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[7692] 循環KIT突然変異体(ctDNA)とGIST臨床的効果との相関 Sunny北加 - 2015/08/08(土) 09:21 -

下はG.netにポストしたものです。歯ブラシさんのポストの返信の一つとしてポストしました。


循環KIT突然変異体(ctDNA)の検出と進化したGISTとと患者のポナチニブ抗腫瘍活性との関連。
Detection of KIT mutants in circulating tumor DNA (ctDNA) and their association with ponatinib anti-tumor activity in patients (pts) with advanced gastrointestinal stromal tumors (GIST).

これはASCO2015の要約です。私が把握できる範囲内で先に解説、説明しました。ただ極省略化された要約文章を垣間見ての翻訳ですから詳細の間違いの可能性も否定できません。悪しからず。
http://meetinglibrary.asco.org/content/150094-156

このリポートはポナチニブPhase II治験の効果推移をゲノムレベルで理解する方法のひとつとしてOHSU (Oregon Health Science University) のDr. Heinrich等はLiquid Biopsy, 液体生検を使いました。治験加入時とポナチニブ服用後8週間おきに採血し、レゴラフェニブ治験で使われたBEAMing なる方法を使い、血中内に流れる腫瘍遺伝子のカケラを検出しました。これら遺伝子のカケラはcfDNA ‐ cell free DNA ―細胞フリ−DNA と呼ばれています。特にこれらcfDNA のうち 腫瘍のゲノム変異に関したものをctDNA ‐ circulating tumor DNA - 循環腫瘍DNAと呼ばれています。細胞がapoptosis、細胞死するとそのゲノムが分解されその一部が血管に流れctDNAの検出が可能となります。 このctDNAのテスト結果と臨床的効果との相関をだすのに、CT、MRIそしてPET/CTをRECIST1.1ガイドラインが使われています。 (RECIST: Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)


方法: 治験参加患者はGISTのExon11変異がある21人(コホートA )とそれ以外11人(コホートB)の二組に分けられた。治験参加時の基本情報(Base line)と服用後8週間おきにctDNAを検出しその数値を薬効果との相関を調べた。7種の(exons 9, 11, 13)プライマリー変異、1次的変異を そして20種の (exons 13、14、17,18)の2次的変異をBEAMing法で調べた。治験のEndopoint, 目標は臨床的な効果 (CBR = CR+PR+SD at 16 wks)、即ち16週間後の
CBR - Clinical Benefit Rate, 治験効果率= CR完治 + PR部分的効果 + SD病症安定です。
そして検出されたctDNAの種類とそのレベルを腫瘍負荷(RECISTガイドラインにより)変化との関連を評価した。

2014年12月1日の時点で45人のうち評価可能な32人のデータを調べた。

背景:Ponatinibは1次活性化(特には、エクソン11)および変異体(エクソン17/18を含む)2次的抵抗を含む臨床的に関連するKIT突然変 異体に対して強力な前臨床活性を示す多標的チロシンキナーゼ阻害剤です。 PonatinibはTKI耐性の転移性GISTの患者は、KITエクソン11の変異の存在(A)またはそれ以外(B)に基づいて、2コホートに分けられ 第2相試験(NCT01874665)、で評価した。KIT突然変異状態とponatinibの抗腫瘍活性との関連を探索するにctDNAを使用した。

結果:コホートA(Exon11変異)の 21人のBase line情報があり、そのうちの11人に2次変異を検出した。これら11人のうち6人に1種の2次変異を検出、そして5人に2種のexon17/18の D820、N822またはY823を含む2次変異を検出した。一人の患者はゲートキーパー変異Exon14(T670I)を示した。このコホートAの臨床 的効果CBRは55%(6人/11人)であった。

コホートB(Exon11変異以外)11 人のBase line情報もあり、そのうちの1人に二次変異(A829P)が検出された。

コホートA + B 23人中15人(65%)で一種の1次または2次変異が検出された。これら患者ベースライン以降の変異KIT ctDNAの減少は腫瘍負荷の減少と関連していた(OR = 13.6; P = 0.035)。
現在も分析が進行中。

結論:プライマリおよび/またはセカンダリKIT突然変異の大半はTKI耐性GIST患者から検出されたctDNAからから見つかり、ctDNAの量は時 間的に腫瘍負荷と関連していた。重要なことはポナチニブの抗腫瘍活性は、ctDNA検出されたエクソン17/18変異体を示した患者で観察された。 GIST治療の応答性を追求するにさらなるctDNA KIT変異解析が有用だと考える。
臨床試験情報:NCT01874665

コメント: これはグリベック、スーテント、そしてスチバーガまたは他の対キナセ抗癌剤に失敗した患者さん対象の治験です。8週間おきに採血しctDNA をBEAMing法で27種の変異を検出し、Exon111次変異のGISTコホートAはポナチニブによる臨床的効果CBRは55%だった は希服望を与 えてくれるものだと思います。

私はこの治験で非常に興味深く感じるのはLiquid Biopsy, 液体生検にて抗癌剤の効果が持続的に観測できることです。すなわちCTとかMRIなどの画像観測でなく、腫瘍発展または後退をもっともっとゲノムレベルで 直接的、数値的に観察でき、腫瘍の変異の推移も同定できることだと思います。この情報をもとに適宜な治療、すなわち新変異を抑える抗癌剤服用が将来可能に なると思います。この件につき一患者さんのGSIポストによるとctDNAがCT, MRIに置き換えられるのはこの先五年位だろうとDr. Heinrichが言われたと読んでいます。




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