グリベックの他の臓器への明確な影響、特に悪影響のあるものはノヴァテイス社のhttp://www.novartis.co.jp/product/gli/os/os_gli0802.pdf 文献に副作用として嫌と思うほど羅列されています。これらは他の臓器への影響が原因での症状でしょうが、グリベックがどの様にこれらの臓器に影響をおよぼすかそのメキャニズムの詳細は報告されていません。グリベックは遺伝子異常化した KIT チロセンキナーセ(tyrosene kinase タイロシン カイネスと発音)と呼ばれるエンザイムに付着し、GIST細胞外から細胞内へ細胞分裂しろとの信号伝達経路を妨ぎ、がん細胞の増殖を防いでいると読んでいます。ウィキペデイアhttp://en.wikipedia.org/wiki/Tyrosine_kinase によると人間体内に32種類のタイロシン カイネス(細胞質タンパク質)があると書かれています。 また数年前に紹介した2005年のリポート http://www.moffitt.org/CCJRoot/v12n1/pdf/44.pdf に“KIT is not specific for GIST and is expressed in hematopoietic stem cells, mast cells, germ cells, melanocytic cells, and the ICCs.”−“KITはGIST特有なものでなく、血液生成幹細胞、マスト細胞、生殖細胞、メラニン細胞とカハール消化管間質(ICCs)で現れます”と明記されています。グリベックはこれら正常KITタイロシン カイネスの正常な働きを妨害するか、またそれが副作用の原因なのか、少なくとも私はまだ読んでいません。
私はグリベック服用四年になりますが、Dyspepsia(胃腸の不快感)、赤血球、白血球等の減小、不規則な便通、皮膚の弱化、不眠などの副作用に耐えています。胃腸の不快感にはアンタイプロトン剤(Nexium)でほとんど良くなりますが、私は飴をなめると良くなります。またオレンジジュースも良い効果があります。胃酸剤、Tumsも大変効果があります。赤血球は標準数値よりちょっと少ないですが倦怠感もなく、医師も問題視していません。皮膚弱化にはヴァイタミンA, B, E 入りの保湿クリームを医師の指示で入浴後全身ぬって半年になりますが、あんがい良くなりました。不眠はAmbienとLunestaを最小限量服用していましたが、最近自分でテストしLunesta 1.5mgだけで耐えられるようになりました。なお味覚異常は二年ほど前からカフェインを断って随分良くなりました。不規則な通じは最初の下痢から随分進歩ですが外出するとフベンです。(逆に一年前の訪日の際は便秘で苦労しました!)