現在、スーテント(スニチニブ)を服用されておられる方で、長期に奏効されている方はいらっしゃいますか?
麦さんはじめまして。当人ではなくお応えにそぐわない立場からで申し訳ありません。掲示板の過去記事検索したところ、スーテントを16年、服用継続されている方がいらっしゃいましたので、情報としてお役に立てばと思い書き込みさせていただきました。
麦さん, 再発後グリベック、イマチニブを満20年近く服用し、再再発を抑えているシニアーです。スーテントは服用していません。スーテント(スニチニブ)の奏効期間の基本情報は治験結果だろうと検索しました。一つは比較的最近の二年前の情報です。これは、イマチニブ治療後の進行性GIST患者におけるリプレチニブとスニチニブの効果を比較した2年前の第V相治験結果です。https://ascopubs.org/doi/10.1200/JCO.22.00294英文ですが、スクロールダウンしてFig.2を見てください。Kaplan Meier図AとBでPFS, Progression Free Survival, 無増悪生存期間のカーブが示されています。AはExon 11のGIST患者さんの結果、そしてBは他の変異も含めた全体の患者さんの結果を示します。両者のカーブ図の下の No.at risc:数値は治験始まり以降の時点でまだGISTが増大していない患者さん数を示しています。スニチニブで一番長く効いた人は22-24か月と読み取れます。中央値は7.0 - 8.3か月です。Fig.2の下部CにGIST変異別の奏功が示されています。リプレチニブに比べスニチニブはExon 9のGISTに効果が良い事を示しています。ちなみにこのリポートが示すように、リプレチニブはスニチニブと大差なく第二線薬とのチャレンジに失敗しました。しかし副作用が軽く患者には楽ですが、薬価がべらぼうに高いです。リプレチニブはGISTの第4線薬と欧米、東アジア諸国では承認されていますが、日本では未承認です。もうひとつはスーテントが第二線薬と承認された約20年前の治験結果を示したGSI(GIST Support International)のサイト情報です。https://www.gistsupport.org/treatments/sutent/sunitinib-sutent-treatment-for-gist/これもスクロールダウンしてTime to Tumor Progression, Figure 3を見つけてください。これによると奏功中央期は27.3 週間, 9.1か月と書かれています。プラシーボ、青線だと6.4週間です。その後のFigure 4にOverall Survival, 全生存期間が示されています。スーテントで再進行したら、第四線薬レゴラフェニブがありますから、諦めず「なにくそ、生きてやるぞ」と頑張ってください。
ご返信おそれいります。可能な限り長く効いてくれることを祈るばかりです。大阪の西○先生を尋ねましたが、現在服用中のスーテントで時間稼ぎをして下さい。間もなく、海外で承認されている薬が日本でも服用できるようにと、更には、日本で開発した薬が承認されるまで頑張れと言われました。考え出すとクサクサし、向精神薬に頼りがちになりますが、仕事に集中して心の安定に努めています。それにしてもGISTって病は、百人百様ですね。2016年に罹患したものですから、少々疲れました。でも、お二人の暖かなご支援で頑張れそうです。ありがとうございます。