ハーヴァード大、ダナファーバー癌研究所のGeorge D. Demetri, MDの2012年のASCO学会で発表された記事が先日GSIのM. Simcox氏に紹介されました。その主要部分を翻訳しました。
専門的な詳細などはあえて省きました。
原文は:
Striking Activity Shown for Regorafenib in Advanced GIST By Caroline Helwick
http://www.ascopost.com/issues/august-15-2012/striking-activity-shown-for-regorafenib-in-advanced-gist.aspx で本文が読めます。
全部読む暇が無い人に 私の要約は:
1. レゴラフェニブ服用にてグリベック、スーテント服用後に進行もしくは転移したGIST患者の無増悪生存期間(PFS、Progression Free Survival)は4.8ケ月だった。プラシボ郡は0.9ヶ月だった。
2. 全生存期間(OSP, Overall Survival Period)の中央値は、まだどちらのグループにも設定できていない。(コメント: 即ち大半が生存中)
3. プラシボ郡の患者は病症進行後 速やかにレゴラフェニブ服用に移り、ほとんど同じ延命効果をえている。
4. レゴラフェニブ効果はExon11とExon9の進行しまたは転移したGIST患者の無増悪生存期間に大差がない事が後の解析で解かった。
4.はステント、グリベックと違い素晴らしい良情報だと思います。
レゴラフェニブのFDA認定はあと2ケ月先きになるのでしょうか?ファストトラックに乗っているはずです。
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二種類の標準薬治療にもかかわらず進行している転移性GIST患者対象に無作為化された国際III相治験でレゴラフェニブがプラセボに比べPFS, 無増悪生存期間が延長させることを示した。そしてこれは高度進行したGIST患者らに今までなかった治療の可能性を示し、新しい標準になるだろう。
GRIDと呼ばれた治験は(GIST–Regorafenib in Progressive Disease)はイマチニブとスニチニブ両者又は他の未承認キナーゼ阻害剤服用にて治療後に進行し、急速に転移性または切除不能な疾患GIST 236人の参加者を早く応募した。(追加:治験期間は2011年1月から8月まで。)彼等はレゴラフェニブとプラセボ服用2郡に2:1の比で分けられた。レゴラフェニブは
160 mg/日を3週間服用し、1週間休薬した。プラセボ服用も同じくし、最適支持療法(best supportive care)を受けた。85%のプラセボ群は病気進行後、速やかにオープンラベルでレゴラフェニブ服用とクロスオーバーした。
レゴラフェニブ群は4.8ヶ月の無増悪生存期間の中央値を示した。プラセボ群の0.9ヶ月と比較してリスクが73%減少(P <0.0001)した事を示した。この薬による疾患制御は他の未承認キナーゼ阻害剤服用患者と標準薬治療患者と大差がなかった。
全生存期間の中央値は どちらのグループにも設定できていない(コメント即ち大半が生存中)。プラセボ群の患者の大半の速になレゴラフェニブ服用による、クロスオーバーデザインで治験参加した全患者の生存期間に統計的有意性に大差がないのは予想外ではなかった。にもかかわらず “[全体的な生存率の改善]の傾向がある"と彼は指摘した。
さらに分析:
興味深いことに、クロスオーバー後の探索的分析にて、後にレゴラフェニブを服用したプラセボ郡患者の無増悪生存期間の中央値は5ヶ月で、これは最初からレゴラフェニブを服用した本薬郡の7.4ヶ月とあまり変わらなかった事である と。
グレード3の最も重要な副作用は、レゴラフェニブ対プラセボに対して 手足皮膚反応(19.7%対1.5%)、高血圧(22.7%対3.0%)、下痢(5.3%対0%)であった。 殆んどの患者は"適切な服用量の調整により治験続行が出来た"と彼は言った。
約半数の患者から腫瘍遺伝子(変異)型データが得られた。KIT Exon11変異を有する患者(HRは= 0.21)とExon 9変異(HRは=0.239)と無増悪生存期間は殆んど同じだった。