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[12498] 高リスクGISTの実世界の長期アジュヴァント療法後の結果 - 日本発のリポート Sunny北加 - 2024/03/30(土) 12:11 -

最近、アジュヴァントイマチニブの治療効果のリポートを読み、この日本発の2年前のリポートが参照されていました。全文が読めます。

Long‑term adjuvant therapy for high‑risk gastrointestinal stromal tumors in the real world
https://link.springer.com/article/10.1007/s10120-022-01310-z

これは治験結果ではありませんが登録された患者さんのアジュヴァントイマチニブ治療中止後の再発率、RFS と生存率、OS を解析し、比較した 私らGIST患者には非常に貴重な情報だと感じました。このリポートによる大きな観察情報の結果はハイリスクGIST患者さんの再発傾向はアジュヴァントイマチニブ服用期間と中止理由に無関係で中止後に殆ど同じような再発率を時間的に示したことです。この傾向はアジュヴァントイマチニブ治療なしのハイリスクGIST患者さんも含めた観察情報です。このリポートを3分の1ほどスクロールダウンしてみられるFig.1 C と 1 D の二つのKaplan-Meierカーブにこのリポートの趣旨と主な結果が凝縮されています。

Fig.1 C はアジュヴァントイマチニブ服用をストップした後の再発なしの可能性を示しています。
赤線はアジュヴァントイマチニブ治療なし、青色は2年半以下の治療後、緑色は3±0.5年の治療後、紫色は3.5年以上の治療後のRFS、再発なしの可能性を示しています。

Fig.1Dはアジュヴァントイマチニブ服用中止の理由による治療後の再発率が示されています。
これら理由は、アジュヴァントイマチニブ服用なし、標準治療期間が終了したから、患者の希望、副作用の結果、または他の理由による五色で示されています。

下はAbstract、要約をGoogle翻訳し、多少編集したものです。

要約
目的:
3 年間の術後補助イマチニブは、高リスクのGIST の標準治療法です。 長期補助療法の予後への影響は不明です。
患者と方法: 前向きレジストリ研究が2012 年 12 月から 2015 年 12 月までに高リスク GIST 患者 515 人を募集し、その治療結果を分析した。 主要評価項目は無再発生存期間(RFS)で、副次評価項目には全生存期間(OS)と安全性が含まれる。 この研究は、3 年間の補助療法 (3.0±0.5 年:3年グループ)と3.5年以上(中央値5.2年:より長いグループ)のRFS,再発なしの生存率の比較目的にし設計された。
結果:5年RFSは68.2%(95%信頼区間[CI] 63.8〜72.1)、5年OSは92.3%(95% CI 89.5〜94.4)であった。 アジュバント中の再発率は 2.9/100 人-年 (95% CI 2.0 〜 4.1) と推定され、アジュバント終了後の再発率はアジュバント期間やアジュバント中止の理由に関係なく同様であり、12.0/100 人年と推定された。 (95% CI 10.2 〜 14.0)。
5年のRFS率はアジュバント3年では78.7%(95% CI 70.8〜84.7)であり、そり以上長期のグループは92.7%(95% CI 85.2〜96.4)であった。
3.5 年間の長期グループの RFS は、他のグループの RFS よりも大幅に優れていた。
3年群(調整後ハザード比[HR] 0.56; 95% CI 0.39-0.78; P<0.001)。
結論:補助療法後の高リスクGISTの再発リスクは、アジュバント期間に関係なく同様であり、イマチニブ補助療法は治癒しない可能性があるが、再発を遅らせる可能性がある。 長期補助療法後のRFSは、3年間の補助療法後のRFSよりも良好であると見えた。

下は私が重要と感じたパラグラフを翻訳したものです。

アジュバント療法終了後の RFS を評価したところ、各期間の RFS 曲線は類似しているように見えた (ハザードの均一性の調整済み検定: P=0.594、Fig.1C)。 さらに、イマチニブを中止した異なる理由を持つ 5 つのグループの RFS 曲線は類似しているように見えた (ハザードの均一性の調整済み検定: P=0.877、Fig.1D)。 4 つまたは 5 つのサブグループ間には多少のばらつきがあるように見えたが、事後分析では 2 つのサブグループ間に統計的な差異はなかった。 これらのデータは、アジュバント療法後の再発率は、補助療法期間やイマチニブ中止の理由に関係なく、一貫していると考えられることを示唆している
術後補助療法中の再発率は 2.9/100 人-年 (95% CI 2.0 〜 4.1) と推定された。
アジュバント後の割合は 12.0/100 人-年と推定された (95% CI 10.2 〜 14.0)。
これらのデータはイマチニブが治療中の再発を大幅に抑制する可能性があることを示唆している(補足図2)。

重要なのは、補助療法を中止した主な理由は、両方のグループで療法が完了したことです。 3年間のグループではすべての患者が補助療法を終了したが、長期グループでは53人の患者が補助療法を完了し、48人の患者がまだ治療を受けていた。 3 年グループの再発イベントは、より長いグループよりも約 2 年早く、より頻繁に発生するようであった。 この研究は観察的であったため、傾向スコア調整を使用して予後結果を分析したところ、長期間のグループの RFS が 3 年間のグループの RFS よりも有意に優れていることがわかった。後ろ向きコホート研究により、より長期の補助療法が高リスクGIST患者のRFSを改善することが示されている[23]。 PERSIST-5 の結果と我々のデータは、より長期の補助療法が可能である可能性があり、イマチニブが治療中に感受性の高い変異を伴う高リスク GIST の再発を効果的に抑制できる可能性があることを示している [12]。

これらの結果は、イマチニブは術後補助療法中の再発を有意に抑制するが、微小残存疾患を根絶することはできなかったことを示唆している。 したがって、経済的および毒性の問題を除けば、我々の結果は、微小転移の可能性がある患者には3年以上の長期補助療法を受けることが推奨されることを示している。つまり、一部の若い患者は、以前に議論したように敏感な変異がある場合、数十年間イマチニブを受ける可能性がある[ 20]。

患者数、特に 3 年以上のグループの患者数は比較的少なかったかもしれないが、RFS の違いを検出するには十分だったが、必ずしも OS の違いを検出できなかった。おそらく OS のフォローアップが比較的短かったためだろう

[12501] いつもありがとうございます ひろすけ - 2024/03/31(日) 14:51 -

いつも詳しい情報をありがとうございます。
見た中でビビったのが「高リスクの場合はほとんど5年以内に再発する」という情報でした。

ここで気になるのが、再発させないためにグリベックを飲み続けるべきか、もしくは再発を確認してから取れるなら摘出手術をする、そうでないならグリベックを飲み続けるという判断に迷うところですね。

僕は手術をしてから4年と3か月になりますが、5年以内ということであればそろそろ再発してきてもおかしくない時期になります。
5月に検査があるのでその時はまた投稿します。

[12502] 減薬とのチョイスも Sunny北加 - 2024/04/01(月) 01:45 -

ひろすけさん、

皆さんにも貴重な情報だろうと新スレッドでポストしました。

このリポートでも他のリポートでもGIST再発の定義はCT/MRIで確認できる1pほど以上の腫瘍存在です。内視鏡で見えるものとか、外部に近い腹膜などの部位のもの以外は1p以下の透視確認はできないのが現状だと読んでいます。

他の腫瘍のようにGIST細胞は60日から100日の倍増期間で2倍、2倍と増殖すると読みました。ですから、アジュヴァントイマチニブ服用中止1年後に再発と確認された腫瘍は中止前には2oから4oほどの大きさになっていたと計算できます。すなわち、大半近くのハイリスク患者さんはすでに再発しているが、検出できないのが現実だと推測します。私の計算では腫瘍径が1pになると6け月から8か月で2pになります。その後は尚更急速に大きくなります。

再発後のイマチニブ再服用につきフランスのリポートがありますが、そのリポートを時間内にみつけられません。再服用は効果があるが、継続に比べると良くなかったと記憶しています。

このT. Nishida et. alのリポートではアジュヴァントイマチニブ服用中止後とアジュヴァントなしとの再発率は殆ど差がなかったと報告されていますが、多分細胞分裂数、腫瘍径、そしてゲノム変異などの因子らがアジュヴァントなしの再発率と同じ様に関与すると思います。下のURLをクリックして冬休みさんへの私のコメントも参考にしてください。
https://bbs4.sekkaku.net/bbs/gist/&mode=res&log=9925

イマチニブ服用中止でなく、減薬とのチョイスも考慮すべきだと思います。このリポートには「経済的および毒性の問題を除けば、我々の結果は、微小転移の可能性がある患者には3年以上の長期補助療法を受けることが推奨されることを示している」と書かれています。このリポートによると“イマチニブの開始用量は、375 人の患者では 400 mg/日、31 人の患者では 300 mg/日、9 人の患者では 300 mg未満/日でした。” と書かれていますが、減薬による治療影響は書かれていません。私はCT/MRIで再発GISTが確認できなくなった10年以降200rに減薬し、再発確認していません。

Good luck, ひろすけさん。

[12505] 遅くなりました。 ひろすけ - 2024/04/07(日) 12:14 -

本当にいつも詳しい情報やアドバイスありがとうございます。

私の主治医は何もアドバイスはしてくれませんでした。
何か気を付けることはありませんか、と聞いても「何もありません」と。グリベックも三年以上飲んでも効くかわからないので。と言われました。
しかし北加さんの資料では飲み続けたほうが多少なりとも効果はあるとなっていますしね。
うちの主治医は本当に患者の命を長らえる気があるのか疑問に思ってしまいます。

北加さんの200mgで抑え込む効果があるのであれば主治医に話して飲み続けようかとも思っていますが、医者の許可がないと処方箋出してくれないですからね。

北加さんはどうやって200mgに決まったのですか?

[12506] 私のは細胞分裂数の低いGISTです。 Sunny北加 - 2024/04/08(月) 09:14 -

ひろすけさん、

前にも書きましたが、病院を変えて新CT/MRIで腫瘍が確認できなくなり、休薬を奨められました。
一時、副作用から解放と大喜びしましたが、慎重に考え3ページの手紙を書き、減薬を頼みました。
この詳細はひろすけさんへのポスト
https://bbs4.sekkaku.net/bbs/gist/&mode=res&log=9828
への返信
[12030] 医師も十人十色でしょう。(追加)
で書きました。

減薬が許され、半年ほど300rをのみ、その後200rを頼みOKがでました。グリベック、当時ではSTI571と呼ばれた治験結果を読みましたが、200r以下は効果がなかったとの記憶から200r減薬を頼み、もう10年近くになり、再発は確認できていません。でもこのSTI571治験は重篤なGIST患者さん対象のものですから、薬に対してTumor Load、腫瘍の負荷の高い患者さんらです。私の場合はアジュヴァント イマチニブでなく食道の胸腔鏡手術によるマージンなしの摘出でしたから、取り残し腫瘍の増殖を抑えると飲みました。顕微鏡下で細胞分裂が確認できなく、活発性の低いGISTですので、200rでも効いているのでしょう。

[12507] ありがとうございます。 ひろすけ - 2024/04/09(火) 14:46 -

詳しいとはいえ医師ではないSunny北加さんやひまわりさんなどが「減薬でも飲み続けたほうがいい」とアドバイスをくれるのに、なぜ僕の主治医は「飲まなくてもいい」となるのか、不思議でなりません。

よく思うのですが、日本は添加物大国と言われていて、他の国が体に害があるということで使用が中止された添加物を平気で使用を認めています。
そのせいだけではないかもしれませんが、ガンで亡くなる方は増えるばかりです。
もしかして政府も医学会も本気でガンを減らす気はなく、国民には医療費をたっぷり払ってあまり年金をもらわないうちに亡くなって欲しいのでは?
と思ってしまいます。

200mgのグリベックを出してもらえるようにお願いしてみます。




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