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“荒れ地の図書館でエレクトラと再会したオレステスは、 城の中心部へ、塔の頂へと近づいていく。 僕は永久に少年のまま年を重ねてゆくはずだった――。”
間宮緑さんのはじめての単行本、『塔の中の女』が講談社から発売。 オレステスとエレクトラ、ガラクタで出来た公爵、紙魚、図書館、 塔、エスペラント、《おはなし》、架空都市……。 担当編集さんに題名をお聞きした瞬間、そしてゲラを読んで なお一層、これはよい本だと思いました。 とても素敵な物語です。
>>『塔の中の女』講談社 間宮緑 著 定価1,785 円(税込) 四六判上製 カバー=刷り+箔一版 装丁=柳川貴代 装画=Fernand Khnopff
◎ 雑誌に掲載された間宮緑さんの短篇もお薦めです。 短篇「禿頭姫」(『早稲田文学増刊U30』収録)を、 どうしても読みたくなり取り寄せました。こちらは 甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の十干それぞれの “本義”を備えた(それでいて、現代の少女たちでもある) 十人の姫と影姫、そして御殿様が創りだす小宇宙の物語でした。 最後に舞台がくるりと回るような変身譚。
◎ 間宮緑さん>>牢獄機械文書群 HPには『塔の中の女』の書評一覧、詩の朗読会「サイファー」や 読書会「シミローグ」なども、随時紹介されています。
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