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| No.333 令和元年後半? |
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| NAME:agasa |
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ってことになるのかな、七月からは? まぁイイわ令和(^.^) 願うことは、大きな災害がありませんように!
東奥文芸 詩壇 小笠原 眞選 佳作
風の家
風が吹く夕方に 隣家の空き家を見回った そこは祖父母の家だった それから父母の家だった そのうちにみんないなくなって 空き家となった生家である
風の入口の窓は小さく開けて 風の出口の窓を大きく開けると 風がよおく通り抜けていくよ
祖母の教えのとおり窓を開けると 忽ちに螺旋の風が古いにほひを掻き立てる 埃のにほひ 黴のにほひ 死者たちのにほひだろうか 居なくなった者たちが残したにほひは 入ってきた風に促され 出ていく風に付き随う
百年に近い時間を建ち続けている家の 全ての窓を大きく開けて 通り抜ける風に空き家の全てを委ねよう 人の住処の役目を終えた家は 今、風の家になるのだ
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