Regorafenib無作為化第III相治験結果の要約がASCO2012で出ました。理由不明ですが、レポート前日まで伏されていたRegorafenibの第III相治験結果の要約が今日発表されました。超簡潔化されているので翻訳にチョット手間がかかりました。要約サイトは:http://abstract.asco.org/AbstView_114_100232.htmlイマチニブ(IM)とスニチニブ(SU)による前治療にもかかわらず進行、転移/または切除不能なGISTの患者のレゴラフェニブ、regorafenib無作為化第III相治験。GRIDトライアル:背景:経口マルチキナーゼ阻害剤レゴラフェニブはイマチニブ(IM)とスニチブ(SU)両者の障害発生後のGIST患者第II相治験でかなりの活性効果を示した。この第III相無作為化二重盲、プラセボ対照治験は、これまで満たされてない臨床上の必要性を満たすためregorafenibの有効性と安全性を評価した。方法:治験適格患者は転移および/または切除不能なGISTをもち、IMとSUに失敗、一個以上の測定可能病変をを持つ、ECOGパフォーマンスステータス0または1を示した患者である。患者は2対1とランダム化され最善の支持療法(Best supportive care)を受けつつregorafenib 160mgを毎日1回経口(3週間服用、1週オフ)またはプラセボのいずれかと分けられた。主要エンドポイントは無増悪生存期間(PFS)(変更されたRECIST 1.1、独立した中央審査による)であった。二次エンドポイントは全生存期間(OS)、病勢コントロール率(DCR、部分的反応率[PR]が安定した疾患が12週間以上と定義)、反応速度と持続時間、安全性との遺伝子型相関の分析が含まれた。病気の進行点において、プラセボ、偽薬患者はオープンラベルのregorafenibにクロスオーバーが出来た。結果:2011年1月から8月の間に、234の患者をスクリーンした。その内199人の患者がランダム化され regorafenib服用 133人、プラセボ服用66人と分けた。患者は事前の療法と地理的な領域の数に応じて無作為に層別化した。ベースライン特性は両群間でバランスを取った。第一のエンドポイントは達成された。進行なしの生存(PFS)の中央値は regorafenib は4.8ヶ月、プラセボは0.9ヶ月であった。PFSのハザード比は0.27(95%CI、0.18から0.39)、P <0.0001であった。3ヶ月と6ヶ月PFS率はregorafenib 60% と38% に対し プラセボは11% と0%であった。病勢コントロール率(DCR)は regorafenib 53% に対し プラセボ9%であった。OSのハザード比は0.77(P = 0.20)で、85%のプラセボ患者はregorafenib服用とクロスオヴァーした。二重盲試験期間中、regorafenib服用者の最も一般的なグレード3以上の治療緊急有害事象は 高血圧(28%)、手足皮膚反応(21%)、下痢(8%)であった。結論:この無作為化試験で、イマチニブまたはスニチブが無効になった高度に進んだGIST患者は 進行なしの生存(PFS)および 病勢コントロール率(DCR)が著しく改善することを示した。Regorafenibは患者によく耐えられ、有害事象はこのクラス薬には予想できる範囲で投与量変更で管理が可能であった。コメント:1. この治験は日本患者さんも含まれています。2.“遺伝子型相関の分析が含まれた”と書かれていますが、要約では詳細が出ていません。非常に興味があります。3.RegorafenibはすでにFast track扱いになっていて治験結果が非常に良いのでGIST治療第三線薬と早いFDA許可が期待されます。
ASCOでの発表をわくわくしながら待っていました。Sunnyさん、早速の翻訳をありがとうございます。患者さんの手元に薬が届く日が待たれます。V相は国際共同治験でしたし、日本でも海外と差がなく承認されることを期待します。
グリベック、スーテントが効かなくなったGIST患者に対して著しい効果があることが実証されたことは、きわめてうれしい朗報です。将来に向かって生きることへの希望がでてきます。グリベック、スーテント耐性患者にとって一日も早い承認が待たれます。と同時に、この明るい日差しが一瞬のものとならないよう、承認に向けた取り組みが必要になってくるのではないかと思います。
がんナビに記事が掲載されましたのでご案内しておきます。http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/asco2012/201206/525267.html&cnavi=1