Wild Typeの定義はGIST病理、治療の進歩で変化しています。Wild Typeは野生型と翻訳されていますが、変異のない原型のゲノム配列を意味します。近年になり発生率の低い変異が見届けられてたのがSDH(Succinate dehydrogenase)コハク酸脱水素酵素 欠損型GISTです。上記の統計などにはこのSDH欠失GISTはWild Type GISTに入れられていたと解釈できるでしょう。SDH欠失テストはゲノム解析ではなく染色テストでわかります。すなわち腫瘍組織の特別薬剤への色反応のテストですから、高価ではないと思います。(注:SDH欠失テストが陽性とでなく、C-kit、PDGFRAなどのゲノム解析が陰性であれば、これは現在のWild Type GISTの定義内のGISTになるでしょう。)
これら情報から、私の一患者、素人の意見は、娘さんの腫瘍がGISTであれば、Wild Type GISTの可能性が90%近くの可能性があると思います。Wild Type GISTだとアジュヴァントイマチニブ服用も無意味になります。小腸原発、腫瘍径10pだと再発率の高いものと判断されますが、大きな因子である有糸分裂率(Mitotic rate)が分かりません。これが5/50HPF以上だと活発性の高いとみられ、悪性度、再発の可能性も高くなるでしょう。