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[10825] グリベックからスチバーガ 子だくさん - 2019/12/20(金) 12:52 - MAIL

はじめまして。名古屋在住の子だくさんと申します。

2019年9月2日昼過ぎから高熱と尋常ではない震え(悪寒)で名古屋市立西部医療センターへ救急搬送され、翌日に腹部に10cm超の腫瘍がある旨告げられ入院し、造影CT、MRI、PET等の各検査の結果、医師より十二指腸GISTの疑いで手術を要するとの診断を受けました。
同年9月30日手術で腫瘍と腹膜播種の一部を切除し、術後良好とのことで同年10月15日よりグリベック服用開始し、同年10月23日退院しました。

先日の受診で、遺伝子検査の結果エクソン13変異であることを告げられ、グリベック耐性後はスチバーガ治療の方針とのことでした。
スーテントを飛ばしてスチバーガ治療となることに違和感があったので医師へ尋ねたところ、カンファレンスで決定したとのことでした。

薬の実績・ノウハウはあるとのことなので治療方針は妥当だと思うのですが、少々不安になりましたので皆様のご意見などお聞かせいただければと思い、投稿しました。

お声をいただければ幸いに存じます。
よろしくお願い申し上げます。

[10828] 先ずは手術終了おめでとうございます。 YURIMARI(父) - 2019/12/21(土) 01:32 -

YURIMARI(父)といいます。
妻が患者です。
名古屋在住です。
下の方の投稿[10778]に書いてるように、この地域にも「希少がんGIST」の患者会があります。
ご一緒に、宜しくお願いします。
さて、投稿からの推察での話なので申し訳ありませんが、子だくさんさんは手術は無事終了されたようで良かったです。腫瘍径が10pだったとありますので、それで「高リスク」と判断されて、グリべックをアジュバンド(予防的投与)されたのでしょうが、その後の遺伝子検査結果で「遺伝子異常はエクソン13に見つかったので(どのような遺伝子検査か分からないのでスミマセン)、グリベック耐性(=再発)時は、スチバーガで対応しましょう。」と医師から言われたとのことだと解釈します。
「スチバーガではなくて、スーテントでいいのか?」というお話ですが、そう仰れるということは、かなりご自身で勉強されているようですね。
それに対しての回答ですが、医者ではないので、何か書くと、実は「医師法」抵触してしまうので〜けっこう、みなさん平気で書いてますが、アレは本当は法律違反です(笑)〜、「コレ、見て下さい」です。
遺伝子異常別の薬の受容性と抵抗性は、実はまだGISTのガイドラインにも載っていない(まだエビデンスが確立していない?)ので、確実なこととしては言えない状況だと認識していますが、国立がん研究センターのGIST治療に詳しい内藤先生の動画なので、まあ、参考にしてもらっていいかな、というところです。
「GISTの新たな治療法(新薬の開発状況、新薬の治験等)内藤 陽一」
https://www.youtube.com/watch?v=4tJ_wMCRHnc
この14分過ぎくらいで、「2次変異」に関して、スーテント(スニチニブ)とスチバーガ(レゴタフェニブ)と遺伝子変異について、チラッと述べています。あまりハッキリとは言っていないので、画像の中のスライドで、それぞれの薬剤の「Sensitive」と「Resistant」を見て下さい。
まあ、何にしても、子だくさんさんは、万一「再発」した場合のことですが、より知りたければ、国がんの「希少がんホットライン」
https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/hotline/index.html
に電話してみて下さい。
より詳しい話が聞きたい、同じGISTの患者さんと会ってみたいという場合は、地元だと、次回の中部患者会は3/1と、ちょっと先になるので、こちらでチェックしてして下さい。
https://www.gisters.info/%E5%8B%89%E5%BC%B7%E4%BC%9A-%E4%BA%A4%E6%B5%81%E4%BC%9A/

[10829] ご返信ありがとうございます 子だくさん - 2019/12/21(土) 05:31 - MAIL

YURIMARI(父) 様

早速のご返信、ありがとうございます。
お察しのように、自分で色々調べました。当方53歳男性ですが、過去に大病歴が無いどころか入院経験も無い為、医師から「GISTの疑いがある」と告げられてから相当焦って本サイトはじめ勉強しまくりました。

私の場合は腫瘍は全摘出できたのですが腹膜播種があり、執刀医からは「手術の際に腹膜播種の目に見える部分は切除したが広範囲に散らばっているため術後は早期に化学療法を始めた方が良い」との指示を受け、現在のグリベック投与となっております。

色々調べたのですが、GISTには遺伝子変異の型があり、当該型によってグリベックの効奏率に差があることなどは分かりました。
グリベック耐性後はスーテント、その後スチバーガと認識していたので、主治医からグリベック耐性後はスチバーガと聞いて「そんなケースあるんだ」と思い、ご経験や知見のある方のお話しが聞ければと思い投稿した次第です。

色々とご教示いただきありがとうございます。
実は先日の市大病院での患者会に参加しようと思っていたのですが、直前に発熱したため受診したら肺炎球菌肺炎と診断され即入院させられてしまい、参加できませんでした(ちなみに入院中はグリベック投与中止の上で抗生剤点滴を受けました)。
次回の患者会には参加させていただければと思っておりますので、その際にはよろしくお願い申し上げます。

ありがとうございました。

[10830] 治療医に詳細を聞いて下さい。 Sunny北加 - 2019/12/21(土) 12:56 -

子だくさん,

医師の治療方針を熟慮し、納得することは大変良いことだと思う一人です。特にGISTのようにまだ治療法が発展時である疾患には大切だと思います。

GIST治療薬はImatinib, Sunitinib, Regorafenibと治療薬レールがひかれています。2年ほど前から日本の医師主導でRESET(Regorafenib as Second Line Treatmentだと思いますが)試験がおこなわれましたがその結果のリポートの存在は知りません。もしかしたら日本医学雑誌に報告されているかもしれません。包括的にゲノムテストをし、Regorafenibを第二線薬と最適のGIST治療をーとの試験だと思っています。

YURIMARI(父)さんが参照されたヴィデオの13分時点の画像にはRegorafenibはExon13 V654Aには耐性と赤で示され、Sunitinibは緑で示されています。これは子だくさんが疑問視する根拠でしょうか? しかし、下の2019年のサイトではSunitinibとともにRegorafenibもExon13 GISTに効くと緑で示されています。
Secondary KIT mutations: the GIST of drug resistance and sensitivity
https://www.nature.com/articles/s41416-019-0388-7
この矛盾の根拠は判りません。情報時差でしょうか。

私は三日前に「GIST第4線薬Ripretinib (DCC-2618)をFDA新薬申請」とG.netにポストしました。まだRipretinibのリポートを勉強しています。Ripretinib製薬会社、Decipheraが発表した最近のリポート
Ripretinib (DCC-2618) Is a Switch Control Kinase Inhibitor of a Broad Spectrum of Oncogenic and Drug-Resistant KIT and PDGFRA Variants
https://www.deciphera.com/wp-content/uploads/2019/05/Ripretinib-is-a-Switch-Control-Kinase-Inhibitor-of-a-Broad-Specturm-of-KIT-and-PDGFRA-variants-with-supplement-CANCER-CELL-2019.pdf
に試験皿内での競争薬の効能が示されています。

Table IにKIT13 V644A変異のIC50(50%効果の薬濃度、少量のほうが効果が良い)にはSunitinibは8.1± 1nM、Regorafenibは17 ± 8nM、多分両者が効くと解釈して良いと思います。グリベック、Imatinibは>3,300nMですから効かないと思ってよいと思います。

Table2の最後に示されているのはGIST 882 (K642E) Exon13 にはSunitinibは>3,000nMで効かないがRegorafenibは137nMですから効くと示しています。

Table3にExon9からExon13 の二次変異をおこした例二つとExon11からExon13に二次変異をおこした1例の効果が示されていますが、いずれもRegorafenibのほうが少量で効果があると解釈できます。最後のExon11からExon13への二次変異にはSunitinibは>3000nMでないと効かない、すなわち効かないと解釈してよいでしょう。

これら試験皿のテストで全てを知る事は難しいですが、Exon13の変異のGISTが非常に稀で信頼できる統計的情報が乏しいことも考慮しなくてはならないでしょう。ですから、このDeciphera社の試験皿の情報は貴重だと思います。これら情報からもしも子だくさんのGISTはExon11からExon13の二次変異であれば、私はスーテントは効かない、しかしレゴラフェニブは効果があると判断しますが。

治療医に詳細を聞いて下さい。コンフェランスされた彼等の情報源など、私も興味があります。詳細を聞き納得できる治療を受けることは大切です。同時に大変重要で、良い事だと思います。

[10833] 詳細情報ありがとうございます 子だくさん - 2019/12/22(日) 05:34 - MAIL

Sunny北加 様

詳細かつ大変興味深い情報をいただき、ありがとうございます。
エクソン13変異の場合におけるグリベックの効果がよく分からなかったので、ご教示いただきました試験結果データは大変参考になりました。

どうやら私の場合、グリベックは一次耐性でも不思議ではなさそうですね。服用開始後は腹部の鈍い痛みが治まったので効果があると思っていましたが、最近は右脇腹等に時々鈍痛を感じるようになり、もしかして効果が薄いのかな?と感じていたところなので納得しました。
12月5日に造影CT検査を行った結果は問題無しでしたが、次回3月予定の検査では覚悟をしておきます。

主治医からは「抗がん剤変更時には入院して副作用等の反応を確認する」と告げられておりますので、再入院の準備はしておいた方が良さそうだなと感じました。
ただ、データからはスチバーガの効果が期待出来そうなので、希望を持って臨みたいと思います。

貴重な情報をいただき、重ねて御礼申し上げます。
ありがとうございました。

[10843] 専門医に確認してください YURIMARI(父) - 2019/12/24(火) 12:53 -

子だくさんさん
この場で、治療に関しての意見交換のようになることをご容赦願います。

Sunny北加さん
いつもアメリカからの情報を提供いただき有難うございます。
さて、お問い合わせの「BJC」の
https://www.nature.com/articles/s41416-019-0388-7
図の件ですが、私は英語が分からないですし(基本はグーグル翻訳です)、医療の内容も分かりませんが、どうやら特殊なケースのようですね。
また、文面(グーグル翻訳ですが)には、やはり「スニチニブは、エクソン13の二次変異と組み合わせたKITエクソン11変異に対して顕著な活性を示しましたが、レゴラフェニブは、エクソン17またはエクソン18の二次変異と組み合わせたKITエクソン11変異に対してのみ活性がありました。」とあり、基本的には「エクソン13にはスーテント、エクソン17にはスチバーガ」ということのようで、緑と赤の塗り分けの違いは分かりませんし、このパターンの図は見たことがありません。
同じ著者(ナポリターノ氏)の名前がある、こちらのレポート(こちらは今年の5月)には、同じタイプの図がありますが、
https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/1758835919841946
こちらは、国がんの動画と同様に「エクソン13にはスーテント、エクソン17にはスチバーガ」の赤と緑の色分けになっています。
このイマチニブ、スニチニブ、レゴラフェニブのエクソン変異別の感受性、抵抗性の図は、確かSunnyさんもご存じのDrハインリヒが何年か前のASCOでのポナチニブのレポートで使われた頃が始まりだったと記憶しています(その頁はSunnyさんもご存じだと思います)が、変更があったのかどうかご存知でしょうか?
また、リセット治験の件は、今年の国がんの内藤先生の動画
https://www.youtube.com/watch?v=w1udmGDs64c
で、29分過ぎ頃から「出来れば今年中に一部でも報告したい」と話していますが、結構苦労しているようです。
(*この27分過ぎ辺りで、2次変異でのエクソン13とスーテント、エクソン17でのスチバーガの話が出てきます。)
ついで、Deciphera社のレポートの件ですが、私にはほとんど分かりませんが、DCC2618の治験での比較資料でのデータであり、そのこと(エクソンタイプ別の薬剤適合)を主目的にしたものではないので、子だくさんさんのエクソン13にレゴラフェニブが効くというエビデンスにするにはどうでしょうか?また、子だくさんさんのエクソンは11から13への変異だとは書かれていません。
ただし、「エクソン13にはレゴラフェニブは効かないのでは?」とか言うつもりは全くありません。エクソン13と言われた方にもレゴラフェニブが効いたという話は身近にもあります。
ことほど左様に、遺伝子変異と薬剤の適・不適は簡単ではないということです。

子だくさんさん。
以上は私のSunnyさんの投稿に対する「感想」です。また、Sunnyさんも一番に言っていることは「詳細を聞き納得できる治療を受けることは大切です。」だと思います。
ただし、GISTにおける治療薬の選択は、それこそ生死に直結するものですから、そこに関する事項には、必ず医療者の判断を受けるようにしてください。いくら執筆者が真摯に書いたものであっても、医療者でない限りは、原則的には「医師法違反」になってしまいます。
それも含めて、現状ではGISTに関する安定的でない対応がなされていない実態も多く聞くので、経験的に「グリベックで安定している」以外の方には、専門医の意見を聞くことを強くお勧めしています。
お騒がせして申し訳ありませんでした。

[10844] ご指摘ありがとうございます 子だくさん - 2019/12/25(水) 06:08 - MAIL HOME

YURIMARI(父) 様

ご指摘いただきありがとうございます。
また、非常に参考となる情報も頂戴し、重ねて御礼申し上げます。

そうですね、私の書き方も悪かったですね(笑)
確かに自己判断しているように読めてしまいますね、反省します。

基本的には主治医の治療方針に従うつもりなんですが、自分で納得した治療を受けたいという思いもありますので、色々と勉強しております。
こちらでは皆様の深い知見による意見交換がされていると思いましたので、参考にさせていただくつもりで投稿しました。

ご指摘と同じく、私自身もグリベック耐性と診断された際にはセカンドオピニオン含め専門医の意見を聞くつもりです。
幸い、この地域にはがんセンターや藤田学園がありますので、主治医の意見も聞きつつ今後の治療に臨みたいと考えております。

ありがとうございました。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。




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