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タマムシ大附属学校

ポケモンのオリトレ小説、学園パラレル企画掲示板。
要するに、オリトレ達のドタバタ学園コメディ(待て)。
物語がどう突き進むかは全く不明ですが、何はともあれ楽しみましょう。

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[206] 本日の売上〜午後の紅茶はメロン味〜
HIRO´´ - 2007年03月28日 (水) 21時26分


「ああ!やられた!」

昼休みの中庭に3人の少年が仲良く集まっていた。三人ともニンテンドーDSを持っていて、ゲームをしているようである。

「やっぱりポケモンダイヤモンドパールは面白いね」

「ああ。面白いけどさ・・・戒斗(カイト)、野球の特訓手伝ってくれよ!俺一人じゃ、守備練習ができないじゃないか!」

「でも・・・この中庭ではできないよね?」

カイトのツッコミは的確だ。中庭の様子は人口芝生が生えているし、オーキド校長の銅像も建っている。さらには池も在り、野球をするのは不可能だ。キャッチボールぐらいならできそうだが。
以前、キャッチボールをして、ガラスの窓を破ったという生徒がいる。その生徒の名は伊虫 弧中他 狐栗鼠町(イムシ=コチュータ=イーブイタウン)という生徒だった。めんどくさいので以降、彼のことはイムっちとと呼ぶことにする。(ェ)
その話はこうだ。イムっちがさむーいギャグをかまして、ずっこけた相手が、投げる方向をそらしたという。
しかし、その真実は恵八姉弟の穂種(ホタネ)がタイミングを合わせて割ったらしい。

「瑠紅(ルク)先輩!バトルしようよ!」

さっきまで無線通信で学園の誰かとバトルしていたのはカイトとルクの2つ下の蓮(レン)だ。

「俺は野球の練習がしたいんだって!」

「相手してあげようよ。たまには無線じゃなくて面と向かって対戦することも大事だよ!」

・・・大事かどうかはわからないけど、とにかくルクはしぶしぶDSを開いた。





ポケットモンスターダイヤモンドパール。
それはここ、タマムシ学園やヒスイ女子学園でも旋風を巻き起こしていた。
そして、DSは全校生徒の一部を除いて全員が持っていた。
もちろん、このDSを売りさばいたのは『FRIENDRY SHOP』の店長の所 流香(トコロ ルカ)ことルーカスである。

「(それにしても、相手のピカチュウ・・・強かったな・・・。いったいどこの誰なんだろう?)」

レンはそんなことを思いながらもルクと対戦を始めた。結果は僅差でレンが勝ったという。










一方場所が変わってタマムシの高1の教室。
ここはおもにヒヨコの少年やら凄腕の剣術を持つ少年やら何かと話題を振りまく教室だ。
と言うわけでのぞいてみよう。

「郁武(イクム)・・・・・・」

「うぉ!びっくりした!・・・いきなりどうしたんだ?!?時雨(シグレ)!?」

弁当をむしゃむしゃと食べている途中で後ろから突然話しかけられたのはキングオブバカ・・・いや、キングオブシンプルのイクム。そして彼に話しかけるのはタマムシ学園の高1のシグレ。
ちなみにシンプルというのは”簡単”と訳さずに”単純”と訳して欲しい。
つまり、King of Sempleと書いて、単純王と読む。つまり、単純バカ。って、同じか。

「誰が単純バカだ!コラ!誰が、King of sempleだ!」

「イクム・・・誰に言っているんですか?それに”シンプル”のスペルは”Simple”ですよ?」

あきれたように言うシグレ。こんなことだから、みんなからバカという称号を付けられるのだ。

「人のこといえないだろ!お前も間違えてるだろ!」

僕はただ引っ掛けただけだよ。(蹴)

「そんなことより、今日もやりますよ」

「え!?今日もやるのかよ!?」

「当たり前です!さぁ!立ちなさい!」

そういって、教室の外へと促す。シグレとイクムは廊下へ出て行った。





「ん?あれ何やるんだろう?」」

「なんだろうね・・・?」

窓際の席でシグレとイクムの様子を見ていたものがいた。
黄色いマフラーでガムをくちゃくちゃと噛みながら、隣で弁当を食べている少年に尋ねているのは俊足の雷慈(ライジ)。
一方、そのライジの言葉に肩をすぼめながら受け流すのは最近、控え投手に選ばれて浮かれているネフライトという少年だ。しかも、ブラック団から手招きを受けていることで有名である。

「Σ浮かれてなんていないし、しかも、ブラック団なんて聞いてないよっ!!」

「どうしたの?ネフライト?」

「なんでもないよ・・・ライジ君。(汗)それと、シグレさんとイクム君の事はあまり知らないからね・・・。エイくんやニイナちゃんに聞けばいいと思うよ?」

「・・・ニイナちゃんは今いないみたい。エイくんは・・・・・・あれ?どこいったんだろう?さっきまでいたのに・・・?」

「エイ君なら秘密の特訓をするって言って、どこかに行っちゃったよ」

「あ、深美(ミミ)ちゃん」

ふと、2人が後ろを見ると、豊満な胸をしたおっとりとした少女がいた。
彼女の名前はミミ。エイと付き合っているとか付き合っていないとか・・・多分付き合っているのだろうという人物だ。
そして、野球部のマネージャーの一人でもある。
もちろんその点において、ネフライトは彼女と面識があった。
それよりも、ネフライトと書くと、同学年にいる正義感の強い、等糸(ライト)と間違えそうになるので、ネフくんと書いていいですか?

「分かればどっちでもいいよ・・・」

それじゃ、ネッフー・・・いや、ネッシーと書こう♪

「Σ僕は珍しい恐竜じゃないって!」

「それじゃ、あの二人は何しに行ったの?」

「たぶん修行しに行ったんじゃないかな?」

「まさか、剣道部の?」

「きっとポケモンバトルよ!」

もちろんここでいうポケモンバトルとはDSの対戦のことを示しています。

「ということは・・・あの二人、いつか開かれるという、伝説のマルチトーナメントに出場するというの!?」

「それはわからないけど・・・」

ちょうどそのとき、シグレの大きな声が響いた。

「『サンダースコール』!!」

「何今の?」

「きっと、シグレさんの『サンダースコール』が発動したんだね。あの技は強いわ。私のナエトルが一撃で負けちゃったんだもの。それにさっきね、無線で対戦していて、ピカチュウで相手を全滅させちゃったんだよ!」

「・・・さすがピカチュウマスター・・・Σって、そんな技無いでしょ!」

「でも、ピカチュウなら僕も負けないよ!」

ライジがDSをかざして言う。ライジもピカチュウを使うことにかけては右に出るものはいないといわれている。
なぜなら彼も元はピカチュウだし。(ぁ)

「『ソルド・ザケルガ』!!」

と、またシグレの声が廊下から響く。

「これは?」

「たぶん・・・シグレさんが剣を抜いたんだと・・・」

「剣って・・・結局剣道の修行なの?」

そして、最後にはシグレの大きな声が響いた。

「『ジガディラス・ウル・ザケルガ』!!!!」

「これは?」

それと同時にイクムの断末魔が響き渡った。教室からかろうじて見えるのは、凄まじい電撃の影だけだった。

「・・・なんだろう?」

ミミも首をかしげるのだった。















本日の売上〜午後の紅茶はメロン味〜














☆前回のあらすじ

ルーカスの売上向上作戦は次々成功して行き、いよいよ昼休みはやってきた!











ネス「ちょっと待って!最初の冒頭は何なの!?購買部と関係ないじゃないか!」

最初は最初だろ?問題はないアル!それにこれからやるのは購買部の話!冒頭はオマケアルよ!

ネス「オマケなの!?それに、どうでもいいけど何でエアー口調なの!?」

あ、そうそう。この話を読むときは、『[138] ネタ読み切り(2)「天を舞う美しき翼」アットさん作』と『[146] 「本日の売上」HIRO´´作』を見てからの方が楽しめることでしょう。

ネス「ずいぶんこの2つの作品から時間がたっているから忘れているんじゃない?」

それからこの作品とみるときは部屋を明るくして離れてみてくださいね!おにーさんと約束だよ☆

ネス「誰だよ!」













という訳で昼休み。(ぁ)いよいよ、運命のときはやってきた。
鐘が鳴り、一斉に『伝説の焼き蕎麦パン』を狙いに大勢の生徒が購買部へとやってくる。
そんな中、購買部に最も近い6年生の教室からやってくるものが一名。
いや、二名。
その名はツッコミにいつも”Σ”をつけるシグマ君と天然ちぢれ髪のラーメン君だ。

「Σ何だよその説明!」

「誰だかわかんないって!!」

いや、わかるでしょう。

「「わからないって!!」」

さすがツッコミ職人の2人だけあってツッコミの息もぴったりだ。
そんなこんなで彼ら二人はやはり陸上部だけあって足が速く、あっという間に購買部についた。

「よし!今日も一番!」

「一番ではないみたいだよ・・・」

まぁ、わからない人のために、一応2人のことを紹介することにしてやろう。

「何でそんなに偉そうに話すの?」

彼らは陸上部、初等部の長距離のエースのネスカ、短距離のエースの昂(コウ)だ。

「最初から言えばいいのに・・・」

「そういえば、ネスカ。何で今日は焼きそばパンを買う気になったの?」

「う〜ん、気分の問題かな?たまには走って手にいるれるのもいいかと思って」

要するにネスカの気まぐれだった。

「ほっといてよ!」

そんな二人は購買部の前に来たのだが、どうやら先客が二名ほどいた。その二人はカウンターにいるバイトの女の子と喋っているようだ。

「う〜ん、喋っているというよりも・・・」

「あの二人の先輩がケンカして、店員さんが困っている感じだね」

とりあえず、二人は様子を見ることにした。





「あなたは美しい・・・僕はただ漆黒にこげた体をその流れに横たえる流木・・・雷という名のあなたの美貌に撃たれ激流へと崩れ落ちる流木・・・あなたという美貌に僕はただ雷に打たれた流木・・・。あなたの前で立つにはその雷に耐えないといけないのだ・・・」




「あれ?確かあの人って・・・」

「うん。思い出した。この前、ナツキ先輩に告白した、ナルシスト先輩だ!」

そして、シクー君に奪われてしまったショックで今度はバイトの子に告白しているという。なんて軽い奴。
その一方で長身で金髪の男がバイトの子に話しかけている。





「子供はおうちに帰っていなさ〜い〜♪とっころで〜今日の『月の恵』の件なんだけど〜」





「あの『話をどうでもいい歌に変えてしまう話し方』と『月の恵』・・・といったら」

「基樹(モトキ)先輩だね」

「じゃあ、やっぱりあのバイトの先輩は・・・」

「『月の恵』とアイドル部を兼任している音波(オトハ)先輩だね!あれ?何でヒスイ女子学園の生徒が何でここにいるの?」

ネスカの言い分はもっともだ。彼女はどうやら、授業をサボってバイトをしているらしい。その前に、ナルシスト男もモトキもサボっているようで。

「そういえば、モトキ先輩とオトハ先輩って付き合っているって噂だよね」

「そうだね」

と二人がののんびりと3人のやり取りを見ていると、二人の間をとおり、さらにカウンターにいたモトキとナルシスト男を吹っ飛ばした。その速さ神速のごとく。

「Σはやっ!」

その速さはコウの走る速度を遥かにうわまっていた。





「焼き蕎麦パンちょうだいッ!!」





「あの人は!テニス部の悠(ユウ)先輩!」

「たしか、女で唯一神速の称号を持つ者・・・」

そんな称号があるかは定かではない。(ぁ)
ともかくユウはオトハに焼き蕎麦パンを注文してた。

「Σって!早くしないと後続が来るよ!ネスカ!」

「そうだね!!すみません!焼き蕎麦パンを下さい!」

「はい、どうぞ!」

オトハはスマイルでユウ、ネスカ、コウに焼き蕎麦パンを渡していった。
そして、3人は去っていった。

「いたた・・・なんだったんだ?」

「野蛮な・・・」

2人とも頭を抱えながら立ち上がった。
しかし・・・コウたちが言っていた後続がやってきた。

「どけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけ!!!!!!!」

「「ん?なんだ?」」

そう思った瞬間に2人の女子生徒に踏み潰された。
その二人は手を伸ばして、焼き蕎麦パンが入っているビニールを掴む。
だが、手をつけたパンは同じ。
二人ともビニールを引っ張ろうとする。

「先輩!放しなさい!」

「やだね!」

「このパンは私が先に手をつけたのよ!!」

「いいや!オレだ!」

「ここは若い私に譲りなさい!!」

「あん?若さとか関係ねー!このパンはオレの物だ!!」

いつもの二強、『自分の物は自分の物、他人の物も自分のものの思考主義の1年新菜(ニイナ)』と『目の前の障壁はすべてすりつぶし、捻り曲げ、押しのける体力バカ、3年のメグミ姉弟の次女胡桃(クルミ)』が焼き蕎麦パンを取り合ってケンカを始めた。こうなったら誰も入りこめない。

「だれがバカだって!?」

「それは先輩のことよ!」

「何だと?」

2人の体からは赤いオーラがチリチリと湧き出してまわりの人間を吹き飛ばす。
まるで天界力を解放した天界人のような・・・もしくは、卍解を繰出した死神のようだ。
さらにこの戦いを分かりやすく説明すると、サイヤ人が全力の力でお菓子のグミを争奪する某CMのような戦いだった。
まったく、焼き蕎麦パンの争奪でなんて事をするんだこの二人は。(ぁ)
みんなこの成行きを見て困っているのだが、実は1番困っていたのはバイトのオトハだった。

「(どうしよう・・・このままじゃ・・・ルーカスさんに何を言われるか分かりません・・・)」

―――「本日の売上目標を達成できなければ、給料抜きの上にお仕置きよ♪」―――

オトハは朝の言葉を思い出していた。
金に目が無いルーカスのことだ。きっとお仕置きはとっても過激なものだろう・・・。
しかし、救世主は突如として現れる。一人の大男が前に足を踏み出した。
その男は身長が2mくらいはあっただろうか。
赤いオーラを撒き散らして、睨みあう二人の世界に入り込み、2人の首の襟を掴むと軽く持ち上げた。
はっと我に帰る二人。

「っ!何するんだ!」

「放しなさい!」

男はじっと二人の顔を見る。

「ケンカするのはいいけど、まわりの迷惑を考えてくださいね」

男の後ろからひょっこりと顔を見せるのは美しく聡明な女子生徒だ。

「抜駆須(バックス)さんお願い・・・」

「ああ」

「って!放しなさいって!」

「龍子(リュウコ)!どういうつもりだ!オイ!バックス!放せ!!」

大男、バックスはそのまま二人を連れて行った。

「焼き蕎麦パン3人分お願いします」

2人をバックスが連れ去った後、リュウコが3人分の焼き蕎麦パンを注文する。

「え・・・?でも一人一つ分という決まりになっているんですけれども・・・」

「バックスさんと私とケンカしていた二人の分よ。一つは二人が持って言ったし・・・だから3つ。大丈夫。お金は4つ分とも私が払うから」

すると、リュウコは去っていった。
リュウコが鮮やかにケンカを沈めると、すごい人数の生徒がカウンターへ押し寄せた。こうして、焼き蕎麦パン争奪戦は始まるのだ。

「ああ・・・私一人じゃさばききれませんよぅ〜!夕納(ユウナ)さん〜助けてください〜」

あまりの客の多さにユウナに手助けを頼もうとする。

「待ってて。今、いいところなの!もう少しで雷桐先生とある生徒の関係を突き止められそうなの!それまでがんばって!・・・それにしても、さっきのバックスとリュウコの関係も気になるわねぇ〜」

ユウナは情報を集めるのに夢中でオトハを手伝おうとはしなかった。

「え〜もう・・・駄目・・・」

オトハの叫びは虚しく響いたのだった。










「はい!これが俺のマジックでした!」

場面が変わるが校庭。校舎の近くではマジックショーが行われていた。
そのマジックをしていた人物は『となりのコトロ?』の称号を持ち、最近ヒヨコ菌によってツッコミ属性に転化されつつある呼時(コトキ)だ。
全校生徒の8分の3ほどが校庭に集まっていた。

「何でそんなに微妙な人数なんだよ?」

別に意味は無い。そして、それはコトキにツッコミをさせるためだ!

「じゃあやめろ!」

そんなわけで、現在ちょうどコトキがムキルとランを無事に地上に着地させるというイリュージョンが終わったところだった。

「よし!それでは次は僕がやろうではないか!美しいマジックをご堪能あれ!」

そういって、トランプを片手にタキシード姿で登場する少年がいた。
どうやら、コトキとこの少年は手品部のようで時々昼休みに校庭でマジックを披露していたようだ。
しかし、タキシードの少年が前に出ると集まったみんなはブーイングをする。

「アースさん・・・いい加減トランプ以外のマジックを覚えないか?」

コトキはあきれていた。
それもそのはず。アースはずっとトランプマジックしかやっていなかったのだ。
コトキのイリュージョン級のマジックに比べたら、アースのマジックは子供騙しだった。

「そこまで言われては仕方が無い。僕の最高に美しいマジックを見せてあげよう!」

アースは頭に被っていたシルクハットを観客に見せた。

「ここにあるのはどこにでもあるシルクハット。ひっくり返しても何も出ません」

そういって、アースはシルクハットをひっくり返す。
アースの言うとおり、振るが何も出てこない。

「でも、僕が呪文を唱えると、この中からいろんなものを取り出すことが出来ます」

観客がどよめく。

「(本当に出来るのか?)」

コトキは半信半疑だ。

「さぁ、誰かこっちに来て出して欲しいものを言ってくれ!」

当然そうなると観客は様々なものを言う。
中には『誰にも負けない真の強さ』とか、『バナナ』とか、『天解の秘伝書』とか、『アイドル部に所属する彼女』とか様々な言葉が飛び交っていたという。
もちろん、困ったことに一斉に言われると聞こえるものも聞くことはできない。

「誰か、選んだほうがいいんじゃないか?」

「そのほうがいいですね」

コトキの意見を聞いて、そう実行するアース。でも、その心配は無かった。一人の女の子がすでにアースの隣にいたのだ!

「いつの間に・・・!?」

「あれ?おかしいですね・・・?購買部に行くはずだったのに、何で外にいるんでしょう?」

「(購買部って・・・まるっきり中じゃないか!外に出る必要なんてあったのか!?)」

コトキはそう突っ込もうとするが、一応心の中で念じただけで言葉には出さなかった。

「あれ?渚(ナギサ)ちゃん?何やっているの?」

緑色のポニーテールの少女・・・ナギサ。彼女は知る人ぞ知る、方向音痴四天王の一人である。

「(そんな設定あったのか!?)」(コ)

「あ、アースくん!」

ナギサがシルクハット姿のアースを見て驚く。
実はこの二人は同じ学年で密かに付き合っていた。

「いや、付き合っていないから(汗)」

「実は・・・道に迷っちゃったの・・・」

「そうか・・・じゃあ、決めた。『道案内をしてくれそうな暇そうな人』を探せばいいんだな!」

「それって人でも可能なのか!?」

コトキのツッコミを聞かず、アースは呪文を唱え始めた。

「ヒヨコの中のチキンよ。コトロの中のトロロよ。天よ地よ。僕に力を与えよ――――――!ラティス!!」

「呪文・・・なのか?」

すると、アースはシルクハットを地面において、次の瞬間ふっと、帽子を振り上げた。すると、出てきたのは茶色の掛かった黒髪に黒い瞳の少年だった。

「・・・あれ?何で俺はここにいるんだ?」

「「あ、静真(シズマ)(くん)」」

ナギサとアースの声が見事にハモッた。またまた、二人と同学年の人物だった。

「ここで何してるんだ?アース、ナギサ・・・」

すると、観客が大声援を送った。
このイリュージョンは成功らしい。

「ところで、シズマ。ナギサちゃんを購買部まで連れて行ってくれないか?」

「・・・お願いします」

ナギサが丁寧にお辞儀をする。
そこまで頼まれて断るなんて男じゃないぞ!シズマ!

「・・・。しかたないなぁ・・・付き合うよ」

そういって、2人は購買部に向かって歩き出す。
こうして、二人はカップルになってイリュージョンは大成功だった!という風に終わればよかったのにねぇ・・・。

「カップルにはならないだろ!」(コ)

「良かったのにねぇ・・・ってどういう意味?」(ア)

シルクハットの中から、茶髪に蒼い瞳の少女が飛び出したのだ。
突然出たと思うと、ナギサとシズマのほうに向かって大声で言った。

「待ちなさい!シズマ!」

「・・・煌(キラメ)?慌ててどうしたんだ?」

首をかしげてキラメに問いかけるシズマ。

「話しかけようと思ったら急に消えて・・・”穴”の中に飛び込んだらここにきたのよ!」

「それでどうしたんだ?」

「修行するわよ!修行!」

「一体の何の修行!?」

「剣術の修行に決まっているじゃない!」

「あ、なんだ。俺はてっきり、いつか開かれるという、伝説のマルチトーナメントの修行かと思った。でも、俺はキラメと組むととはっていないよな?」

「え?わ、私はシズマとは組む気はないわよっ!」

「そうか・・・それじゃ、俺は用があるから」

と、シズマはナギサを促して購買部へ急ごうとする。

「もしかして、ナギサと出るつもりなの!?」

「え!?違う!これはただ・・・」

「組む気はないけれど、シズマが組むというならば組んでやってもいいわよ!」

結局、キラメとシズマが痴話ケンカはじめる始末・・・。
それを呆然とナギサをはじめ、ほとんどの人が見ていた。

「ところで・・・呪文を唱えていないのに、何でキラメって子まで出てきたんだ?」

コトキはアースに聞く。その言葉に反応して観客はどよめきだした。

”おい・・・マジックじゃなかったのか?”

”勝手に中から出てきたぞ?”

”もしかして、あれって、購買部で売っている『4次元シルクハット』じゃないか?”

”ということは、いんちきじゃないか!!”

”それじゃ、手品部はインチキだ”

”インチキだ!チキンだ!トロロだ!”

なんだか、悪口を言い出す始末・・・。

「あちゃーバレたか・・・こいつは美しくないな・・・」

「美しい、美しくないの問題じゃねーぞ!」

とりあえず、殺気立っている観客から、コトキとアースは逃げ出したのだった。

「ええと・・・私は購買部に行きたいんですけど・・・どうすればいいのでしょう・・・?」

果たして、ナギサを購買部に連れて行ってくれる救世主は現れるのだろうか?
続かない!

「Σ続かないのかよ!」(コ)










「もう・・・駄目です・・・私はもう寝ます・・・・・・」

昼休みが終盤に差し掛かって、ぐったりと購買部の中にある椅子を4〜5つくらい並べてその上に倒れこむのはオトハだ。

「オトハ!まだ昼休みは終わっていないわよ!!がんばって!」

ユウナが激励するけれど、すでに遅し。オトハはすでに寝息を立てて眠っていた。

「全くこの子は・・・」

そう言って、ユウナはデジカメを構えてオトハの寝顔をパシャリ。パシャリ。

「(これをパソコンにダウンロードして、印刷してと・・・)」

見事に出来上がったのが、オトハのスリーピング写真だ。

「アイドル部の活動に月の恵の音楽活動・・・絶対ファンの間で売れるはず!!」

勝手にそんなの作っていいのだろうか?しかも勝手に売っています。(汗)

「完成!シキトンポン6241!」

そんな裏でもう一人のバイトの子の声が上がった。

「アクア?何ができたの!?」

アクア。彼女もまたヒスイ女子学園3年の生徒である。
つまり、オトハ、ユウナ、アクアは三人ともヒスイ女子学園3年生の生徒であり、仲良くバイトしているのだ。
仲良くバイトしているとは聞こえがいいが、実際は仲良く学校をサボっているといいます。

「何って!?薬を作っていたのよ!私の他にも性転換の薬とかいろいろ作れる人がいるみたいだけど、私も作れたわよ!これがその試作品!シキトンポン6241よ!」

「一体どんな効果があるの・・・?」

ユウナが興味津々に尋ねる。

「それはね・・・」

「くださいりっ☆!」

アクアが説明をしようとするところへ一人の少女がやってきた。
少女・・・う〜ん・・・率直に言ったらロリ系少女?(汗)
彼女の名前はミーナ メタリス イーブイタウン。通称ミーナと言った。

「何がほしいのかしら?」

と、対応に出たのは昼休みの間(今も昼休みだけど)どこかに出てきたルーカスだ。

「いつ帰ってきたんですか!?」

「今よ!それで、何が欲しいのかしら?」

ルーカスが応対に出る。

「大人になれるアイテムをくださいりっ☆!」

「大人になれるアイテムね・・・。口紅とか、化粧品とか、こういうのでいいかしら?」

と、ルーカスが見本を見せる。

「な、何で〜そんなのまでおいてあるんだぁ〜!?」

と、どこからかツッコミが聞こえた。
みんなはツッコミの主を探すがどこにも見つからない。
見つからないので、話を戻した。

「ん〜と、もうちょっと具体的のは無いりっ☆?」

「難しいわね・・・」

さすがにルーカスも首をかしげる。

「(あ!いいこと思いついた♪)ルカさん」

アクアは妙案を思いつきルーカスに相談してみた。

「いいわよ!私が許可する!それじゃ、アクアちゃんに後は任せるわ。私はこのあとの準備があるから」

そう言って、ルーカスはまた購買部から姿を消した。

「(ルーカスさん・・・一体どこへ?このあとの準備って何?)」

不安そうなユウナだが、一方こっちは話がどんどん加速する。

「あるわよ!大人になれるアイテム!」

「ほんとーりっ☆!?」

「これよ!」

そういって、アクアは一粒の薬を取り出す。

「って、それはさっきのシキトンポン6241という薬じゃない!?」

「大丈夫!今ルカさんには許可は取ったわ!」

「それちょーだいりっ☆」

「試作品と言うことで、100円にしてあげる♪材料とかはその100倍の値段くらいかかったけど」

「100倍って・・・10000円じゃないか・・・それで作れるのか?」

とまたツッコミがどこからか聞こえた。

「ありがとリ☆後で早速使わせてもらうりっ〜☆!!」

こうして満足してミーナは帰っていった。

「アクア・・・あの薬の効果って?」

「あの薬を飲むと、10年後の自分に変身することができるの。でも、成功した場合はだけどね。失敗したら私知らない!」

「・・・む、無責任ね・・・(汗)」

この後ミーナがどうなったかは、だいすさんのみぞ知る。

「作者さんは知らないのですか?(汗)」

「フギャ!」

また謎の声がした。それはミーナがその人物を踏んだからである。

「あれ?まだいたの?モトキ先輩?」

ユウナがカウンター越しに倒れている人物に話しかける。
そう、彼は昼休みずっとここにいた。正確には何百人という生徒に踏み潰されていた。
それはナルシスト男も同じだが、彼は意識がもう無いらしい。
モトキのツッコミに対する執念は素晴らしいと褒めておこう。

「ここは・・・褒めるところじゃない☆・・・ぐはっ♪」

気絶するまで、音程をつけて喋るとはキャラの鏡と言えよう。(ェ)

「とりあえず・・・この二人どうしよう?保健室に運ぶように誰かに頼んでみる?」

「いえ・・・ここは私特製の傷薬を飲ませてみよう♪」

アクアは懐から何やら紫色の物体を取り出して、モトキとナルシスト男に飲ませた。
さて、この二人がどうなったかは、後編に続く。
たぶん、この二人は後半には出てこないだろうけど。(ェ)



[207] 酢コンブおくれよ(謎)
だいす けん - 2007年04月02日 (月) 18時27分

「…遅い。一体何をやっているのだ!」

放課後の校門で、一人腹を立てているのは学園でもかなりのツンデレ教師であり、また生徒と禁断の恋愛中であるという黒い噂が流れている大人の割りに身長が低いツッコミ属性の教師……

「(ぷちん)…卍解…!」

あれ? 何、この冷気は?(汗)

「『大紅蓮氷輪丸』! …終わりだぜ、作者」

な、なn(凍って終了)











……などという事は、残念ながら、ない(笑)

「ええい、紛らわしい真似をするな! それから誰が豆粒教師だっ!!(怒)」

誰もそんな事言ってないじゃん。
やーねぇ、被害妄想の傾向がある奴ってw

「……きりきり舞いと刀幻郷、どちらが好みだ?」

どちらも遠慮させてもらうよ。
おっと、そんな事より、そろそろ待ち人がやってきたようだぞ?

「ようやく来たか……。おい、メタリ…ス…?」

振り向き、遅れてきた理由を問いただそうとしたメテオンの顔は、窓の開きすぎによって負荷が大きくなったPC画面のようにフリーズした。

そこに立っていたのは、メテオンと同じくらいの身長の女性。
体型はスレンダーで、顔つきもどこか幼さを残しているが、それがまた魅力となってメテオンの心を捕まえて放さない。

この状況、普通の人間なら『誰だ!?』と叫ぶだろう。
しかし、彼は違った。

「な…ななな、何だその姿は!? 一体何をした、メタリス! また新しいイタズラか!? いやそうに決まっているというかむしろそうであってくれそうであってほしいそうでないと困るんですお願いだからそうであってくださいませご主人様!?」

目の前の女性が、自分の最も愛する女の子である事を即座に見抜いたメテオンは流石…といいたいところだが、やはりこのような異常事態に冷静さを保っていられる程ではなかったらしい。
普段の彼なら絶対に使わないような言葉が口から飛び出している時点で明白だ。

しかし、その原因たる女性…もといメタリスは、平然とした様子でニコニコと笑っている。
メテオンの様子を見て楽しんでいる……というよりは、元々彼女は笑顔でいる事が多いだけだったりするが、とりあえず今はどうでもいい。

「ねぇねぇメテオンっ、今のメタリス、どうりっ☆?」

「は? あー…中々可愛らしいじゃないか……って、そういう問題ではないっ! 頼むから、俺が理解できるように、分かりやすく説明してくれ!」

「えっとねー、メタリス、アクアりんから薬貰ったりっ☆ それを飲んで、マジカルマジック大変身っ☆!」

どこぞの魔法少女の決めポーズを取り、メタリスは片目でウインクした。

「……分かった。あのアクアの名前を聞いた時点で、大体の事情は把握できたからな。……まったくあのマッドサイエンティストどもが……」

軽い頭痛を覚えたメテオンは、片手で頭を抑える。
どうして怒り狂わないのかというと、このような場合、事件の首謀者(今回はアクア達)が彼の反応を想像し、笑い転げているだろうと予測がついているからだ。
もっとも、そのアクア達より遥かに上を行く怪物カナがこの学園に存在する以上、半端な実力で抗うと色々な意味での『最後』が待っている事は想像に難くないだろう。

「メテオン、どうかしたりっ☆?」

いつの間にか、メタリスがメテオンの顔を下から覗き込んでいた。
その距離、実に5cm程度。

「っ!! ななな、なんでもない! そ、それよりさっさと行くぞ!」

慌てて顔を背け、大またで歩き出したメテオンだがその顔は真っ赤である。

「メテオン、顔真っ赤っ☆」

「う、五月蝿いっ! 早く来ないと置いていくぞ! 元々お前が言い出した約束だろうがっ!(赤面)」

「うんっ☆! メテオン、今夜は一杯遊びっ☆!!」

そういうと、メタリスはメテオンの腕に抱きついた。
普段は背中に飛び乗るのだが、今回は身長の関係上仕方ない。
まあ、どちらにしてもメテオンが困惑するのには変わりないのだが(笑)

「こ、こら! 誤解を招くような発言をするなーっ!!(汗)」

こうして、ツンデレ教師とロリロリ生徒の熱い夜が始まるのであった……。

「作者ーっ、貴様、後で覚えていろっ!!(怒)」

[225]
アット - 2007年05月30日 (水) 01時42分

 放課後。

「ふぅ〜。そろそろ帰るか」

「エイ君、お疲れ様。一緒に帰ろ♪」

「! ミミ……」

 自主練習を終えた少年エイは、まだ高校一年生。
 高等部の野球部の中では、まだ新米(ペーペー)なのだ。
 それでもエイは、先輩たちから羨ましげな視線で見つめられる。
 理由は言うまでもなく、隣にいる巨乳美少女だ(爆)。

「新人のくせに、あんな可愛い子を連れやがって……!」

「ていうか、せっかく美人マネージャー入ったと思って、狙ってたのになぁ」

 2人は、特に付き合っているという告知はしていない。
 いや……そもそも、少なくともエイはまだ、付き合っている気はないようなのだ。

 もちろんエイは、ミミに対して気はある。
 だが、まだお互い告白はしていない……。

「…………」

「ん? エイ君、どうかしたの?」

 気づけばいつも、側にミミがいる。
 それが当たり前になってたからこそ、余計に気になるのだ。
 彼女が……自分を、どう思っているのか。

「なぁ、ミミ」

「え?」

「……その……」

 エイが、ためらい気味に次の言葉を口にしようとした……。
 その、次の瞬間。

「アース、どうすんだ!?」

 邪魔な、コトキの大声が聞こえてきた(ぁ)。

「手品部はインチキって噂広まって、部費削られるらしいぞ(汗)」

「おかしい……。何故、こんな目に!?」

「お前のせいだろ!!」

 今日も賑やかな、タマ大附属の一コマだった。

「…………。なんか、大変そうだね」

「そ、そうだな……」

 かくして、エイ。
 本日もミミに、聞きそびれる(ぁ)。

[232]
Hiダッシュ - 2007年06月14日 (木) 22時31分

以下、だいすさんとアットさんのネタから『本日の売上〜ガリガリアイスはアイスではなくカキ氷なんじゃないか?そう感じさせる3時のおやつ時〜』つまり、本日の売上3に続きます。(ぁ)



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