海堂を見るとイライラする
ムカつく
ムカつく
ムカつく
けれど
けれどそれ以上に
アイツが乾先輩と話してるとムカつく
部長の姿を目で追っているのがムカつく
英二先輩に抱きつかれても抵抗しない事がムカつく
よくわかんねぇけど、ムカつくから俺はアイツにケンカを吹っ掛ける
「おいマムシ」
「ああ!?」
アイツの瞳に俺が映る
この瞬間、俺の全てを占めていたイライラがおさまる
アイツの瞳の中に自分の姿を確認するのが実は好きだったりする
理由なんか知んねぇ
でも俺だけが映されるこの瞳は好きだ
ムカつく
ムカつく
ムカつく
最近のイライラは以前にも増してヒドイ
海堂を見てムカついていた俺は海堂の姿がなくてもムカついていた
だから夢にまで出てきた
ある日、アイツの夢見て起きた俺の下着はシミを作っていた
そしてその日からアイツが俺の「オカズ」になった。
ムカつくのに
アイツは男なのに
けれども俺は毎晩のようにアイツでヌいた―――
誰もいない部室
窓から入る夕焼けの色だけがアイツを照らす
俺の妄想のアイツはいつもあの目をしていた
俺の好きな、挑むような目を
けれどもその瞳の中に俺は映っていない・・・
何も云わず、戸惑いもせずシャツを脱ぎ、ハープパンツを脱ぐ
あっと言う間に下着一枚の姿になった海堂は色気もなんにもなくて
でも俺は激しく**していた
目の前に露にされた男の体にむしゃぶりつくように顔を埋めるとツン、と汗のニオイがした
舌で舐めればしょっぱかった
でも俺の男根は萎えるどころかドクドクと脈打ち、解放を待っている
首筋、胸、腹
おざなりに愛撫をくわえていくが海堂からの反応は全くない
俺はもどかしくアイツの股間をぎゅっと握りこむ
『・・・・っ』
初めて声にならない声を海堂が発する
俺は興奮する
乱暴に海堂のパンツをずりさげ股間を直で握りこむ
『・・・!!』
海堂の眉根が寄る
口が半開きになる
俺は堪らずその唇に噛み付き舌を挿入させた
手を動かし続けながら口の中を荒らす
先走りの汁が海堂だけじゃなく何もされていない俺のモノからも出てくる
痛いくらい主張する股間を解放したくてズボンのチャックを下ろしてソレを出すともう既に戦闘態勢
すると妄想とは便利なもので
いつの間にか海堂はアナルを俺に向けて更にそこを女みたいにグチョグチョにしていた
蕾が誘うようにヒクつき濡れている
俺は我慢できず、すぐさま自身を押し当て、ズブズブと海堂の中に押し込んだ
『・・・・っああ!』
初めて上がる声らしい声
アイツの声
苦しそうでヒドク淫猥な声
もう後は自分の為だけに腰を振る
うちつける
これ以上入らないだろう最奥まで突き上げ腰を引きまた穿つ
海堂の腰骨を掴みまた最奥を穿つ
揺れる体にアイツは必死で何かに捕まろうとする
ケモノのような態勢で揺すられ壁にかけてあった誰かのレギュラージャージをぎゅっと掴んでいた
昂ぶる熱
そしてもうこれ以上ないっていうくらい俺自身を海堂に埋め込んでそこに俺の子種を撒き散らした
ムカつく
ムカつく
ムカつく
ムカつくくらい気持ちいマスターベーション
でも後に残るのは後悔と侘しさと・・・・物足りなさ
夢で抱き続けるムカつくアイツ
もうだめだ
足りねぇ、足りねぇよ
本物が―――
欲しい
*
「海堂」
「・・・あ?」
2人きりの部室。
窓から入る夕焼けの色だけがアイツを照らす。
向けられる挑むような瞳の中に今度はちゃんと俺が―――映る。