米国ASCOで発表された内容です。
今回の米国臨床腫瘍学会(ASCO)では、GIST患者に対するイマチニブの術後補助
療法(アジュバント)に関する演題が、プレナリー・セッションの5演題のうちの
トップバッターに選ばれました。この演題が、ASCOの発表演題の中でとても重要だ
と学会に評価されたわけです。
術後高リスクのGIST 患者に対するイマチニブの3年投与が、1年投与よりも無再発
生存期間(RFS)を改善するかどうかを検討したSSGX VIII /AIO 試験の結果で、
イマチニブの3年投与は1年投与よりもRFS、さらに全生存期間(OS)をも有意に延長
することが明らかになりました。
それでは、なぜこの演題がプレナリーの1番に選ばれたのか。ここからはあくまで
私の私見ですが、イマチニブは殺細胞性ではなく、腫瘍細胞の増殖を抑えるサイト
スタティックな分子標的薬です。にも関わらず、無再発生存期間(RFS)の改善だけ
でなく、全生存期間(OS)の改善も示せたという点が大きかったのだと思います。
固形癌に対しサイトスタティックな薬剤でOSの改善が示せたのは、この試験が恐ら
く初めてでしょう。
大阪警察病院副院長の西田俊朗氏による消化管間質腫瘍(GIST)の最新動向を
まとめた記事の詳細はこちらをご覧ください。
エリアレビュー・消化管間質腫瘍(GIST)
イマチニブの術後補助療法、3年投与でOSも改善【ASCO2011】
大阪警察病院副院長 西田俊朗氏
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/asco2011/201107/520699.html