昨年から母がジストで入院しています。サイズが大きすぎて手術不可、その後グリベック服用で、今はほとんどが壊死して液状化しているらしいです。壊死したジストはどうなるのですか。Drからは穿刺吸引で液状化部分を取り除くことなどを提案されますが、いかがなものでしょうか。
あすかさん、お母さんのGIST、グリベック効果が良いとの事なりよりです。再発した食道GISTで11年近くグリベック服用し、もうその影が確認できなくなった例外的にラッキーな患者の一人です。"液状化したGIST”と英文で検索しましたが、何も出てきませんでした。”穿刺吸引で液状化部分を取り除く提案” ですが、これ慎重な対応をお勧めします。液状化したGIST細胞は完全的に死滅したとは言い難いと思います。胃内の細針吸引生検?、FNA (Fine Needle Aspiration Biopsy)をし、もしGIST細胞がこぼれても強力な胃酸がGIST細胞を死滅さすと読んでいます。しかし外部から皮膚を通しての太い針での吸引生検はアメリカのGIST治療ガイドラインでは播種の危険があるからするべきでないと書かれています。液状化した大きなGIST腫瘍の穿刺吸引でGIST細胞は漏れないとの確証はあるのでしょうか。私はGIST知識、治療経験の深い医師のセコンドオピニオンを得ることを強くお勧めします。
Sunny北加さん、丁寧に教えていただきありがとうございます。そうですね。セカンドオピニオンを得るようにします。担当医も播種の危険性は感じているらしいのです。ただ液状化しているものの大きさは変わらないし、どのみちグリは飲み続けるのだし、まずは巨大な塊を小さくしたほうが・・播種はグリでたたけるのでは・・ということらしいです。慎重に検討します。
あすかさん、押しつけがましいかもしれませんが、色々とGIST治療文献を読み、私はあすかさんのお母さんの治療医はGISTを甘くみていると強く感じます。以下は具体的な事実に基づいた 又は 最近の臨床的な理由です。1. GIST腫瘍の被膜を破らず、マージンをとった完全摘出にて再発が最小限に抑えられGISTの予後を大きく左右する。腫瘍の播種は出来る限り避け摘出をする。「手術で完全切除出来た場合は60−80%の割合で完治します。西田俊郎 「GISTガイドブック」 P172.大きなGISTの悪性度が高い因子の一つは複数の細胞変異をすでに起こしている可能性が高いからです。お母さんのGISTはグリベック服用にて液状化しているようですが、これは多分Exon 11の変異の反応がよかったからでしょう。しかし第二次的な変異の可能性の高いのはExon13かExon17です。現時点でこれらの変異をもつ腫瘍細胞は量的に極小かもしれませんが、グリベックが効きません。医学会ではこれをグリベック耐性と呼んでいますが、この耐性がでるのは統計的に2年です。お母さんのGISTのサイズは大きいとの事、繰り返し、GIST知識、治療経験の深い医師のセコンドオピニオンを得ることを強くお勧めします。なお西田先生が書かれた”患者と家族にもよくわかる”「GISTガイドブック」2014年発行は¥2800です。