初めて書き込みします。私は昨年末に後腹膜のジスト摘出手術を受けました。腫瘍は20センチほどで、核分裂は、10個中7個とかなり悪性度の高いものでした。しっかりと周辺も含めて取ってあります。その後今年一月から予防的にグリペックを服用して半年になります。おかげさまで副作用と付き合いながら元気にしております。悩んでいるのは、このまま再発がなければいつ止めたら良いかということです。私は治験に入っていませんので自由なのです。耐性のこと、再発のことやめるのも勇気が要ります。かといって、肉体的経済的にもいつまでも飲めません。海外の治験のデータはどうだったのでしょうか?ご存知の方がいらしたら教えていただけませんか?参考にしたいのです。また、何かご意見がありましたらいただけませんか?やめる相談ができるなんて、ありがたいことだと思っています。どうぞ宜しくお願いします
ぴーちゃん, 素晴らしい新薬が開発されないかぎりグリーベックは呑み続けなければならないでしょう。グリーベックは腫瘍細胞を殺し、また腫瘍内の毛細血管の発育を止める効果があると読んでいます。しかしグリーベックは呑み続けて全腫瘍細胞抹殺までいかず、腫瘍の悪性度により腫瘍増殖を止め、また増殖のスピードをおそくする。殆ど効果のないGIST腫瘍もあります。グリーベック服用を中止すると腫瘍内の生き残ったGIST細胞は冬眠から覚めたように急激に増殖を始めるようです。参考に私の投稿[683] Imatinib休薬は" PET Flare"をおこすを読んでください。私の場合、1997年に3.5x2.2x1.2cmの肉腫を食道下部から胸部内視鏡で摘出手術を受けました。核分裂は見とめられず、CD34ポジチブでGISTと云われました。まだGIST定義の定着まえです。7年後に腫瘍再発が確認され生検でCD-17(c-kit) ポジチブを確認後、2004年10月からグリーベックを呑んでいます。腫瘍は現在CT Scan面積で52%に縮小し、腫瘍内部の低密度物質の一部は空洞化し、カルシュウム化した砂の様な尖った物質が数個見られるとラヂオロジストのリポートに書かれています。CT Scan の映像CDを$15で購入し、自分のパソコンでこれ等を確認しました。グリーベックは私のGISTに非常に良好果がありラッキーだと思っています。しかしグリーベックは一生呑まなければならないと主治医に言われ諦めています。同時に何時までも良好果が続くように祈っています。
ぴーちゃん 私の「1143」はGIST摘出手術後、再発を認められたケースのグリーベック服用中止につき書き込みました。十分なマージンをとった摘出手術でGIST再発また転移が認められなければ、予防的なグリ-ペックの服用中止とは別なケースになると思います。これについては不勉強なので失礼します。しかし完全摘出手術後グリ-ペックなしでGISTフリー、再発なしの多数の患者さんのリポートを記憶しています。
今夜偶然届いたジャニファー バイレス(Jannifer Bayles)さんの個人経験のe-mailを要約しました。大型の核分裂数の少ないGIST腫瘍を摘出手術7ヶ月後に再発、中型の腫瘍摘出手術をうけた。二回目の手術後グリーベックを12ヶ月間服用した。両手術ともマージンを十分とったと説明された。しかし休薬5ヶ月後に痛みを感じ、再手術したが腫瘍は腹部全体に広がっていて、見つかった全ての腫瘍を摘出した。その後グリーベック800mg服用し16ケ月になる。Adjuvant Gleevec,術後グリーベック,の治療で体調良好で感謝している。私のAdjuvant Gleevec経験を参考にして下さいと書かれています。
SunnySoCalさん、親身にお返事有難うございます。もし、わたしがジストフリーならばグリペックは飲んでも飲まなくても再発はしません。再発するという前提でのんでいるわけでが、最も怖いのは、おっしゃるとおり中止後に急増することです。けれど、ホントにわずかな変異細胞をグリペックの力をかりているうちに自己免疫力でたたくことはできないのでしょうか?そんな可能性にかけているわけです。薬をやめればさいはつするわけで、、、、ならば、治験の期間のように一年といわず、やはりのみつづけるしかないのでしょうか・・・・・
ぴーちゃん 私の読んだ情報によるとGISTは“自己免疫力”で増殖を制御できるような物質ではないようです。阪大の先生等のGISTの定義が世界的に受け入れられてまだ十年も経っていません。グリーベックがある一癌医学者, Dr. Drukerの熱意でCML病の抗がん薬として開発され、その後GISTにもすばらしい効果があると判ってまだ五年ほどです。([665] を見てください。Dr. Drukerの新薬開発の貢献はここに書いたより偉大だった事をあとで知りました。) この薬が最初の標的抗がん薬の一つである為か、幸いにもこの稀病研究、また治療薬研究、開発が続けららています。たった百万人に年二十人の病気にこの短期間にこれだけの研究者が関与しているのに驚きまた感謝しています。現在アメリカ、ヨーロッパでは新薬また新薬とグリーベック組み合わせの十以上の治験が行われているとThe Life Raft Groupの五月号のNewsletterに報告されています。しかし治験が始まってからFDAの許可が下りるまで数年かかります。 http://www.liferaftgroup.org/docs/newsletters/May2006nwsltr.pdf (pages 9 & 10)
この病気が根治ができない厄介な病気であると私なりにわかっています。患者数が少ないにもかかわらず多くの科学者や医師が病気と戦っていてくださり、感謝しています。でも、たぶん、おそらく、いや、きっと、私の体もいま病気と闘っています。指に刺さったとげが知らないうちに抜けるように、夕べ食べた残り物で下痢をするように(笑)、すでにサルモネラ菌にお腹が侵されていても決して無抵抗ではないと・・・信じたいのですが・・・・・神がかりでしょうか・・幼稚な頭脳ですみません。
グリベックを飲み始めてもうすぐ2年になります。私も当初は副作用のつらさに「いつになったら薬をやめられるのでしょうか?」・「薬の量を減らしてもらえないでしょうか?」としつこく主治医に聞き困らせたものです。その後調べていくうちに、グリベックは進行を止める効果が高く非常に画期的な薬なのですが(現に肝臓に見つかった転移腫瘍は2年近く大きくなっておりません)、GIST細胞を体内から完全に消し去る効果までは期待できないという厳しい現実を知らされました。一生この副作用と戦っていかなければならないのかと考えると、「正直キツイな」とかなり落ち込みました。そんなときに高橋克仁グループの研究を知りました。( http://www.mc.pref.osaka.jp/omc2/pathophysiology.html )遺伝子を組み替えたヘルペスウィルスに変異細胞を食べさせるという全く新しい発想です。体内から変異細胞が完全に消えたのを確認してから残ったヘルペスウイルスを殺すので、再発の危険性がほとんど無くなるのではと考えています。私の病状に効果があるかどうかは定かではありませんが、2006年4月に厚生労働省の平成18年度「厚生労働科学研究費補助金」を獲得し、「試験薬臨床ロットの製造とその安全性評価」で臨床試験に使用可能な試験薬の準備が可能になりそうです。非常に現実味を帯びてきましたね。グリベックに耐性が現れても、スーテントやアムジェンの治験に参加する選択肢もあります。薬で抑えられているうちに早く根治出来る治療法が確立されればと、大きな期待を持ちながら毎日副作用と戦っています。みなさん一緒に頑張りましょう!