服用する必要があるのかなと考えています。Wakohさんは、グリベック服用36ヶ月は過ぎていると思いますが、現在でも服用しているのでしょうか。 なお、CT等による検査は、最初の1年間は1回/3〜4ヶ月でしたが、現在は1回/6ヶ月です。病院は、GIST研究会に参加している都内の大学病院です。
トシロウさん、はじめまして。 私も服用期間を36ヶ月で打ち切るかどうかで悩みましたが、主治医と相談の結果37ヶ月の時点で服用をやめました。再発の可能性と副作用の兼ね合いで決めたのですが、正しかったかは不明です。トシロウさんの仰るように少なくとも36ヶ月、出来れば5年間服用については同意見です。 なお、検査については、年二回CTとPETを交互に受けており、来月で術後4年になるのですが、今後は間隔が広がりそうです。高リスクなのでやや不安なのですが、気にし過ぎないよう普通の生活に勤めております。 参考になるような、事項が無く申し訳ありません。前向きにがんばりましょう!
Wakohさん 早速のご教示ありがとうございます。 そうですね。副作用との兼ね合いが大切ですね。まぶたのむくみ、骨髄抑制、まれですが軽度の手足指の攣りなどがあります。 むくみは利尿剤でなんとかしのいでいます。白血球は2,600〜3,600で、赤血球、ヘマトクリック等が低く貧血気味です。 しかし、仕事や生活への支障はなく、朝は6時20分に家をでています。朝起きるのが少しつらいですが、若いときからですので、副作用の影響ではないでしょう。 今日はあいにくの雨で家にいますが、土・日はほとんどテニスに興じています。 確かに多少の不安はあります。が、今生きていることを大切にし、楽しく生活するよう心がけています。 今後ともなにかとご教示いただければ幸いです。ありがとうございました。