去年暮れに虫歯になっているからと神経をぬいた左上の奥歯を治療され、その後化膿し、三人の歯科医をとうして殆ど二ヶ月間抗生物質を服用しました。右下にインプラント、その直後に左上の奥歯を抜歯してもらいました。しかし抜歯があんなに痛かったのは初めてでした。( アルカリ性の麻酔を酸性の化膿が中和し効果弱化が原因と聞きました。) その後、化膿が治らず、グリベック服用で免疫力が弱くなると読んだ記憶で心配になり、UCLAの Dr. Tapに電話しました。10分後に彼から電話があり、「すぐ来なさい。そんなに長く抗生物質を服用していては良くない、必要であれば写真をとる」といわれ、その三日後Dr. Tapに診てもらいました。
先にナースがとった血液検査の一つの結果が早く出て気ました。コッピーを貰い、白血球数が枠より一寸少しくなっていました。Dr. Tapとの診療が「How are you doing?」とハンドシイェクで始まりました。奥歯の治療暦、そして呑んだ三種の抗生物質、うがい薬の詳細のリポートを渡しました。幸いに化膿も治りつつあり、心音と肺の呼吸音を聞いて口内を診、 「きれいだ。問題ないだろう。」とのことでした。「私は化膿しているので白血球数がズーンと増えていると思っていたのですが」の質問に「たぶんグリベックの影響かも知れない。」の返事でした。
診療が終わって、Dr. Tapに「日本はどうでしたか?」に 「すばらしかった。三病院で話してきた。」 「どこで?」 「筑波、浜松そして東京」(浜松ははっきり聞こえましたが)。「週末を京都で過ごし、すばらしかった。」 私の「幸いにマッカーサーは京都、奈良を空襲しなかった」 に「ドイツでも同じことが言える」と。 私が「私の観察ですが、日本は外科医がガン治療をしているのが多く、ガン専門医が少ないと聞いています。ガン医学は非常に幅広く、ガン知識だけでも大変だと思います。外科医がそこまで知識を広め非常に稀なGIST治療までは難しいのでは?」に 「全くそのとおりです。それで私は多くの若いガン専門医と話してきた。」 「また訪日?」 「インバイト−招待されたけれど、ここの仕事が忙しくって。」
最後に又ハンドシイェク。しかしこの度は日本風でした。かれの腰が同時に折れていました。「早急に診断して頂いて、大変ありがとう」とお互い笑顔で別れました。