こんにちわ、以前も投稿させて頂きお世話になりました。25年の10月に胃原発で左肝臓全部分に転移した状態でGistと診断を受けました。その後、グリベックを服用し26年5月にに胃の一部切除と肝臓の左葉の全摘出手術をうけました。当初は胃の巨大化したGistでしたが、グリベックがよく効き胃の一部切除ですみました。手術はGist の拠点病院で行ったのですが、手術後、医師に遺伝子解析をして頂いたのか確認するも行っていないとの回答。私自身もあまり気にとめていなかったのですが、最近、グリベックに耐性が出た場合について調べているうちに不安になりました。遺伝子解析をしなかった事が今後の治療にどのように影響するか心配です。
七色奈緒子さん、「巨大化したGISTはグリベック効果で胃の一部切除ですみました」は手術前に腫瘍縮小目的で(ネオアジュヴァント、neoadjuvantと呼ばれています)グリベックを服用されたと解釈しましたが。そして現在もグリベック400rを服用されてGIST治療ガイドラインとおりに3ケ月または4ケ月おきにCTを撮ってもらっているのでしょうか。グリベック1日服用量、400rまたは800rの有効性確認と2006年にヨーロッパで比較的大きな治験が行われました。その結果によると胃原発GISTのゲノタイプは次のような分布があると報告されました。(他の臓器の結果も出ていましたが胃だけ報告します。)Wild Type 12.1%PDGFRA 2.4%Exon 17 0.8%Exon 13 1.6%Exon 11 79.8%Exon 9 3.2%上記の様に胃原発GISTはExon11変異が80%ほどですが、これが小腸原発だと27%と高くなります。Exon11の場合もその変異場所、コドンと呼ばれていますが、どの部分に遺伝子塩基が変換、欠失、挿入されたかで再発の可能性も相当変わるようです。掲示板では図面添付が不可能ですが、G.netで説明しました。欧米のGIST治療経験からExon 9の変異はグリベック400rでは効果が薄く、最低600、むしろ800r服用が常識になっています。文面からネオアジュヴァント400rグリベック服用で腫瘍縮小効果が良かったようですから奈緒子さんのGISTはExon11の確率が非常に高いでしょう。グリベック服用2年ほどで耐性がでると統計的に出ているようです。耐性になる理由は色々の説を読んできました。耐性は二次的変異が原因だそうです。耐性を示す腫瘍らには二次的変異は殆どが初期から存在しているとの最近リポートされています。一次的変異がグリベックで抑えられている間に、抑えられない二次的変異、主にExon13 かExon17による腫瘍増殖が顕著になってくる時間が平均2年ほどで、耐性になるとの事です。去年のASCO学会で発表されたドイツの論文によると二次的変異にも強い傾向があるようです。胃原発GISTの第一変異がExon11だと二次変異がExon13の確率が高い。胃以外の原発で第一変異がExon11だと二次変異がExon17の可能性が2:1の比率で高いだと。そしてExon13はスーテントが効くが、Exon17には第三線薬、スチバーガーが効くようです。この原文の要約は次で読めます。http://meetinglibrary.asco.org/content/133726-144ちなみに私の食道GISTは1997年に切除してもらいましたが、完全切除でなくどうも残った腫瘍細胞が増殖し、7年後に手術前と同じほどの大きさになりました。2004年からグリベック400rを服用し、転移もなく、耐性もでなくその十年後にもうCTでもMRIでも異常確認が出来なくなりました。去年6月から300rに減薬しました。シニアーですから多くの副作用に耐え、また多くを自己対処し殆ど例外なしに毎日服用してきました。非常にラッキーな一人です。ゲノム変異はExon 11,コドンWK557−558欠失でしてExon 11の多い変異ないでは再発率が最悪です。今年でグリベック特許が切れますから、経済的な負担も軽くなると喜んでいます。
ご説明頂き、ありがとうございます。とても詳しくて全くわからない、私にもよく理解できました。この文章を保存して私自身も勉強してみます。