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[5513] Wild Type GIST − 1 Sunny南加 - 2011/08/07(日) 13:24 -

Wild Type GIST につき、詳しいレポートがLRG Newsletter 8月号に出されました。

掲示板やGnetでワイルドタイプの方は殆ど出てこないのですが、やはりゲノタイプをしている患者さんが少ないからでしょうか。
(Wild Type GIST とはゲノタイピングでKIT エクソン11、9、12、PDGFRA等に異常が見つからないが、どこに異常があるか確定できないGISTです。小児または20歳以下のGISTは殆どがワイルドたいぷです。)

先月日系人3か4世母親(40歳ほど)のLRGポストがあり、メール交換をしています。彼女もワイルドタイプで、例外的だと落胆していました。早速オレゴン州のOHSUのGIST権威者にコンソルテーションに行くと聞きました。 彼女がLRGで私以外初めての日系人GIST患者です。

このレポートにGIST全体の10%近くがワイルドタイプと報告されています。結構比率が高いのに驚いています。
このレポートは下をクリックして5ページから見られます。
http://www.liferaftgroup.org/docs/newsletters/August2011nwsltr.pdf

GISTの中でもワイルドタイプは稀だからでしょうか、アメリカの政府機関 National Institutes of Health (NIH) −国立健康局の医師グループが集中的に研究し治療もしています。このレポートの著者もその一人です。NIHでは1年一回、今年は6月15日から17日までクリニックを開き、80人の患者がアメリカ、カナダから参加したとの事。(世界中どこからでも参加できると記憶しています。)

全文翻訳は大変なので重要部分にしぼりました。

Wild Type GISTと診断された初期の患者平均年齢は26.6歳(5-58歳)でした。そして、現在治療している患者の平均年齢は34.3年で、平均治療期間は7.3年(0-36歳)です。

60パーセントのWild Type GIST患者は治療開始から5年以上生存し、その情報からカプラン・マイアー生存曲線を作った。 図1は5年間の、全体的生存率(OS - Overall Survival) と 再発のない生き残り (RFS – Refraction Free Survival) を示します。 5年後のRFSはわずか32%だが、同じ期間の全体的生存率OSは93%と全く高い。これは大多数の患者の腫瘍は怠惰で増殖度の低いことを示唆します。 小児患者(24% RFS、88% OS) と 成人wildtype患者(30% RFS, 93% OS) との間は殆ど変わらなかった。他のタイプのガンになった患者さんにとっては再発は良い予後を示唆しないが、Wild Type GIST患者は非常に著しく違い、長い生き残りができる。

KIT突然変異されたGIST では腫瘍サイズ、有糸分裂率、原発位置が予後因子と重要視されている。 しかしWild Type GIST患者にはこの様な関連が見つけられなかった。それ故、ワイルドタイプの治療には医師が補助療法の必要を決定するのに上記の危険因子を使わないこと我々は勧める。

我々の新しい研究はGISTのSDH (Succinate Dehydrogenase - 細胞内のミココンドリアにあるエンザイム) の表現に集中した。 12%の wildtype GISTがSDH1サブユニットの1つに生殖細胞突然変異があることが判った。 より面白いことに、免疫組織化学によって評価して、70%のwildtype患者とすべての小児患者がSDHB (SDHの一種類でSDHB) にネガチブと出た事でした。 SDH機能喪失が大多数のwildtype GIST患者の主要決定要素であることを強く示唆した。 これらの新しい調査結果から、これらのサブグループの区別を反映する小児および wildtype GISTの現在の定義の再審が必要だと考える。

[5514] Wild Type GIST - 2 Sunny南加 - 2011/08/07(日) 13:30 -

図2はこれら wild type GISTの分類とその治療法を示す。
1)   (アメリカで)毎年GISTと診断されるおよそ4,000人の新しいケースから、わずか400人が wildtypeです。
2)   これら400人は腫瘍がSDHB IHCポジチブにでるか、ネガテイブに出るかで二つに分類することができる。
3)   もし腫瘍がSDHB IHC(+)であるならば、BRAF突然変異のテストは実行すべきである。 突然変異が発見されれば、BRAF抑制剤の治療開始をする。我々はBRAF突然変異による腫瘍は小腸原発に多く、紡錘体細胞形を示し、男性に多い。
4)    他の80%のBRAF突然変異がないSDHB IHC(+) GISTの病気の根本原因を発見するのが今我々の研究焦点です。 我々はSDHB(+) GIST患者と彼らの両親と患者の生殖細胞系配列分析を始めました。変異し削除される遺伝子を特定し tumorgenesis (腫瘍発現?)の役割があるかもしれないと考えている。
5)   大多数(70%)のwildtype GIST患者はSDHB IHC(-)です。これらの患者全員をテストし、SDHサブユニットB、C と D (また、A, その検出方がCLIAに認定された後に)の生殖細胞系テストで分けます。 患者の15%は何所かに突然変異があります。その位置の確定に我々は近い家族の遺伝学的スクリーニングを推薦します。 関係ある家族は生化学的、X線撮影テストを進めています。
6) 85%のSDHB IHC(-)である患者はサブユニットB、CとD.の生殖細胞突然変異が見つからなかった。一つの仮説は、適当なSDH形成において重要な他の遺伝子のその突然変異とSDHB染色の損失の機能結果だと考えている。

このように、我々は現在、この仮説を実証しようとSDHの全7つの構成要素のゲノム配列を検出中です。
この下部分類の正当性を確認し、新しい治療達成が我々の研究努力です。 我々のゴールは、SDH パスウェイ(経路)SDHB IHC(-) プロトコールを開発し、Wild Type GIST の治療です。

コメント: GISTの10%がワイルドタイプだとの事。腫瘍細胞のゲノタイプ検出テストをして適切な治療をする事がとても重要だと思います。
私も去年の暮れに主治医に押され14年前の腫瘍組織をOHSUに送りExon11,コードン557、558の欠失だと判りました。この変異は再発が多いがグリベック効果が良い。




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