[784] あとがきではなく、後付け |
- 橙華とっつぁん - 2011年09月29日 (木) 09時26分
後日、学園広報掲示板に一枚の広告がででんと貼り出された。
” 求む! 古流剣術部新入部員!
・スポーツ竹刀剣道部なんてぬるくてやってられねえぜ! …という血の気の多い貴方! 弱っちい自分を何とかして変えてみたい…と願う貧弱な貴方! ガチでシリアスな展開でもいいから出番が欲しいぜ! …というメタ気味な貴方! その夢欲望願望、現実にしてみない? したいわよね? では兎にも角にもまずは入部届を提出! とってもベリーイージーな入部試験さえクリアすれば、めくるめく楽しい部活動生活が貴方を待っている! 来たれ! 我こそはと思う強者よ! 古流剣術部は誰でもウェルカム、良心的な部活動でございます!
※ 必要な道具一式はこちらで用意致しますので、お金の心配は要りません。勿論部費も格安ですよ〜。 ”
装飾ゴテゴテで、嫌でも目を引くこの広告の宣伝効果は抜群だった。 掲示板の前には人だかりができ、その日の休み時間から早速あちこちで話題にあがりだす程である。
その様相を、保健室の中から眺めていたメガネの男性、コウシはほくそ笑みながら呟いた。
「いやはや、なんとも単純にして明快。これは素直に愉しめそうですねぇ」
その姿をぼんやりと眺めつつ、健康椅子に腰かけマッサージを受けていた少年Dは大きなため息をつき、しかし何も言わなかった。 彼にはツッコミの才能が全く無いようである。
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