The LRG のデイレクター、Norman Scherzer,ノーマン シャーザー氏がLos Angeles地方のGIST患者に会いたいとの事、昨日サンタモニカのレストラントで昼食をしてきました。 北は320kmのSan Louis Obispoから、南は220kmのSan Diegoから8人のGIST 患者とその家族が集まり、会話をしてきました。シャーザー氏から今 LRG が何をしようとしているか、(したいか)のインフォーマルな説明がありました。その概要は:1.GIST病研究医、科学者は横の連結が皆無に等しく、研究効果が悪い。横の連結強化を求めている。そして研究寄付金の大半が管理費用として消えている。研究機構に管理費を10%におさえ、LRGの研究寄付金の90%が直接研究に使われることを強く求め殆ど合意を得ている。2.GIST細胞死滅の研究が遅すぎる。患者は永い治験結果を待てない。今の薬はGISTの増殖を抑えるもので、GIST細胞を死滅させるものではない。ApoptosisーGIST細胞死滅を得るために、複数の薬服用(カクテル服用)の治験をLRG主催でやりたい。(チョッと野望と感じました。治験には1000−1500万ドルの寄付が必要との事。私見ですが複数の製薬会社からの寄付が必須でしょう。)3.GIST抗癌剤の血清濃度の検出テストを強く押す。最低血清濃度とGIST臨床効果は統計的に明らかになっている。([3191] グリベック血漿中濃度が臨床効果と相関するーを読んで下さい。>>704)4.GIST患者の細胞テスト結果、治療薬、服用量、そして治療効果のデーターベースを作成し、それを効果的に使う。治療病院から得られないから、GIST患者から情報を取得する。それには、個人情報プライベシーを守る法的手続きが必要。(患者名を隠し、番号化する。)等と相当アグレッシブな話でした。一つでも早く達成し、その恩恵を得たいですが。(3.は私も医師と相談中。)
Sunnyさん、ご無沙汰しています。ノーマンさんのお話、おっしゃるように非常にアグレッシブですね。私も身が引き締まるような思いで読ませていただきました。1)について、日本ではドネーションによる研究費の寄付はごくわずかです。もし財団でも設立して研究会へ寄付ができるようになれば、国内の研究も進むかもしれませんが・・まず医療従事者、研究者と私たち患者コミュニティーが協力しあうことが重要ですね。管理費を調節して研究費を増やすという要望はもっともですね。横の繋がりを強化する事でコストダウンも見込めるのではないでしょうか。2)カクテル服用の治験は安全性も重要ですので、お金だけでなく、施設やスタッフの確保も大変だと感じました。ですが現時点では一番早く取り掛かれる試みですし、条件がそろえば日本でも行うことができるのではないでしょうか。3)日本でテストをおこなっているのは、治験などごくわずかでしょうね。本来は服用量の決定とか、副作用に応じて減薬する際や逆に増薬する際の指標にするべきだと思います。日本でも化学療法、分子標的治療の専門家を増やすとともに、こうしたテストを標準として行うような研究体制を作らなければなりません。4)データベースの作成はどの国でも必要と考えていると思いますが、国によって個人情報の取り扱い方や個人の捉え方が異なりますので、難しいですね。日本でもがん患者登録が始まったばかりですが、なかなか進んでいないようです。こういうことは患者サイドから声が上がったほうがスムーズに進むのではないかと感じました。読ませていただき、思ったことを率直に書いてみました。
Sumitoさん、率直な感想ありがとう。ノーマンさんのLRGのプラン、特にLRG主催のカクテル服用治験の現実性につき、ポストしたあと考えてみました。私見ですが「複数の製薬会社からの寄付が必須でしょう」 を 「複数の製薬会社からの協力が必須でしょう」 と書き換えれば、競争社会の盲点を突いた、すごい発想、アイデアだなと思い始めました。 競争相手の製薬会社が、自社と他社の薬のカクテル服用の治験は殆ど想像できません。しかし損得から独立した、LRGのような患者援護組織が、製薬会社と無関係で有能な、医師、医科学者の指導、協力を得れば、非常に効果的な動きになるかもと考え始めました。 協力する製薬会社も得策になるでしょう。特にFDA許可を得た、薬効果の特性を考慮したカクテル服用であれば、現実性がすごく高くなります。 すでに、ある医師等(Dr. Maki)は独自の組み合わせ(Nexavar & Rapamune)で腫瘍が安定、縮小しつつあるとLRG掲示板にポストされています(リンダ チュインコさん、2008-11-03)。 またPhaseI, II, 経過の薬の組み合わせも、患者にとってはApoptosisーGIST細胞死滅達成への近道になるでしょう。 病気を治すとの熱意とリーダーシップがこれを可能にしてくれるかもと大いに期待し、サポートしたいです。