9月21日にLRG サイエンス コーデイネーターの Jerry Call さんが “Approved KIT Inhibitors”との題でポストされました。彼は医師ではありませんが、LRG専属でGIST知識豊富、誠実で信頼できる方だと思っています。私も何度も個人メールを貰っています。 Gleevec (Glivec), Sutent 後のGIST治療薬選択に貴重な情報だと、彼の許可なく翻訳を試みました。 [ ]内は私のコメントです。
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現在、[アメリカ]でGIST治療に承認されているKIT抑制剤は Gleevec と Sutent だけです。他にKIT抑制剤として他の癌治療に承認されているがまだGISTには承認されてないのが Tasigna、Nexavar、および Sprycelです。Tasigna は現在大規模なGIST治療フェーズIII治験が進行中です。NexavarもGISTのフェーズII治験、そして、SprycelもGISTを含めた肉腫治療に小さなフェーズII治験が進行中です。
[米国ではFDA許可が下りた薬は治験対象病以外の病気治療にOff-label治療薬として患者の同意を得て医師が処方箋をかけます。それでこれらの薬もGIST治験終了前に服用できます。しかしGIST治療に詳しく、前進的なOncologist,ガン専門医に頼らなければならないでしょう。また保険が払ってくれないかもしれません。これらのGIST対象の治験完結、またその後のFDA承認は数年かかります。]
最近 Gleevec と Sutentに失敗した[耐性を表した]後どのドラッグが最良かと何らかの思惑がありました。 勿論最終的結論は治験結果ですが、現在得られる情報にもとずき私の意見をみなさんと分け合いたく書きました。これはあくまでも私の観察、推測で一般的なリストです。 主治医とよく相談し、またあなただけの独行はしないで下さい。
有効性:
Tasigna: ワイルドタイプGISTだったら私の第一選択でしょう。 これはワイルドタイプKITに対し非常に強力な抑制剤です。
[ワイルドタイプKIT: エクソンタイプ突然変異が確認出来ないGIST。 掲示版の[4251] 最近のGIST関係の治験リスト Sunny南加 - 2009/08/08 に多くの日本の Tasigna 治験加入病院をリストしました。]
Nexavar はエキソン11変異KITだったら私の第一選択でしょう。 これは二次的突然変異したGISTに最も良い効果があるようです。(グリベック、スーテント服用でエキソン11治療失敗の根本的原因は二次的突然変異です。)
Sprycel はPDGFRA D842V変異 GIST 治療に私の第一選択でしょう。 この変異はグリベックとスーテントに一次的な耐性を表します[即ち、効かない]。 Sprycelは試験管でこの変異に対して顕著な活気を示しました。
エキソン9変異に、どのドラッグが最も良いかは、明確ではありません。
副作用:
副作用は個人差が大ですが、(私の意見に基づいて) 総体的に最少から大の方とランクしました。 最初の二つはかなり格付けしやすいですが、後の三薬は、より難しく、個人差が多いかも知れません。 例えば、私の妻(ステファニー) はSutentのほうが Gleevec より副作用が軽く、Nexavar は前者の二薬より服用しやすかったです。(しかしNexavar は彼女には一番効果がなかった。) Dasatinib を服用している患者が大変少なく、最も格付けしにくいです。
1. Tasigna (nilotinib) これは他のKIT抑制剤より一番副作用が軽いかもしれません (グリベックを含めて)。
2. Gleevec (imatinib)
3. Sutent (sunitinib) か Sprycel (dasatinib)
4. Sutent (sunitinib) か Sprycel (dasatinib)
5. Nexavar (sorafenib)