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[ No.725 ]
『沈黙亭のあかり』、観ました。
投稿者:
2010年06月05日 (土) 12時11分 |
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またまた続けて書き込みしちゃいます。
2010年05月27日、俳優座『沈黙亭のあかり』を紀伊國屋ホールで観ました。 山田太一の7年ぶりの新作です。
舞台は、あることが引き金になって耳が聞こえず口もきけなくなったマスターが切り盛りする、古くて小さなスナック「沈黙亭」。 近所に住む、ヒマを持て余したじいさんと、体力を持て余したばあさんが常連客です。 そこにそれぞれ事情を抱えているらしい、怪しげな客が次々とやってくるようになり、ある晩、事件が…。
もちろん、言葉にして分類して整理して片付けることも必要なときはあるけれど、言葉にすると妙にありがちなシチュエーションになってしまったり、陳腐な感情にしか思えなくなったりして、なんか違う…!こんなんじゃない…!と伝わらなさにあがくこともあります。 言葉は嘘と本当を見分けるのが難しい。
沈黙は、ただすべてがあるがまま。 沈黙の雄弁さ、 沈黙の豊かさ、 沈黙の優しさ、 沈黙の心地好さ…。
ま、多くは語りますまい。
中村たつさん、やっぱりうまい! 今回はお節介で元気いっぱいなおばあちゃんを見事に演じて、ありえない場面をさらっときっちり現実にしてくれました。 中野誠也さん、マスターと演出と両方でたいへんだったろうけれど、沈黙の存在感、さすがでした。 引きこもりっぽいへなへなの青年と、仕事では若くして管理職なのに先輩の前では永遠のパシリなサラリーマンも、よかったです。
実は、演劇鑑賞会の招待券を使ったので、報告書を書かなくてはならないのですが、一言「沈黙は金」…なんて書いたらぶっとばされそうだなぁ〜。 |
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