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[2778] グリベック服用??? ちびまろ - 2008/05/29(木) 21:49 -

初めて書き込みさせていただきます。
母が先月、胃に5cmのGISTを手術で採りました。
その後、先生より、1年間グリベックを服用してみたらどうか?と言われ悩んでいるようです。
副作用が気になるらしく、このまま定期検査でしばらく様子をみようか、どうしようか・・・。
先生より処方されてしまえば服用するのでしょうが、服用しなさいと言われず、選択をせまられるとどうしていいか迷うみたいです。
半年ごとの検査で見つかってからでも遅くはないのでしょうか? 至って現状は元気なので、薬を服用して辛かったり、うつっぽくなるのではないかと心配でアドバイスできません。

[2779] 術後のグリベック服用 SunnySoCal - 2008/05/30(金) 09:34 -

ちびまろさん、私は一GIST患者です。1997年に胸部内視鏡で食道GISTを摘出し、七年後2004年に3cm位の単体腫瘍を再発見し2004年10月からグリベック400mgを服用し、今は三分の一以下に縮小しています。今の所転移は見つかっていません。

手術後のグリベック服用は adjuvant therapyと
国際的な標準となりつつあると思いますが、次の様な事項を確かめる事をお勧めします。(カッコ内に私のデータを書き込みました。)
1.手術前にGISTだと診断され十分なマージンをとっての摘出手術でしたか? 腫瘍とその周り1cm程の健康な臓器摘出が十分なマージンと書かれています。(私の食道腫瘍は良性肉腫と診断され胸部内視鏡手術だったのでマージンなし,いや不可能でした。当時はGISTの定義がまだ一般化していなかった。もちろんグリベックも未開発。)
2.腫瘍摘出手術の際に腫瘍の袋(偽被膜)を破らずに摘出されましたか?偽被膜が破れると転移の可能性が高くなります。(偽被膜は破れなかったと聞いています。)
3.腫瘍の病理テスト結果を手元に持っていますか? 400倍の顕微鏡下(50HPF)で見つかった分裂中の腫瘍細胞数とお母さんの5cmの数値の組み合わせでGIST病の統計的なリスクが一応判定されます。GIST研究会のhttp://www.gist.jp/trend/02.html を見て下さい。(病理リポートによると3cmの腫瘍に細胞分裂は見とどめられなかった。超低リスク、低リスクに入ると思います。)
4.主治医がグリベックを勧めているのですから腫瘍組織はc-kit陽性なのだと思いますが、確認しましたか? GISTの原因は細胞外から細胞内に増殖信号を伝達する特殊なたんぱく質の突然異変で起こると読んでいます。その突然変異した遺伝子の場所によりグリベックの効果が変わることも解っています。(Exon 9, Exon 11 等)前にも書き込みましたが日本ではFalco社でもテストをしてくれます。
http://www.falco-genetics.com/clin_ga/gist_f.htmlをクリックして見て下さい。

去年入手した消化器外科2006-2月号の西田俊郎氏の「消化管間質腫瘍(GIST)の現況」の図2(145ページ)「初発GISTの診断治療」のフローダイアグラムによると腹部GIST患者で外科切除後は三つに分かれています。
•不完全切除(残存腫瘍あり)=>イマチニブ(400mg/day)
•完全切除  ―>リスク評価 
―>超低リスク、低リスク、中リスク => 経過観察 リスクに応じ3-6ケ月又は6-12ケ月ごとのCT/MRIフォロー
―>高リスク(clinical malignant)  =>イマチニブ補助療法の臨床試験3-6ケ月ごとのCT/MRIフォロー

私はUCLAの教授Dr. Glaspyに良く言われました。「まだ今日の医学では原因―結果の因果関係がそんなにはっきりしていないんだ」と。上記のフローダイアグラムは二年以上古く最新治療法ではないと思いますが参考にして下さい。

[2781] ありがとうございました。 ちびまろ - 2008/05/31(土) 14:08 -

早々にいろいろ教えてくださりありがとうございました。 私自身まだこの病気に関して勉強不足なので、母にも薦めていいものかどうかわかりませんでした。
先生との話しには父親が同席していたので、詳しい
内容はいまいちで・・・。
もう一度、母にいろいろ確認しつつ判断をしていきたいと思います。

[2784] グリベックの服用について Sumito - 2008/06/02(月) 02:43 - MAIL

ちびまろさん、こんにちは。
グルベックの服用については大変迷われるところだと思いますが、ポイントは再発のリスクが高いかどうかというところだと思います。
Sunnyさんが言われているadjuvant therapy(アジュバント・セラピー:術後補助療法)は、先日発表になったGIST治療ガイドラインでは、標準治療には加わっていませんでしたが、様々な治験からも再発リスクを下げる事が報告されておりますし、今後標準となる可能性を示唆する記述もあり、治療の中で考慮していく必要はあると思います。主治医が服用を勧めるということは、ある程度再発リスクが高かったのではないかとも推測できます。
ただ、これまではグリベック服用は再発してから・・・というのが一般的でしたので、現在服用されている方のほとんどは、再発後服用され効果を得られています。ですので医師によっては再発後に服用すれば良い、と言いますし、最終的な生存率についても治験の結果を待たなければなりません。

GISTについてはトップページ右下の「GIST研究会」「グリベックホームページ」等で詳しい説明を読むことができますので、ぜひご覧ください。

[2788] ありがとうございます。 ちびまろ - 2008/06/02(月) 19:50 -

Sumitoさんありがとうございました。
母にこの掲示板のことを話したら、やはり自分の再発のリスクのレベルを調べて判断することにしました。
いろいろ考えていると堂々巡りしてしまい、毎日、そのことばかり考えてしまい、よくありません。
悪い方にばかり考えてしまいがちの母にきちんとした事が伝えられて良かったと思います。
後は、母次第です。私たちはまわりでほろうしていく以外できませんから・・・。
でも、やっぱり元気で長く傍にいてほしいという思いに変わりはないのですが。
ありがとうございました。

[2789] 西田氏のアジュバント治療のコメント SunnySoCal - 2008/06/03(火) 05:37 -

Sumitoさん、「GIST診療ガイドライン」の紹介ありがとう。

第48回日本癌治療学会総会の「GIST診療ガイドラインまとまる」
http://medical.nikkeibp.co.jp/all/data/cancerex/GIST-PDF.pdf の4ページから
“今回のガイドライン作成において、最終段階で議論になったのは、…..アジュバント療法を行うかどうかは、この情報を患者に伝え、同意を得て決めることとしたという。

5ページに:
Z9001試験では、primary endpointが達成された段階で試験が中止されてしまったため、全生存率の延長は確認されていない。現在、アジュバントの期間を1年と3年に設定し比較するEORTC62024試験が行われているが、最終的な全生存率の結果がでるのは10年位先になってしまうという。

西田氏は、「今、あえてアジュバントの対象が誰かといえば、高リスクの患者ということになる」と話した。大阪大学と関連病院で予後を調べた結果、完全切除後、超低リスクや低リスクの場合は、GISTで死亡することはほとんど無いことが分かっているという。再発して亡くなる人は高リスクの人が多い。

高リスクとは、腫瘍径が5cm以上で分裂像数が50あたり(HPF50)5から10、あるいは腫瘍径が10cm以上または分裂像数が50あたり10以上で、再発率は50%以上である。また、切除したのに腫瘍が破裂している、近傍に微小な腫瘍が複数あった、周囲組織に浸潤していた、転移などがあったーーーという、Clinically Malignantと呼ばれる場合は肉眼的完全切除後も再発することが多い。こういった患者では完全切除といっても、実際はR1(肉眼的に完全切除)の手術であり、イマチニブのアジュバント療法が有効だろうと西田氏は語る。
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私のコメントとして、私のは完全切除でなく再発しましたが、グリベック服用で継続的に腫瘍は縮小しつつあり、西田氏の“超低リスクや低リスクの場合は、GISTで死亡することはほとんど無いことが分かっているという”を大いに信じたいと思います。

p.s. 「GIST診療ガイドライン」の .pdfファイルはcopy-pasteが出来ないのでリタイプしました。タイポエラーがあるかも知れません。あしからず。




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