先月、彼(26歳)が腸閉塞で病院に運ばれ、小腸に8センチの腫瘍が発見されました。手術で腫瘍は全摘しましたが、病理の結果GISTであることがわかりました。昨日退院し、すぐグリベックの投薬が始まると思いきや、薬を取り寄せるのに2ヶ月かかるとのことで現在自宅療養中です。おそらく地方の民間病院なのでGISTの症例も少なく、私の憶測ですが彼が初めてのGIST患者かもしれないと思い、現在セカンドオピニオンを勧めております。GISTの摘出手術後グリベックを飲む場合、いつから飲み始めたのかをご教示頂ければ幸いです。彼の担当医は予防的な意味でのグリベック投薬を勧めたらしいのですが、私的には腫瘍の大きさから考えて2ヶ月の間に再発または転移する可能性があるのではないかと思い非常に不安です。どうぞ宜しくお願い致します。
まずグリペックがいつ入手できるかですが、取り寄せるのは病院ではなく薬の問屋さんですから、実質的に最大1週間もあれば取り寄せができます。ただし病院内のルールで新しい薬を採用する場合は病院内のドクターや薬局長、事務長などで構成する薬事審議会(仮称)の了承を得る・・・などを採用している場合があります。おっしゃるとおりジスト患者が初めてで病院ではグリペック購入の実績が無く、そのドクターが厳格にルールを守れば、次の薬事審議会がいつ開催されるかによって違ってくる可能性はありますね。ドクターが好き勝手に薬を処方していたら、同じ成分の薬だけでも、ジェネリックなどは何十種類にもなってしまって収集がつきません。そんなことを防止するために機能しているのですが・・・緊急の場合は・・・別の判断と思います。2ヶ月で再発する・・・ことについてですが、あえて厳しい言い方をさせていただきます・・・そうでないことを願っていますが・・・。私の場合から申しますと当時は予防で服用することは無く、術後2年半で再発してから服用を開始し4年が経過しています。転移や再発について・・・私も実際に築地で宣告されたことですが・・・再発するとすればすでにどこかの部位にその芽があるかもしれません。それがどれだけのスピードで成長するのか・・・という視点で捉える必要もあります。言い換えれば薬を待つ2ヶ月がそれほどのウエィトとは考えにくいと思います。現在数センチまで成長したものを抱えているのでしたら1日1日が勝負だと思いますが・・・。私の場合は8センチだったものが、体調を崩して手術できない状態が1ヶ月近く続いたら12センチまで成長してしまいました。マージンまで入れて23センチ切り取りました。原発巣を切り取り、確認されているものが無いのであれば、あせる必要は無いと思います。ただしジストを良く理解しているドクターにかかる(セカンドオピニオンや転院も含め)ことをお勧めします。どこのドクターも珍しい症例は離したがりませんので・・・このことは頭の片隅においておく必要があります。転院などには勇気が必要ですが、大切な命ですから、後悔しないようによく検討して行動してください。
早速のご回答ありがとうございます。大変参考になりました。絶対後悔はしたくはないので、おっしゃるとおりGISTをよく理解している医師、せめて症例数のある病院でのセカンドオピニオンをとりあえず受けてきます。ありがとうございました。
『薬を取り寄せるのに2ヶ月』とありますが、確かにその遅さは、前記載の『匿名様』の述べられたとおり、病院の内情的な要素を含んでいるものと考えられます。 最も簡単で、緊急的に入手する方法ならば『院外処方箋』を出してもらうことです。うちの場合、近所の薬局で院外処方箋にて出してもらうことが可能でした。ただ、在庫が無いのでと言う理由にて翌日の夕刻になりましたが、2ヶ月先とは雲泥の差ですねえ! この方法で、重要なことは診断名が確実に『GIST:消化管間質腫瘍』で確立されていることです。再発まで、通常60歳台では、術後1年半〜2年半と分布しておりあくまでも統計的なデータで、20歳台では、細胞が代謝的にも盛んな時期ですから、なるだけ早い方が良いのでしょうけど・・・ 後悔先にたたず。セカンドオピニオンを強くお勧めいたします。GIST経験豊な医師の意見も聞く必要があると思います。それからでも十分間に合うかと思いますが。うちの母の場合、セカンドオピニオン『がんセンター』の門戸を叩き、助かりました。ですので、積極的に取り組むことです!!頑張って!!
院外処方に関してはGISTの長男さんの記載の通りです。たぶん、ほとんどの薬局では薬価の高い薬ですので在庫を多くは抱えていない、もしくは在庫無しだと思いますが、取り寄せ対応は早いです。一週間もかからないでしょう。大き目の総合病院周囲の薬局が対応に慣れていることが考えられお勧めです。 一つ心配なのが、GISTであるのが家族でなく「彼」と言うことです。相手のご家族とのMaroさんの関わりの深さ、信頼関係にもよりますが、彼女が主体で意見して動くのは困難な場合があります。病院側は家族に対しては開放的ですが、彼女の意見を取り入れることはありません。状況によっては家族も同様です。彼が心配な気持ちは分かりますが、ご家族と協力して動いてください。そして色々な道を探ってください。
最近医師向けに出版されている「GIST診療ガイドライン」という本を読んだのですが、原発GISTが完全に切除できて、浸潤や播種・転移がない場合で低リスクであればグリベックの服用を急ぐ必要はないと思いますが、8cmの腫瘍の場合、一般には中・高リスクに分類されています。核分裂数やKIT免疫染色の結果、c-kit遺伝子・PDGFRA遺伝子解析の結果(exonのどの位置に異変があるか)などをもとに、総合的に判断すべきだと思います。厳しいことを書きますが、GISTの種類によってはグリベックが全く効かない場合もあるし(PDGFRA遺伝子のexon18変異の多くはグリベック抵抗性であるといわれています)、小腸由来のGISTは一般にたちが悪いといわれていますので専門医の検査・診断をなるべく早く受けることをお勧めします。