「オラ、しゃぶれよ」
「・・・・」
「んだよ、もう疲れたのかぁ?」
「・・・・」
「テメェテニスじゃしつこいで有名なんじゃねェのかぁ?ああ?」
シャツを破られズボンと下着を剥ぎ取られ、手足をきつく縛られ目隠しされ床に転がされて。
無理やりケツに男のブツを突っ込まれて、口にも別の男のモノを咥えさせられ・・・
血と**と自分の垂れ流している唾液でぐちゃぐちゃで。
数人の男に代わる代わるマワサレテ―――
今自分はどこにいるのだろうとふと思う。
ああここは学校だと男達に貪られながら揺らされながら静かに思う。
「うっ・・たまんねぇ〜こいつのナカッ!」
「おい次代われよ!」
「つうかマジでこんな事していいわけ?バレたらやばくね?」
「大丈夫だって。なんてったってあの人の命令なんだからよ」
「まぁな」
・・・・あの人?
朦朧とする意識の中でその単語だけが頭に引っかかった。
こんな事をするように仕向けた人物だろうか。
こんな、くだらねェ、最低な・・・
「お前等っ・・・何してんだよ!!!???」
ガラガラと戸の開く音と同時に聞こえてきたのは普段良く耳にする声だった。
いつもいがみ合って、競い合って、まるでこんな事とは無縁な馬鹿明るい男の、声。
「なっ・・・か、海堂・・・・?」
桃城か。ハッ・・・よりによってコイツに見つかんのかよ。
最悪だな畜生。
「テメェ等・・・こいつに何してやがった・・・」
桃城の低い声。汚らわしいとばかりに男達に視線をくれてやっているのだろうか。
俺もその中の一人だ。
「もっ・・・・・ぅ・・・」
「海堂!喋るな・・・」
桃城が駆け寄ってきて俺の頭を持ち上げた。
**と唾液にまみれた裸の自分を見て痛そうに顔を顰める。
視界が桃城でいっぱいになり気づけばハラリと涙を零していた。
「っ・・・海堂!!」
桃城がそれを見て強く強く抱きしめる。
大きな暖かい腕の中は俺をひどく安心させ、今更ながらに凄まじい恐怖と犯された現実が俺を襲った。
体も震えだし涙が止まらない。
「大丈夫だ、もう大丈夫だから」
ゆっくり髪の毛を撫でながら言う。桃城の声が傷を癒すように体中に沁みこんでいく。
安心できる場所を得た俺はやがて意識を手放していった・・・・。
桃城は周りに居た男達を殴り倒した。
3対1の人数差はけれども桃城には何の問題もなかった。
男達は皆、顔が変形するくらい殴られ痣と血で表情もわからない。
ウウ、と呻いてる男を桃城は足で蹴り飛ばす。
「・・・下衆が」
ポタポタと己の拳を濡らすは男達の血。
ニヤリと口の端を上げ桃城は笑った。
「ゴクローサン」
足蹴にしながら男の身体をうつ伏せにさせる。
そしてゆっくり海堂の元へと歩いてく。
意識を失い横たわるその身体には男達に嬲られ至るところに赤い痣があった。
殴られた痕も、吸われたあと、も。
男達に蹂躙されクタリと無防備に横たわる細くしなやかな肢体にズンッと下半身に熱がたまる。
まだ、ダメだ―――
自分の着ていた学ランを肩にかけてやりながら赤い痣の上から新しいあとをつけていく。
抱き上げて海堂を腕の中におさめ、あれだけ汚されたにもかかわらずサラサラの繊細な黒髪を梳く。
「これで、お前、俺を見る目、かわるかな」
誰の返事も返ってこないこの部屋で桃城が囁く。
「俺が好きになるだろう?なぁ、マムシよぉ・・・」
愛おしそうに海堂の頭を抱き込む。
「俺だけにしてやるからな」
場にそぐわない笑顔を浮かべて
「お前の中、俺でいっぱいにしてやるからな」
海堂、海堂、と繰り返す。
「次は・・・監禁でもさせよっか」
世の中馬鹿な奴らが多くてな、手塚部長と不二先輩の命令だって言ったらすぐに言う事聞くんだぜ。
あの人たちがこんな事するわけないのにな。
楽しそうに笑う。
「そんで、俺がまたお前を助けだしてやる。王子様みたいだろ?」
なぁ海堂
俺はお前が好きなんだ
だからお前も俺を好きになって欲しいんだ
お前の周りには人がいっぱいいる
そいつらを消しても次々に違うのが現れるだろ?
だったらお前の心を手に入れちまえばいいんだ
俺だけを信じるように、俺だけしかいないようにすればお前は一生俺のものだろ?
俺って頭いいよなー
なぁ、海堂。海堂、海堂、海堂・・・
好きだよ
狂おしい程に―――