先日もオーストラリアの女性にも同じ課題でコメントしたのですが、「グリベック耐性は2〜3年がピーク」は古い文献の誤解だと強く思います。多分この情報はGIST研究会の 「イマチニブ耐性GISTに対するスニチニブ治療」の https://gist.jp/shindan/update2011/ud2011-0501 ” 幹細胞因子受容体(KIT)を阻害するイマチニブ(グリベック®)が切除不能のGISTの標準治療となっているが、投与開始後2年以内にほぼ半数の患者さんに耐性が出現することが明らかになってきた1)。” の後部の「投与開始後2年以内にほぼ半数の患者さんに耐性が出現することが明らかになってきた。」が一人歩きしているのではないかなと思います。(またRESET試験の広報文でも同じような文章にチャレンジしその文章は変更されました。)このGIST研究会のサイトに参照された文献を何度も読み返しましたが、このように解釈できる文章はどこにも見つかりませんでした。参照されたリポートは1日400rと600r服用の効果を重篤なGIST患者さん対象の治験効果を発表したものです。このリポートでGIST研究会の「投与開始後2年以内にほぼ半数の患者さんに耐性が出現」に一番近い文章は:”The median time to progression was 24 months overall, 20 months in the 400 mg/d dose group, and 26 months in the 600 mg/d dose group (P = .3712, log-rank test; Fig 1).” 「無増悪期間の中央値は、全体で24か月、400 mg / d投与群で20か月、600 mg / d投与群で26か月でした(P = .3712、ログランク検定;図1)。」です。繰り返しますが、これは重篤なGIST患者さん50%のGISTがグリベック服用中に増大し始めた時間との統計的な情報です。もしかしたらGIST研究会のサイトはProgression, 進行 をResistance、耐性と誤解かなと思っています。