グリベックの耐性は、2年ぐらいで起こるのですか?複数の医学文献に、そのようなことがかかれていましたので…こちらの書き込みでは、10年以上飲み続けていらっしゃる方も多いと思うのですが?
私の妻も16年間グリベックを服用しています。2016年に米国西海岸在住の日系の方で、Sunny NCさんが系統的論証されたグリベック自体が原因の耐性はないという資料をG-netに投稿されました。その年の11月に私がSunnyさんの了解を得て「イマチニブ耐性の原因」シリーズ1〜7にまとめ、保存用のサイトにpdfファイルとしてアップしてあります。ぜひご一読ください。http://www.eonet.ne.jp/~iktoyoda/articles/resistance1.pdfhttp://www.eonet.ne.jp/~iktoyoda/articles/resistance2.pdfhttp://www.eonet.ne.jp/~iktoyoda/articles/resistance3.pdfhttp://www.eonet.ne.jp/~iktoyoda/articles/resistance4.pdfhttp://www.eonet.ne.jp/~iktoyoda/articles/resistance5.pdfhttp://www.eonet.ne.jp/~iktoyoda/articles/resistance6.pdfhttp://www.eonet.ne.jp/~iktoyoda/articles/resistance7.pdf
初心者さん、グリベック服用14年ちかくなる食道GIST患者です。摘出手術7年後に再発し、場所がら再手術リスクが高いのでグリベックに賭けました。400r10年服用にてCTでもMRIでも確認できなくなり、休薬を勧められましたが、減薬中です。私も呑み始めた初期はグリベック耐性に悩みました。長年いろいろの文献を読みそしてウェブナーなどを聞き、多くの患者さん、そして医師らも耐性に対してグリベックが耐性を起こすと誤解されていると思います。残念です。「グリベック耐性は2年で起こる」は単純な統計的現象数値だけです。ご存知でしょうが、GISTの原因は主にC-kit, PDGFRaの変異ですが、グリベックは万能ではありません。グリベックはC-kitの殆どのExon11の変異には増殖抑制効果が良いですが、他の変異には効果が低いか、無効です。GIST腫瘍を完全摘出されても、体内のどこかにその細胞は隠れている可能性があります。それが肝臓か、血流内かもしれません。それはGISTの悪性度にも関係し、何処に隠れているかはまだ確認できてないでしょう。またGISTの先駆細胞、GIST Stem Cellsも残るとのリポートも読んでいます。それらが増殖し再発になると読んでいます。「GIST幹細胞は怖い再発の原因」http://gist.sns-park.com/?m=pc&a=page_fh_diary&target_c_diary_id=685これらから得られた私の結論はグリベック耐性は摘出手術前に起こっていたグリベックが効かない二次変異が増殖し、それがCTなどで感知できる時間が統計的にグリベック服用2年後だったーだと強い確信をもっています。グリベック効果はむしろ、逆です。グリベック服用にて腫瘍細胞増殖を抑制することにて、二次変異をおさえ、耐性の可能性を抑えるーだと考えています。2年ほど前に「グリベックは耐性を起こす」と誤解されかねない文章をある治験広報文で読み、これは変だと、G.netに耐性シリーズと耐性 [1] から [7] までポストしました。耐性 [1]は医師団を中傷すると読まれる可能性があると思い登録なしで読めなくしましたが、この先1週間ほど解放します。それらは:がん細胞増殖の数値的経過 (訂正) 耐性 [1]http://gist.sns-park.com/?m=pc&a=page_fh_diary&target_c_diary_id=397その後のタイトルは:イマチニブ耐性の分子的メカニズム 耐性 [2]イマチニブ耐性は既存の二次変異が原因 耐性 [3]GIST診断時の二次変異はどうしてPCR検出ができないのか 耐性 [4]もしも私のGISTに二次変異が起きていたら 耐性 [5]GIST二次変異も一般がん細胞倍増率に合うでしょう 耐性 [6]GIST二次変異に効く薬 耐性[7]参考にして下さい。質問多いに歓迎します。お互いに勉強しましょう。ここまで書きポストしようと思ったら森のふくろうさんのご厚意に先取りされました。ありがたい事です。
最初グリベック耐性でない遺伝子の細胞が分裂を繰り返すうちに、異常コピーを起こし、結果としてグリベック耐性の遺伝子を獲得した細胞になる、という理解でよろしいでしょうか?そしてそれを防ぐためには、最初のグリベック耐性でない遺伝子の細胞の分裂をグリベックでしっかり押さえて、間接的にグリベック耐性遺伝子を持つ細胞を増やさない事が重要であるという事でしょうか?となりますと、最初の外科手術の前にもう耐性GISTが発生していた場合や、それを完全に取りきれなかった場合は、グリベック耐性GISTの発生は時間の問題ということになりますでしょうか?手術前の大きさや取り残しの大きさには関係なく、グリベックをしっかり飲んでいれば大丈夫!と思いたいのですが…グリベック耐性が長く出ていない先輩方は、皆さん取り残し無しの完全切除ということでしょうか?
初心者さん、最初の二項目はその通りだと思います。がん化した細胞のクローニングは不安定で細胞分裂時の間違いの可能性が高いと読んでいます。ですから体内のがん化した絶対細胞数を減らす事が最善策でしょう。摘出することは一番の近道ですが、残留細胞はゼロにならない。グリベック服用にて絶対細胞数を抑えることは二次変異の可能性を抑えることになるでしょう。摘出手術前に耐性GIST細胞が発生していた場合はそれらが増殖し、CTで探知できる5-10oほどのサイズまで増殖するには数年かかるでしょう。その平均数が2年ほどだととの事です。でもGISTも含め、がん細胞内の色々のタンパク質の働きは非常に複雑で、他の変異による異常タンパク質の抑制度は悪性度に大きく関与するようです。一般公開で「アジュバント イマチニブの無再発率もゲノム変異が大いに関与する」http://gist.sns-park.com/?m=pc&a=page_fh_diary&target_c_diary_id=716とG.netにポストしました。参考にして下さい。「グリベックをしっかり飲む」は再発を防ぐただ一つの選択肢でしょう。私の食道GIST再発はとり残し細胞の増殖だと確信していますが、Mitotic rate(核分裂画像数)が少なく、C-kit Exon11で再発率最悪の変異でしたが、グリーベック効果がよく、抑制だけでなく、腫瘍縮小に至りました。直接的な効果は発表されていませんが、がんを成長させない食べ物選択も大切でしょう。【がん治療】【抗がん剤】 がんが消滅する食品 ウィリアム・リー TED日本語字幕 https://www.youtube.com/watch?v=Z7efrr90QSgそして、濃度が低いかもしれませんがエピガロカテキン効果に二次変異GISTも殺してくれると信じ、私は毎日冷水で煎れた緑茶を呑んでいます。「緑茶の エピガロカテキン-3-ガレートはGIST細胞の死を引き起こす」http://brownricestudy.blogspot.com/2013/06/egcg-and-gist-tumors.html
sunnyさま、ありがとうございます。やっぱり、そうなんですね…グリベックが耐性をおこさせるわけではないけど、それ以前に耐性遺伝子を獲得したGIST細胞が大きくなるのが、2年目ぐらいに当たるのですね。手術で完全切除できていて、また体のどこにも細胞レベルでGISTが残っていないような方だったら、グリベック耐性の心配はないのでしょうが、私、すごく心配になってきました⤵️
Sunnyさんが詳しい解説を書いてくださいましたので、ご参考として私のGIST治療への感想を書いておきたいと思います。妻に続いて私も同じ空腸原発巣のGISTで遺伝子変異は exon11、予防的服用中でGlivec 6年目です。幸いなことに今の所再発はありません。 GISTはやはり怖く複雑な病気です。Sunnyさんの解説(7)にGISTに使われている各種分子標的薬と遺伝子変異との図があります。Glivecはexon11とexon9変異に薬効があり、やや薬効が劣るexon9では副作用で少々無理をしても一日の(保険適用)最大量400mgを確保した方が良いようです。ある学習会で講師の先生に、こうしたGISTの遺伝子変異と腫瘍の病理学的所見(核分裂や大きさ、形状、色など)に相関があるかと質問したことがあります。答えはNoでした。専門医の悪性度の第一の指標は病理学的な判断のようです。その先生のお話では日本の外科医の技術は優れており、確か7割?以上は手術で取り切れていて再発していないとのことでした。その先生は、再発時の処置については難しい面があるので、その時は是非GIST専門医を訪ねて欲しいと強調されておられました。遺伝子変異についても現実はもっと複雑だと思われます。exon11やexon9変異でも、その中のコドンと呼ばれる塩基の変異(置換や欠損)は様々で、Glivecの効き方も違うようです。また、exon11やexon9以外の変異でもGlivecが効く可能性もあります。TKI剤(チロシンキナーゼ阻害剤)がどう作用するか、実際は実際に飲んでみて確かめるしかないように思います。Glivecが服用できる、それも遺伝子変異との相関まで分かっているなどは本当に幸運以外になにものでもありません。造影剤CTで見つけることのできる腫瘍の大きさは5mm程度です。腫瘍は大きくなればなるほど急速に増大しますが、直径5mmになるまでには少なくとも数年はかかります。実際の治療においては、再発したらGlivecを死ぬまで続けることが原則かと思います。再発したということは、身体のどこかにGIST組織幹細胞を作る能力を持つGIST幹細胞が存在している証拠です。これを幹細胞の段階かGIST組織が小さいうちに増殖を止めるか潰すかしなければなりません。また、増殖が進むと異なる遺伝子変異の発生も懸念されます。困るのは私みたいにadjuvantでGlivecを服用しているときです。続けるべきか、止めるならいつ止めたらいいのか判断ができません。私は再発が怖いから減量して飲み続けています。加えて、分子標的薬一般に言えることですが、その人に適量の分子標的薬の服用量はなかなか決め難いものです。製薬会社の標準服用量は治験のT相、U相段階で副作用の許容範囲で決められます。どこまで減らしても効くかの試験は行われません。ややもすれば、欧米人の大男と同じ量を日本の小柄な女の人に強いている例が多いように思われます。再発の検出、adjuvant服用の判断と合わせて、こうした適切な服用量を得るためにも、今開発が進んでいる液体生検(liquid biopsy)に期待しています。7〜8年度には保険適用の血液検査でGIST微小組織の検出とその遺伝子解析ができる時代が来るのではないでしょうか。