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[9275] イマチニブが効くメカニズム Sunny北加 - 2018/01/10(水) 15:44 -

Kitの構造図につき調べていてネットでノヴァテイス社の「イマチニブが効くメカニズム」なるヴィデオサイトを見つけました。
Gleevec/Glivec (imatinib mesylate). Mechanism of Action. Novartis
https://www.youtube.com/watch?v=x5IYYqHxffs
2017/12/10 に一般公開されたばかりなので、まだまだNewです。

使われている専門的な言語から患者でなく医師対象のヴィデオだと思います。私自身、学ぶものが多く、専門的な学術語も多く、結構時間が掛かりましたがヴィデオ説明をtranscribe、転記し翻訳しました。ヴィデオはたった3分半ですが、GISTそしてグリーベック効果の仕組み情報が凝結されています。転記文をGoogle翻訳の助けで編集したものを下に付け加えました。まずヴィデオを見て、その後、翻訳を読み、再ヴィデオを見ることをお勧めします。途中でヴィデオを止めて読むと解りやすくなるでしょう。

下は私がGIST患者として大切だと感じた部分を書き出しました。

1:00分あたりでStem Cell Factorリガンド, 幹細胞因子がKit受容体の細胞外の部分に付着しますが、細胞内の受容体の最下部はまだ普通のまま、開いていません。Stem Cell Factorリガンドの付着後に最下部, 握られた手のようなのが開き、青色のATPを受け入れ、そのATPからP,リン元素一個を取り外し、エネルギーを得て、その後正常の増殖しろとSignal transduction と呼ばれる核への命令的なタンパク質のカスケードが起こります。

1:27分あたりでもしもKit受容体に変異が起こっていると(ピンクの部分)Kit受容体の最下部は開いたまま、活性化され、ATPを次から次と受け入れ、核心へ増殖しろとの信号伝達カスケード連続となり、これがGISTの増殖となります。

2:10分あたりでオレンジ色のイマチニブは変異による開いたKit受容体の窪みに入り込み、青色のATPの付着を邪魔し、増殖しろとの核心への命令を防御します。

2:30分あたりから、イマチニブは多くのKit陽性GIST細胞にアポトーシス(細胞死)をさすが、それら一部は静止状態(quiescent)、または冬眠状態にさせます。しかし、それらがいずれか目覚め、増殖すると試験管内で確認したと言われています。この中にGISTのステムセルも入るでしょう。ですから継続的なイマチニブ服用がKit陽性GIST細胞増殖防止に重要だと言われています。

ヴィデオ説明の転記、翻訳

胃腸管(全ての消化器)の壁の蠕動運動は、神経と平滑筋細胞間の通信を介して達成される。この伝達はこれらの平滑筋細胞と末梢神経系要素を包囲し, 間に入ているCajal間質細胞またはICCのとして知られている神経細胞の複雑なネットワークによって調整される。 ICC細胞膜に埋め込まれているのはKitである。KitはICCの分化、増殖および機能的ICCネットワーク形成に不可欠な受容体チロシンキナーゼである。Kitは細胞内の下流プロセスに影響を与えるシグナル伝達カスケードを活性化することによって機能する。正常な条件下では、Kitの活性化にはStem Cell Factorリガンド, 幹細胞因子の二量体化(dimerization)を誘発するKit受容体の構造変化が必要である。このStem Cell Factorの付着で完全に活性化されたKit受容体は、細胞増殖、生存およびアポトーシス(細胞死)などのプロセスに影響を与ばす。これにより下流シグナル伝達経路における標的のリン酸化および活性化を指示する。

幹細胞因子リガンドが付着しない場合、野生型(=変異していない通常の)Kitは自動的に阻害されたままである。しかし、膜近傍領域(細胞膜領域)に変異があるKitは、リガンド付着なしでこの自己阻害が出来なくなり、構成的オリゴマー化(比較的少数のモノマーが結合し重合体を起こす)およびKit受容体の活性化を可能にする。これら変異したKitタンパク質は、持続的な腫瘍形成シグナル伝達を促進し、最終的に胃腸間質腫瘍またはGISTの形成をもたらす増殖および生存の増加を導く。GISTの大部分は、チロシンキナーゼ阻害剤、イマチニブメシレートで阻害できる。

試験管内データはイマチニブが、活性および非活性の両方のKitのATP結合ポケットに競合的に結合し、活性化を阻害することを示した。その後の関連する下流シグナリングの阻害が続く。その結果、イマチニブは多くのKit陽性GIST細胞においてアポトーシス(細胞死)を誘導する。試験管内の研究でイマチニブがKit陽性GIST細胞の一部を静止状態(quiescent)または代謝的に活性であるが分裂しないように誘導することを示唆している。静止状態に入った細胞は、細胞周期に再び戻り増殖する能力を保持する。インビトロ、試験管で観察されたメカニズムは、イマチニブの継続的な存在がKit陽性GIST細胞増殖を防止するために重要であことを示唆している。ここに見てきたように、GISTは、増殖および生存のための構成的シグナル伝達を駆動する突然変異したKitタンパク質の結果として生じ得る。イマチニブは、このシグナル伝達をブロックして、多くのKit陽性GIST細胞において細胞増殖を阻害し、アポトーシスを誘導することができる。




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