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[11985] 迷走神経切除の影響について 2児ママ - 2022/11/29(火) 16:12 -

こんにちは。
GIST疑いの胃外発達型の腫瘍を手術することになりました。

先生の話では胃の左側上の方に腫瘍があるようで、迷走神経を一部切除する可能性があるとのことでした。
食道の下の方にある腫瘍のようで4cmほどです。

こちらの掲示板やネットでは迷走神経が切断されれば、胃があっても機能しないと書いてありました。
そのため全摘になるケースが多い?と記載がありました。
医師からは全摘になるとは言われておらず、胃も一部切除するだけで神経を切った場合胃もたれなどはあるとのことでした。
一部切除でも迷走神経を切るとネットのように全く胃は動かないのでしょうか。。
神経を切除された方、ご事情教えてくださいませんか?

[11986] もしも私が2児ママさんであれば Sunny北加 - 2022/12/02(金) 07:11 -

2児ママさん、

私のGISTは食道の下部、胃のすぐ上に起こったものです。迷走神経は切っていません。

食道の下部は一番手術が難しいと聞いています。まだGISTの概念が確りしていなかった時期、1995年に飲み込み苦を感じ始め、1996年に開胸手術の説明を受け、余りにも大げさな手術だったので、もっと体に優しい方法はと求め、1997年に当時先端技術だった胸部内視鏡で摘出してもらいました。増殖度が低い腫瘍だったので良性との診断でマージンなしの摘出手術でした。しかし、病理リポートでGISTと診断され、再発の可能性を指摘されました。4日の入院、7日の安静後に何もなかったように仕事にもどりました。でも2004年に術前のサイズまで大きくなり、グリベック400r服用にて10年後にCT/MRIで見届けられなくなりました。もう8年ほど減薬し、いまはイマチニブ200rで副作用が軽くなり比較的に良いQoLをエンジョイしています。84歳のシニアーです。

”迷走神経は胃の筋肉に信号を送り、筋肉収縮にて食物を小腸に押し込むなど、消化器管の複雑なプロセスを管理します。 損傷した迷走神経は、胃の筋肉に信号を正常に送ることができない”   と英文サイトで読みました。

これはGISTの発現細胞とよばれるカハール間質細胞(Interstitial cells of Cajal、ICC)によく似ています。カハール間質細胞として知られる特殊な細胞は、消化器管の筋膜内に分布し、ペースメーカー、徐波の能動的伝播経路、および腸運動神経伝達のメディエーターと動きます。カハール間質細胞は、消化器内の食べ物存在を感知し、消化器管平滑筋で電気的徐波を生成し消化器の蠕動運動や消化管のセグメンテーションなどの基本的な運動パターンをおこすと読んでいます。

これらから、もしかしたらママさんの腫瘍はGISTのICC細胞のがん化でなく迷走神経細胞のがん化かもと感じています。


アメリカの2022年 NCCN GIST治療ガイドラインの摘出手術注意文で、ママさんに適応と感じる文章をGoogle翻訳しました。

GIST手術の一般原則  General Principles of Surgery for GIST
原発(切除可能な)GIST Primary (Resectable) GIST

「実行される外科的処置は、組織学的にネガティブマージンをとり腫瘍切除することを目的とする必要があります。
制限された壁内拡張を考慮すると、拡張解剖学的切除 (胃全摘など) が適応されることはめったにありません。 多くの場合、切除断端陰性を得るために部分切除または楔切除が適切です。

切除は最小限の罹患率で行うべきであり、一般に、複雑な複数内臓切除は避けるべきです。 外科医が複数臓器切除が必要であると感じた場合、術前のイマチニブのコースに関して集学的なコンサルテーションが必要です。 同様に、直腸 GIST には、括約筋温存アプローチする必要があります。」

私のGIST発生時と現在とはGIST治療方に大差があります。多くありますが、一番顕著なのはグリベック/イマチニブの登場だと私は思います。

ママさんのは“GIST疑い”だけで、まだGISTだと診断されたものではないのですね。“GIST疑いの胃外発達型の腫瘍”は二時点の腫瘍サイズ差から「発達型」と判断されたのでしょうか? 前サイズ、現サイズ、そしてそれらの時間差から腫瘍の増殖率が算出できます。この情報を教えていただければ腫瘍倍増期間を計算します。この結果が客観的な増殖比較情報になります。もしも比較的に増殖度が低い腫瘍であれば、時間余裕の確認ができ、慎重に治療が進められるでしょう。

ママさんの情報、私の治療情報、そして前記したガイドラインの摘出手術注意文などから、もしも私がママさんだったら治療医に聞きたい、頼みたいと感じるものを下に書き出しました。

1.戦うには敵を知ることが必須です。マージン確保と迷走神経を切り胃機能を犠牲にするには対価が高すぎると感じます。FNA, Fine Needle Aspiration Biopsy, 穿刺吸引生検は可能でしょうか? 私は再発後にFNA生検を3度してもらいましたが、成功したのは病院を変えての三度目の正直でした。FNAによる腫瘍組織摘出量は微量なのでC-kit陽性のみのGIST確認になりましたが、グリベック服用の正当化を得ました。ママさんのは胃の上部、そして外部なのでFNA生検は簡単では無いかもーと思っています。

2.FNA生検の成功、不成功にかかわらず、GISTと仮定しての Neoadjuvant imatinib, 術前イマチニブを私は懇願します。もしもGISTであり、イマチニブに反応するゲノタイプであれば、結構速く縮小すると思います。私の再発GISTはグリベック服用開始後3か月間に3.4pから2.6pまで縮小しました。これは腫瘍体積が56%縮小したことになります。縮小すればGISTの可能性が高いと想定でき、一番重要なのはイマチニブが効くゲノタイプ確認になります。もしも縮小しなければ、これも有意義な新情報になるでしょう。

3.一般的に術前イマチニブは10pほどの大きなGISTに使われると読んでいますが、ママさんの場合、FNA生検に無関係で術前イマチニブに賭けての腫瘍縮小効果があれば、その後の摘出手術リスクが少なくなると思います。私なら術前イマチニブを強く求めますが。

4.3.の術前イマチニブで腫瘍縮小を確認できれば、手術時の迷走神経温存の可能性も高くなるかもと思います。

5.多少の腫瘍組織の取り残しもリスク天秤にかければ、胃機能消失によるQoLの悪化より良いかもと考えます。特に術前イマチニブ効果がよければ、取り残しGIST腫瘍細胞はAdjuvant imatinib、術後イマチニブで抑えられる可能性が高いと考えます。私は再発後、死亡リスクの高い食道切断手術を断り、そしてQoLを重視しグリベックに賭けました。大きな賭けでした。アメリカのガイドラインを長年読み内容の変遷に対しての感想ですが、近年の上記のガイドライン注意文、胃全摘、複数内臓切除を避け、括約筋温存などは、多少の残留細胞はグリベック、いやジェネリックイマチニブ効果に賭けなさいとの暗示を感じています。私は15年ほど非常に高価なグリベックを呑んでいましたが、現在はジェネリックになり、経済的負担も軽くなりました。

6.最後にセコンドオピニオンを得る事を強くお奨めします。

[11987] 詳しいことを教えてくださりありがとうございます。 2児ママ - 2022/12/03(土) 21:25 -

sunny北加さま
こんばんは。
とても詳しく教えてくださりありがとうございます。
sunnyさまは再発後、グリベックにて腫瘍が見えなくなるまで小さくなられたとのこと、希望が持て元気付けられました。

海外の論文などとても参考になります。
最近GISTについて知ったばかりで全く知識がないため大変ありがたいです。
今回人間ドックの腹部エコーで腫瘍が見つかりました。
胃外発達型という風に医師から断言された訳ではないのですが、胃の外にあったためネットの知識からそのように呼ぶのかと思い記載させていただきました。(管外発達型でしょうか?)
また、8年ほど前にも同じ病院で人間ドックを受けておりその時のエコーが残っておりその時すでに2-3cmほどの腫瘍があったようです。
現在は4-5cm程となっており倍の大きさになっているようです。
長年経っているため悪性度はそこまで高くないのでしょうか。

またsunnyさまのおすすめの方法もありがとうございます。
現在の病院だと1の生検は何も話されておらず、術後腫瘍を取り生検するという風に言われております。
難しい可能性があるので別の病院を検討することも大事かもしれないですね。。

[11988] 非常に遅い増殖スピードだとの計算結果です。(追加) Sunny北加 - 2022/12/04(日) 04:18 -

2児ママさん、

ママさんの腫瘍増大経過情報ありがとう。

私は腫瘍細胞が一定の時間に2倍、2倍と分裂するという仮定に基づいて、腫瘍細胞の倍増時間の方程式を数年前に導出しました。 これは平均的な実効的倍増時間です。方程式は次のとおりです。

__________________ 0.1 x測定時 間隔
がん細胞倍増周期 p = ────────────
▔▔▔▔▔▔▔▔▔▔▔ log(腫瘍径2/腫瘍径1)

ちなみに係数0.1は Log2/3= 0.100343が起因です。

最近、英文サイトで別の方程式をみつけました。それは下で読めます。
Quantitative analysis of tumor growth rate and changes in tumor marker level: Specific growth rate versus doubling time
Esmaeil Mehrara, Eva Forssell-Aronsson, Håkan Ahlman & Peter Bernhardt
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/02841860802616736?scroll=top&needAccess=true
Mehrara氏らは 自然対数Lnを使用しましたが、私は常用対数Logを使いました。Mehrara氏らの方程式の自然対数を常用対数に変換し、V, Volume,体積を腫瘍径3乗に代入すると私の方程式と全く同一なります。一般的に医師らは長径、もしかしたら短径も教えてくれますが、体積を算出するには不十分です。どちらの方程式でも体積の前期/現在の比を算出しますから、腫瘍形が維持されていればPiなどの係数は相殺されます。(追加終わり)

ママさんの腫瘍増大経過情報から:
腫瘍径2は4-5p、腫瘍径1は2-3p、測定時 間隔は8年、 2,922 日になります。

腫瘍径の中央値を使って
腫瘍細胞倍増期間=0.1x2922日/Log(4.5p/2.5p)=292.2日/Log1.8 = 292.2日/0.255 =1445日
最悪ケースと腫瘍径1を2p、腫瘍径2を5pと使って計算すると、374日になります。

GISTも含め一般的ながんの細胞倍増期間は60日から100日と読んでいます。

私のGISTのMitotic Rate, 有糸分裂率は0。すなわち顕微鏡下50か所の400倍視野内で細胞分裂進行中の細胞が一個も見つからなかった、0/50HPFと病理リポートに書かれていました。私のGIST摘出から7年後に再発したGIST腫瘍サイズから、私の再発したGIST細胞倍増期間は100日弱だと概算しました。少数ですが再発、転移したGISTは倍増期間が60日に近いものだと患者さんの情報で確認しています。

これらから、ママさんの腫瘍は増殖スピードが非常に遅いものだと考えられます。

私が前回指摘したように、ママさんの腫瘍増殖率が低いようですから摘出手術にセカンドオピニオンを得て、慎重に進められる時間的余裕があると感じます。もしかしたらGISTでない可能性も高いと、素人意見です。

管外発達型でしょうか?ですが、私には答えられる情報も知識もありません。
「胃」「迷走神経」と検索し、下のサイトを見つけました。
全文を読んでいませんが、詳しく書かれています。得られる事が多いかもと思います。

胃粘膜下腫瘍(特に胃GIST)と診断された患者様へ
https://www.elk-2002.com/gist/


[11990] セカンドオピニオン行ってみます。 2児ママ - 2022/12/08(木) 11:52 -

腫瘍のスピードまで計算いただきありがとうございます。
非常に遅いスピードとのこと安心いたしました。
腫瘍は大きくなっていますが、増殖が遅いとのことですので
事前に生検ができる病院を探してみたいと思います。

色々と論文やHPのご紹介などありがとうございます。
すぐに手術する予定だったので大変参考になりました。




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