The RLGのイグゼクテイブデレクターNorman J Scherzerからのe-mailによるとアムジェン社は坑GIST薬としてのAMG706を諦めたと知らされました。彼等はアムジェン社の主任治験科学者Dr. Daniel Stepanと電話で確認したと書かれています。相当の効果が認められたがスーテントに先取りされたのと副作用 (胆石と胆嚢増大)が主な理由のようです。私見ですがFDA認可済のBristol-Myers Squibb社のSprycelとその競争相手のノヴァテイス社の"グリーベックの息子"と呼ばれている新薬AMN107(Tasigna−nilotinib)にも圧された感じがします。 http://www.pharmaceutical-business-review.com/article_feature.asp?guid=B8C71E87-91AA-4683-9FAD-DA19188F71A4 アムジェン社は現在服用中の患者にはAMG706の供給を続行するとの事です。私の主治医もAMG706に期待していました。非常に残念です。しかしアムジェン社のレポートによると現在AMG706の乳がん、肺がんPhase3治験中で将来GIST治療応用の可能性も残されています。
Sutntが好成績だったためか、他のメーカーがGISTから患者数の多いがんへと標的を切り替えています。今回は一番懸念されていた事が現実になってしまいました。AMG706は日本では、私の知る限りそれなりの成績を残しているはずですので、今後の対応については問い合わせをしてみるつもりです。
治療薬は一つでも多いほうが助かります。AMG706の治験の再開を私達患者の力で何とかできない物でしょうか??
NISHIDAです。アムジェンの方へは、今後治験を続行するのかどうか、問い合わせをしました。そして「関係各所に確認をとり、いずれお返事をします。」との回答をいただきました。アメリカ・ライフラフトグループでも、アムジェンがこれまでの治験結果を整理し、データとして利用できるようになるには、2〜3ヶ月かかるだろう、との見解です。とりあえず返事を待ちたいと思います。以前ブログでも紹介しましたが、昨年12月17日/日本経済新聞の朝刊に「米医薬のアムジェン、日本に自社販売網・抗がん剤など強化」”バイオ医薬品世界最大手の米アムジェンは日本の営業体制を強化する。米国で開発が進む抗がん剤などを日本でも発売するため2007年にも医薬情報担当者(MR)の採用を始める。”という記事がありました。私はAMG706もこの中に含まれていると思い、期待をしていました。ですので、日本国内の治験結果次第では、治験を続行し承認申請までいく可能性も、まだ残っています。また、こんな記事もあります。 http://cancernavi.nikkeibp.co.jp/news/0728_1.html スーテントの治験は年内には終わらないだろうと言われていましたが、もしかすると年内にも承認申請が出されるかもしれません。これに関しては早期承認を求める署名集めをしたいと思っています。そして、こちらも見てください。 http://cancernavi.nikkeibp.co.jp/news/0731_1.html ダサチニブはグリベック耐性GISTについて、海外でもまだ治験の段階ですが、日本でも治験が行われるか、問い合わせてみたいと思います。
私は[1247]の最後に“しかしアムジェン社のレポートによると現在AMG706の乳がん、肺がんPhase3治験中で将来GIST治療応用の可能性も残されています”と書きました。もしAMG706が乳がん、肺がん等に効果がありFDAの認可が下りれば、米国では主治医の判断でoff-label (FDA未認可) でGIST治療に使えます。アムジェン社も数ヶ月後にGIST治験の結果を発表すると言っています。もちろん独立した完全なGIST治験情報にはならないでしょうが。最近になり多数の対キナセ薬が開発され、その中にはすでに他の癌治療としてFDA認可が下りているものもあります。SGI Emerging Treatment (発展段階の治療法)にAMG706を含めた14の薬がリストアップされています。 http://www.gistsupport.org/treatments/emerging-treatments.php 将来もっと研究が進み各自のGIST病の詳細、Exon genotypeに応じて最小の副作用で最適の治療薬を選べられる日が早く来ることを期待しています。そしてその先GIST病を治せる薬が開発される事を願っています。