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[6191] イマチニブ耐性は新変異発生が原因ではない Sunny南加 - 2012/11/24(土) 02:56 -

GIST Support InternationalのGISTS 2012 Meetingの医師団によるヴィデオが見えるサイトを見つけた。その一つがHarvard大学Dana Ferber病院のAndrew J. Wagner, MD PhDによる“New Drugs – Rationale and What is in the Pipeline”−“パイプラインの新薬とその根拠”でしょうか。1時間以上の患者さんに解かり易く説明されるヴィデオですが、その最後部Q&Aの丁度1時間時点でのある患者さんの質問への答えに過去の情報を裏返しする新しい情報に驚いた。

質問は「グリベック服用後、腫瘍増大にて他の薬に変えてその後一時的に効果があったが、腫瘍増大にてグリベックを再服用し縮小する事をどの様に考えますか?」です。

答えを簡略化し分解すると:
1.単純なKit一種だけの変異がある腫瘍は増大し易く、グリベックが良く効くのが多い。
2.複数のKit変異をもつ腫瘍は増大しにくく、増大度の高い変異(A)が主に増殖し腫瘍が大きくなる。
3.グリベックは増大度の高い一般的な変異Aの増殖を抑え、全体的な縮小を初期に示す。
4.その間、増殖度が低かった変異(B)の腫瘍増殖は抑制されず、増殖が顕著になり、全体的に増大となる。(過去にはこの時点でグリベック耐性が出たと診断し服用を止め、新薬に切り替えている。)
5.新薬服用にて変異Bの腫瘍は抑制されるが、グリベックで抑えられていた比較的に活発な腫瘍Aの増殖抑制がされないか、弱くなり、増殖し、全体的に腫瘍が大きくなる。
6.新薬服用を停止し、グリベック再服用または増服にて再増殖した変異Aの縮小またはコントロールができる。しかし変異Bは抑制できなくなった。
7.Jonathan Fletcher医などは多くの最初の腫瘍組織サンプルを詳しく調べ、少量であったが、すでにグリベック耐性の他の変異をもつ細胞の存在を確認している。すなわちグリベック耐性GIST変異は服用以前から存在(preexist)し、グリベックが変異を起こした物でもなく、耐性を起こしたものでもない −と。
8.だから、腫瘍増大を体験し、他の薬に切り替えてもグリベック、スーテント服用続行が望ましい −と結論つけられた。

全く納得できる説明だと感じました。グリベック耐性発生の過去の説明と完全に違う。過去には平均二年ほどで新変異が発生しグリベック耐性が出ると説明されていた。多分それもあるだろうが、その可能性は少ないのだろうか。

この新説は現行のゲノムテストの欠点を指摘しているように聞こえた。現行ゲノムテストの殆んどはゲノム異常一個を検出すれば他の変異があるかは殆んど調べない。PCR法でExon 11 とExon9のプライマーに続くゲノムを読み出すだけのゲノム異常検出法は不完全なようだ。変異は他所にまだある可能性があり、それらが耐性を示すのだろう。

この説明前に彼等Dana Ferber病院サーコマグループではすでに腫瘍の50種に及ぶゲノム検出を無料で自動的に行なっていると説明された。近い将来には数百種のゲノム検出に伸ばすと。その膨大な情報処理してくれる新会社が多く出てきているようだ。最近のオートメ機械化、技術進歩、競争にて可能になりつつあると説明された。

Andrew J. Wagner氏は若く、聡明で優しそうに見えた。1時間超のヴィデオは下で見られます。
http://www.gistsupport.org/videosGSI2012/Wagner.html

最後に彼はGIST治療進歩により顕著な延命が可能になった。GIST患者は長生きが出来るから、他の病気も忘れるな。普通の、いや普通以上に他の病気、ガンなどに気をつけなければならない − と優しい笑顔の終わりに引かれました。




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