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[1714] GISTのゲノタイプとイマチニブ療法の反応と結果関係 SunnySoCal - 2007/05/10(木) 13:32 -

The LRG Newsletter 5月号にGIST病治療、研究の先端医である   Oregon Health and Science UniversityのDr. Michael Heinrichが “KIT & PDGFRA Mutations in GIST: A to Z”との題のリポートをGIST患者あてに書かれました。http://www.liferaftgroup.org/docs/newsletters/May2007nwsltr.pdf
リポートの一部概要と二つの重要な情報の表をここに翻訳をしました。

Dr.廣田誠一と日本のチームの1988年のリポートがGISTのフィールドに革命をもたらした。その後9年間にGIST診断と治療にすばらしい進歩があり、二つのキナーゼ抑制剤(imatinib と sunitinib、グリーベックとスーテント)がGIST治療薬としてFDA認可され、その他多数の抑制剤が現在 imatinib や sunitinib 耐性腫瘍の治療に試験また治験されている。他に重要な前進の1つは、KIT突然変異の姉妹キナーゼであるPDGFRA突然変異がGISTのサブセットである事をボストンの Drs. Jonathan Fletcher と George Demetri と我々OHSU研究室が発見したことであろう。

免疫組織化学と顕微鏡検査のような標準的な病理学ツール(道具)ではGISTキナーゼ突然変異の見分けが出来ない。KITとPDGFRA遺伝子は、染色体4の広い幅のDNAに含まれいる。我々のDNA遺伝子の様に、KITとPDGFRA遺伝子は、およそ20のエクソンにふくまれている。(遺伝子が本であるならば、エクソンは章です。) 各々のエクソンは単語(codons-コドンズ)の配列から成り、各々のコドンは三つのDNA文字(A、T、G、Cの四文字の内三文字の組み合わせ)で成り立っている。エクソンの文字の正確なシーケンスは通常のKITまたはPDGFRAタンパク質の体内生産の青写真です。

[1715] GISTのゲノタイプとイマチニブ療法の反応と結果関係 SunnySoCal - 2007/05/10(木) 13:44 -

GISTで見つかるKITまたはPDGFRAの突然変異は特定のエクソンに見付かります。(KITはエクソン8、9、11、13または 17で; PDGFRAではエクソン12、14または 18でコドンの異常が見られる。) 表一はGISTの分子的な分類を示しその発生頻度と原発臓器を示しています。

表一  GISTの分子的分類
遺伝子タイプ    相対度数  原発臓器

KIT突然変異     80%
Exon 8          稀    小腸
Exon 9         10%   小腸、大腸
Exon 11        67%   全てのサイト
Exon 13         1%   全てのサイト
Exon 17         1%   全てのサイト

PDGFRA突然変異  5−8%
Exon 12         1%   全てのサイト
Exon 14        <1%   胃
Exon 18D842V     5%    胃、腸間膜、腹膜折り目(omentum)
Exon 18他        1%    全てのサイト

ワイルドタイプ 
−大人      12−15%   全てのサイト
−小児GIST     >90%  全てのサイト
カーニー三組関連    稀    胃
NF1−関連        稀    小腸

表二は三つの治験によるイマチニブ(グリーベック)のKIT突然変異GISTの治療効果が示されています。これはEORTC phase I/II (37人)、B2222 Phase II (127人)、EORTCAustral- Asian Phase III (363人)、合計527人におよぶ最終数値だけをコッピーしました。

表二 キナーゼ遺伝子型とイマチニブ療法の反応と結果関係

         客観的な反応     進行性の病気
       (Objective response) (Progressive disease)
KIT Exon 11   74%           4%
KIT Exon 9    38%          16%
突然変異なし    22%          25%

私は十年前手術後、腫瘍の免疫組織化学と顕微鏡検査でGISTと診断されましたがGIST Genotyping はしていません,いや当時まだ出来ませんでした。再発後二年半以上のグリーベック治療効果が良く単体の食道腫瘍は1/3に縮小し、自分のはExon 11だと、いやそうで在って欲しいと思っています。

[1615]で書き込みましたが、日本でもGenotypingをしてもらえます。
http://www.falco-genetics.com/clin_ga/gist_f.html をクリックして見てください。

[1718] 手術しました ケンジ - 2007/05/11(金) 21:25 -

久しぶりに書き込みをします。
小腸原発で肝転移(多発)の患者です。
去年の10月にGISTの確定診断を受けてグリベックの投薬を続けてきましたが、肝臓の腫瘍があまりに巨大化したため、3月に一部摘出手術をして先ほど退院しました。
その際にSunnyさんの書き込みにあるようにファルコバイオシステムズという会社に摘出した組織を検査してもらいました。その結果Exon11という部分に突然変異があるタイプだと診断されました。
担当の医師によれば一番グリベックが効くタイプだそうで一安心しました。
突然変異の場所によってはグリベックの量も増量したほうが効果があるようです。
皆さんも手術される際はぜひその検査を受けてはいかがかと思い書き込みさせていただきました。
費用は自費でしたが2万円弱でした。
僕の場合は手術前に自分から担当医にこういう検査があるとお願いしてやってもらいました。あまり一般的にはやられていない検査みたいなのでご自分で申し出て検査を受けたほうがよろしいかと思います。(標本の保存の仕方によっては検査できない場合もあるそうなので事前に担当医にご相談されたほうが良いみたいです)
今後自分にもグリベックの耐性が現れるかもしれないので早く新薬の開発や認可を待ち望んでおります。

[1719] 質問です! 匿名 - 2007/05/11(金) 22:16 -

退院おめでとうございます。

検査項目1つで2万円弱なのでしょうか?
それとも、Exonの何処に以上があるかすべてを調べての2万円弱でしょうか?
保険適用にはならないのでしょうか?

罹っている病院が研究施設(大学病院やがんセンターなど)ではないのと、現在保険適用がの薬がグリベックだけなので、遺伝子のタイプは検査しませんでした。

「グリベックに耐性が出ない限りは、治療法に変らないし、手術で取り出した病理検査用のブロックでも調べられるので」と言うのが主治医の意見でした。
私の場合腫瘍が小さくはなかったので、ブロックの数が多く十分だそうです。



[1720] 間違えました。 匿名 - 2007/05/11(金) 22:21 -

”以上”ではなく「異常」ですね。

[1721] 検査項目 ケンジ - 2007/05/12(土) 08:15 -

今明細をみたら、c-kit9/11シークエンスセットという検査でした。Exon9か11のどちらかに異常があるかを調べる検査のようです。担当医とファルコの間のやり取りでは通常この検査で十分だそうです。この一項目の検査で2万円弱でした。

僕の場合は自費で行うことになりましたが、どうしてそうなのかはわかりません。もしかしたら医療機関によっては扱いが違うのかもしれませんので担当医にお尋ねになられてはいかがでしょうか。

自分は一応安心料だと思い、通常はしない検査をこちらからお願いする形でやりましたので、自費でも仕方が無いと思ってましたが、、、

質問の答えになってないかもしれませんね。ごめんなさい。

[1722] Exon9患者には800mg服用が勧められている SunnySoCal - 2007/05/12(土) 13:34 -

Dr. Michael HeinrichのリポートでGenotypingの重要性を示す一部を翻訳しました。

最近Dr. Debiec-Rychter等はEORTC/AustralAsia第3相治験データーを分析し、一日イマチニブ800mg服用したエクソン9GIST患者は400mg服用した患者より進行なしの生存率が相当高かった事を見届けた。しかしエクソン11GIST患者 (400/800mg服用量) の進行なしの生存率は殆ど同じだった。北アメリカ第三相治験のデーターも同じように解析中で2007年後半に完了される。

欧米、特にヨーロッパではExon9患者には800mg服用が強く勧められているようです。

[1726] ありがとうございました。 匿名 - 2007/05/13(日) 22:27 -

ケンジさん、 SunnySoCal さん! 

お答えいただき、ありがとうございました。
研究施設では、研究名目で施設独自で検査する事もあるそうです。
保険適用になると、ありがたいですね!

SunnySoCal さんのレポートの様に、グリベックに耐性が出来、グリベックの増量orスーセント服用を考えるような時は、遺伝子のタイプが必要になってきますね。

大変参考になりました。
2万円ぐらいなら、自費でも払える範囲ですので。

[1747] グリーベックがGIST二次的突然変異を抑えているのでは SunnySoCal - 2007/05/22(火) 05:37 -

Dr. Michael Heinrichのリポートで「PDGFRAの突然変異もGISTの原因になると発見した」との後に:
「KITまたはPDGFRAの突然変異が殆どの大人のGISTの原因になるとゆう仮説を色々の実験証拠がサポートしている。(具体的に):
1)偶然発見される小さなGISTには通常KIT突然変異が見つかっている;
2)KIT突然変異の状態とGIST病理学的悪性度との関係は (まだ詳しく) 判っていない;
3)遺伝したKITまたはPDGFRA突然変異は家族性GISTに結びつく;
4)突然変異したKIT (プロテイン) を仕込んだマウスにGISTが認められた;
5)KIT突然変異がGIST増殖と悪性化の一因となる異常遺伝子を先行する。」と書かれています。

この内1) と特に5) “KIT mutations precede other genetic abnormalities that contribute to GIST growth and malignancy.”に深い意味を感じました。GIST病の始まりはKIT (またはPDGFRA) のmutation (突然変異) が原因で腫瘍が出来 (1)、それを放置すると腫瘍の増殖に応じて遺伝子の他の部分に二次的突然変異を招きGIST病が悪性化する (5)ーーと解釈しました。

この解釈はGIST腫瘍サイズに比例して (直比例ではないが) 悪性度が上がる事実に通じると思います。即ち、GIST腫瘍内に新しく突然変異したKITが出来ると(二次的突然変異、secondary mutation)標的分子抗癌薬であるグリーベックは新しく突然変異したKITには効きません。これがグリーベック耐性の原因だと読んでいます。[1812]を参照して下さい。ですからGISTが見つかったら出来る限り早く摘出し、それが不可能であれば、また不可能に近いものであれば、腫瘍の増殖をグリーベック等の抗癌薬で抑えるべきだ。また摘出後のグリーベック服用は腫瘍の再発の可能性を抑えるーーと。[1852]を参照

私も二年半以上グリーベックを服用し、耐性がでるのではと心配しました、いやまだ心配しています。グリーベック自体が二次的突然変異を招くかその原因になるのではと、ネットで読めるペーパーをあさりましたがその様に結論ずける実験結果はまだ見つかっていません。「グリーベックを5年以上も服用し腫瘍が安定している」と案外多くのGIST患者らのLRGメールを読んで、大丈夫だと納得しようとしています。このDr. Michael Heinrichのリポートを読み、今は「グリーベック服用がGIST腫瘍の増殖を抑え、また縮小させて腫瘍内での二次的突然変異の可能性を抑えている」ーーと確信したいです。




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