[782] タマムシとヒスイはカオスの味 その6【途中】 |
- 雪 - 2011年08月02日 (火) 10時29分
「……俺、学校に来た筈……だよな……?」
変わり果てたタマムシ大学付属学校の惨状を見て、紅月 武玄(アカツキ タケノリ)は呟いた。 目の前に広がるのは一部派手にぶっ壊れた校舎と、倒れている人。人。人。 中には包帯でぐるぐる巻きにされていたり、点滴のチューブが繋がれていたり……。 この様子じゃ「学校」というより「病院」に近い。 しかし彼がいる場所は間違いなく彼の通っている学校……タマムシ大学付属学校なのだ。
「昨日熱で休んでる間に何かあったのか?」
「あれ、タケちゃん? 学校来れるようになったんだね♪」
呆然としながら呟くタケノリに対し、そう声をかけるのは彼の幼馴染兼恋人である堂山 瞳(ドウヤマ ヒトミ)。 タケノリが前日休んでたからか、彼の姿を見たヒトミはどこか嬉しそうだ。 しかし彼女の様子が喜怒哀楽のどれを現していようが、今のタケノリには関係ない。 彼の頭の中はたった1つの疑問でいっぱいだったから。
「……なあヒトミ。これ、一体何があったんだ?」
「え? え〜っと……。…………。……続く〜」
「Σ続くなっ!」
タマムシとヒスイはカオスの味 その6 雪のターン 〜「そんな猟痢で大丈夫か?」「大丈夫だ、問題ない」〜
「大丈夫なわけ、あるかーっ!!」
このツッコミは一体誰がやったのか? 全ては謎に包まれた……。
「Σ何で!?」
まぁご想像にお任せしますってことで。
料理:材料に手を加えて食べ物をこしらえること。また、その食べ物。調理。
では「猟痢」とは何か? これを読んでいる君たちにはもう理解できているであろうが、ここで一応おさらいしておこう。
例えば、何か気泡がボコボコと言っていたり何か異物が浮かんでいたり「青」や「紫」などの食欲を殺ぐ(そぐ)ような色をしていたり……といった、明らかに「これは食べ物ではない」と思われるような物体。 例えば、見た目は綺麗でおいしそうなのに、いざ食べてみると気を失ったり爆発したり魂が抜けたり消滅したりするような物体。 例えば、…………。
これ以上挙げていったらキリがないが、要するに「猟痢」とは”食物”が”毒物”や”兵器”に進化したものである。
そしてこの「猟痢」を作り出す人物が、この学園にはそれはもう数え切れないほどいた。 「料理が下手」レベルだったり、自覚があったりする人は、まだいい。 (自覚があるのにわざわざ「猟痢」を作り出す人物がいればそれはそれで厄介だが) 問題は、自覚無しで「猟痢」を作り出す人物がそれこそこの学園にはごまんといること。 下手したら死人が出る可能性だってありうる。
――だがしかし、彼女達は作り続ける…… ――世界一の猟痢使いマスターを目指すため……
「Σそんなもん目指すなーっ!!」
このツッコミが誰かもご想像にお任せします(ぇ)
「……で、倒れてる人達の大半は『猟痢』の餌食。残りはマサシ先輩達の暴走に巻き込まれた。……って解釈でいいのか?」
「うん。……多分」
「あのな(汗)」
タケノリとヒトミは、もう病院と言うより死体安置所に近い校舎内を歩き回りながら、そんな会話をしていた。 学校自体がこんな様子じゃ、授業なんてとても行えない。 ……っていうか、この学校がまともに授業することなんてあるのか?(ぁ)
「しっかしこの状況どうするかなぁ……?」
いつもなら放っとくのだが今回ばかりはそうはいかない。 何故なら、ぱっと見る限りでは自分達ぐらいしかまともに動けそうな人物がいないのだ。 そんなことを考えていると、不意に誰かが彼の服をくいくいっと引っ張った。ヒトミだ。
「ねぇねぇ、タケちゃん」
「? ヒトミ、どうした?」
その問いに答えるように、ヒトミはある方向に指をさす。 彼女が指した方向を見ると……タケノリのよく知る人物がそこにいた。 紅月 白亜(アカツキ ハクア)……彼の双子の妹だ。 ハクアの姿を見たタケノリはすぐに駆け寄って彼女に声をかけようとし……そこで固まった。 何故なら、ハクアが何か「得体の知れない物体」を持っておいしそうに食べていたからだ。
「……ハクア。一応聞くけど何食べてるんだ?」
「オムライスです〜♪」
「それがオムライスなら俺の知ってるオムライスは一体何になるんだろうな(汗)」
説明しよう。 彼女――ハクアは、猟痢使いではない。寧ろ料理自体は上手い方だ。 しかし、どんな『猟痢』であっても「おいしい」と言いながら食べてしまう程の味覚音痴なのだ。 ってか最早「味覚音痴」ってレベルではない。
こうして ハクアが なかまに なった! ▼
「え? え??」←ヒトミ
「さて、これで大体の始末は終わったかな」
「「…………(汗)」」
屍の山の上に立ち、どこかスッキリした様子でそう言うマサシ。 そんな彼を、無理矢理付き合わされた常識人2人はもうツッコミする気力すら無い様子で呆然と見ていた。
「これ、皆が起きたら何て説明すればいいと思う……?(汗)」
「俺が知るか……(汗)」
常識人2人――フィルと十六夜は、どこか疲れた様子でそう呟いた。 しかしそんな2人の声は、マサシの耳には届かない。 何故なら彼は、不意に”何か”の気配を感じ、その気配の方向へと意識を集中させていたからだ。
そして……
ヒュンっ!
「!?」
”何か”がいきなり飛んできたので、マサシは半ば反射的にそれを掴む。 その飛んできた”何か”とは……。
「……鞘?」
そう。 通常、刀を収めるために使う筈の鞘だった。 そしてその鞘を投げ飛ばした人物は……。
「はしゃぎすぎたな、マサシ先輩」
「! タケノリ……っ」
「(あれ? タケノリのセリフどこかで聞いたことあるような……)」
鞘を投げ飛ばした人物。それはタケノリだった。 何故か彼の手には抜き身の剣がある。 そんなタケノリの様子にフィルはどこか違和感を覚えるが、自身が感じたものが正しいのかどうか、いまいち確信が持てない。 しかし彼の次のセリフにより、その違和感は正しいものだと確信する。
「そろそろ舞台から降りてくんねぇかな」
「Σやっぱりボイスネタだーっ!?」
「つかあいつってこっち(ツッコミ)サイドじゃなかったか!?」
フィルと十六夜が、順にツッコむ。 しかしそんな2人のツッコミも暖簾に腕押し、糠に釘。 マサシとタケノリの2人にはそんな言葉聞こえていなかった。
「へぇ……」
剣を構え戦闘態勢へと入っているタケノリを見て、マサシはニヤリと笑う。 そして――
「瞬け、明星の光! 喰らいやがれ、”天翔光翼剣”!!」
「夜天の極光に慄け! 落ちよ、”ディザスターライト”!!」
――2人の技が、激突した……。
*****
久々に学園覗いたら、いつの間にやら自分の番が回ってきてた。 久々に学園書いたら、何が何だかよくわからないものになった。 とりあえずまだ途中なんですが、一応ここまで書いてますよってことで公開。 しかし学園大分過疎ってるけど誰か読む人いるのか……? 後キャラの口調が合ってる自信が全くと言っていいほど無いです(汗) とりあえず完成したらまた来ます。……完成するのはいつになることやら。
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