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タマムシ大附属学校

ポケモンのオリトレ小説、学園パラレル企画掲示板。
要するに、オリトレ達のドタバタ学園コメディ(待て)。
物語がどう突き進むかは全く不明ですが、何はともあれ楽しみましょう。

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[730] 演劇大会〜太陽のカケラ編(3)〜
日乃 水葉 - 2009年05月20日 (水) 23時45分

中等部3−A・・・衣杏にとっては自分のクラス・・・へ向かう途中、購買へ立ち寄った、のだが。


「・・・・・・ミオ、それ昼も食べてたよね?2つも。」


と響香が思わずつっこめば、


「好きだから。悪いか?」


と言ってフルーツの乗ったタルト風のパン(3つ目)を普通に食べだすミオがいたり。


「・・・・・・よくそんなに甘いものが食べれるな・・・・」


と若干甘いものが苦手なロゼが呆れていたり。
その横で聞かなかったふりをしようとしている衣杏がいたのだった(ぇ)


そのような会話の後、彼らはややゆっくりと目的地へ歩いて行く。
・・・あ、ちなみにこのメンバーでいる理由は前話参照ね?



ぺきっ!


そんな音を立てて、響香が持っていたペットボトルのふたを開けて口をつける。
その横ではまだミオが甘いものを語りたそうな様子だったが(ぇ)

そして、飲んでいるその時、衣杏がふと思いついたように言った。


「そういえば思ってたんだけどさ・・・響香っていつからフィーが好きなわけ?」


あまりにも自然だったため当の本人も理解するのに数秒を要した。
・・・が、気づいたと同時に、飲んでいたものを吹き出しかける。


「な、ちょ、ちょっといきなり何っ・・・をっ!!」


見るからにわかりやすく動揺している響香を見て、次いで衣杏をちらりと見たロゼは衣杏に尋ねる。


「・・・それは、幼馴染としての心配か?それともただの興味か?」


「半々・・・かな」


Σちょっと待て衣杏お前!そこ普通は心配というべきだろ!?(多分)

まぁそれはともかくなんとか復活した響香はぼそりと呟く。


「・・・そういえば、この話は天海と十六夜にしかしてなかったっけ?」


その言葉に一瞬衣杏がむっとした表情になった。
まぁ気づいたのはミオだけだが。


「・・・うーん・・・なんていえばいいのか・・・あれは・・・」



あれは、僕がフィーと出会った後、何度か話していた時だっけ。


「ねぇ・・・響香って好きな人とかいないの?」


そんな突然の彼女からの問いかけにちょっと驚いたけど、その時はまだいなかったから素直にそう答えた。
そしたら・・・


「そっか・・・いないんだ・・・?」


何故か彼女はそう言って微笑してたんだ。
その時の表情に、なぜだか惹かれて・・・




「・・・それで、現在まで至るわけで・・・って何いわせるのさ?!」


と、廊下の真ん中であることを忘れて思わず叫ぶ響香に対してここまで黙っていたミオが一言。


「いや、追及したのは衣杏だけど言ったのは響香、お前だろ」




同じ頃、図書館でも恋に悩む少年が1人・・・。


「・・・奏・・・?どうしたの、一体」


タイムはとても困っていた。
どうしてこの目の前の少年はかなり複雑そうな表情で(図書館の)机に突っ伏しているのだろうか?


「最近・・・青乃がテンとかなり仲がよさげなんだ・・・」


「えーっと、それで?そのことと今のこの状況、どういう繋がりなの?(汗)」


どう対応すべきかと考えた後、とりあえずタイムは素直に思ったことを言うことにしてみた。
すると、更に奏の落ち込み具合が増したようだった。


「本当に何があったの?いや、月の恵に青乃とテンが関わってて、よく一緒にいるのはわかるけどさ・・・」


その瞬間、奏はタイムの肩を掴んでいた。
そして何故か揺さぶっていた(ぇ)


「それが問題なんだよ!それがっ!!・・・それまではただのクラスメイトの関係だったのに・・・!」

「ちょ、ちょっと!とりあえずわかったから手を離して!!」


タイムの慌てように気づき、そこでようやく冷静になってきたらしい奏。
しばらくして、今度は声を小さめにして話し出した。


「・・・ここによく来るのも、そもそも青乃が図書委員でたまにいるからなんだ。・・・学年が違うようになったから会えるチャンスがなかなかここ以外にないんだよ・・・」


ちなみに今日は青乃はいません。担当の日じゃなかったみたいです。


「そういえば、そんなことをリリスが教えてくれたような・・・。それはともかく、青乃本人にテンのことをどう思っているか聞いたことは?」


あ、詳しくは奏の設定参照ね?(何)

って・・・タイムが何気にさらっと核心に触れてるし!?


「聞いて・・・聞けてない。でも・・・さ、テンはどうも・・・本気、なんだ」


「・・・えっと、それは、誰情報?」


前半はここまでの会話でそうだろうな、となんとなく思っていたタイムだったが。
奏の口からは予想外の返答がきたので思わず聞き返していた。


「・・・リグラが言っていたんだ。」

「え?」

タイムから視線を逸らすようにしつつ、奏がぼそりと言ったので、うまく聞き取れない。
いや、聞き取れなかったのはほんの一瞬だが。


「『最近、兄貴がやたらと青乃の名前を出しててちょっと**』って。・・・あ、後・・・」


・・・・・・・・・む?
リグラってこんな口調でよかったんだっけ?雪さーん、どうだっけー!?


「Σ作中で聞くの!?・・・というか前回と同じツッコミを僕にさせないでよ!?」←前回のツッコミ担当はカイリでした。


「・・・それに、カイリも・・・」


奏が言いかけたところで、視線が、止まった、
不思議に思ってタイムが見ると、そこには・・・


「あれ?2人とも、こんなところで何やってるんですか?」


・・・テンがいた(ぇ)



「い、いやちょっとした話をしてただけで・・・」


話題に挙げていたその本人が現れて、奏は明らかに狼狽している。
そんな奏とは対照的に、タイムは冷静にこう言った。


「・・・えっと、自分で納得がいかないなら、ちゃんと気持ち、伝えた方がいいよ?」


・・・あ、テンをスルーして発言した!?(汗)


「そうは、いっても」

そんなタイムの言葉にも、どこか躊躇するような様子の奏。
それに対し、タイムは真剣な声でこう続けた。
(あ、ここまでも真剣に話聞いていたと思うけど、その中でも特に、という意味ですのでお間違いなく(ぇ)



「告白する、しないは奏の勝手だけど・・・、言わないままで後悔してもいいの?・・・僕だったら、その前にやれることをすべてやって、どうしようもなくなるまで頑張ってみるけどね。」



僅かな苦笑の後、奏は今度はタイムからは視線を逸らさずに、呟く。


「タイムの言う通りだな。・・・俺は何もせずに、諦めて、自分の気持ちから逃げようとしていた。・・・だから」


その続きを言った奏はどこか顔が赤かった。
それを見て、タイムが笑う。


「よかった、元気でたみたいで。」


「・・・ん?結局何だったんですか?」


「いや、あーうん、これは・・・そ、それよりも!」


わけがわからない様子でテンが問いかけるも、奏は言葉を濁し、話題を逸らしていた(おい)



その後、どういう経緯でそんな会話になったのかは謎だが。
「最近うちの作者が本編より学園に力入れている!」やら「お母さんが最近今まで以上に自由すぎる!」とか「部長権限が俺にはあるのか時々疑問に思う・・・」「準優勝って嫌ですね・・・」などなど。
作者に対する文句やら周辺の人物に対する不満などを言い合う愚痴大会に発展して30分ほど図書館の一角で盛り上がっていた・・・らしい(滝汗)

・・・しかしこれ以上はいろいろ怖いのでカットの方向で。
内容はご自由に想像してください(ちょっ)



奏がタイムに何を言ったのか・・・は後で明らかにするとして、舞台はヒスイへ。

クロスへのスターチスからの電話以前にどのようなことがあったのか・・・から説明することになるのだが。


はっきり言ってしまえば、よくある「教師同士の対立」の構図が原因である。
・・・最も、このヒスイ女子においてはそれだけではないのだが。




「・・・というわけで、連絡は以上。今日は終わり・・・」


ヒスイの高等部1-1。
そこでは今まさにHRを終えようとしていた。・・・が・・・。



「シシーちゃーんっ♪俺と一緒に・・・・・・」


「うるさい。うちのクラスはまだHR終わってないのよ!」


げしっ!!


そう言うと同時に、やたらとテンションが高い男に蹴りを入れる女性。


・・・それを見て、1-1で話していた男性教師が言う。


「・・・サイアス君、コスモスさん・・・もう下校時間だからな、暴れるなら廊下はご遠慮いただきたいんだが?」


・・・「ずれている」・・・そう思うべきが普通だろうが、誰もつっこまなかった。
いや、あえて言わなかった、の方が正しいかもしれない。


「それもそうね。・・・そんなわけで、続きは校庭でやらせてもらうわ。スターチス。」


と、納得(!?)した女性・・・コスモスは懐からマイクを取り出し(何故)、軽く振る。

するとマイクは鞭へと変わり、一瞬でサイアスの両手を拘束した(爆)


「あっ!?コスモス、てめっ・・・俺は納得してねぇ!ってか聞け!!」


ずるずるずる・・・


どこか(多分高等部の校庭だろうが)にコスモスに引きずられていく男・・・サイアス。

それを止めもせず、眺めていたスターチス、と呼ばれた男性教師は冷静に一言。


「では、終わるぞー」


Σさくっとスルーしてる!?

・・・・・・ってコスモスさん、あなたふつーにボイスネタしてるよね!?



「す、スターチス先生・・・いいんでしょうか?それで」

そう口にしたのは綺咲。
だが、彼女じゃなくともそう思っている人は多いはずだ。



「・・・綺咲、気にしないで行くわよ。今日は・・・」


「わかってる!今日は打ち合わせ、でしょ?」


鞄を持って、綺咲に声をかけるのは響香の想い人ことメフィン。

気がついた綺咲が近づいてくるのを視界にいれつつ、彼女はぽつりと言った。


「・・・響香に会う口実が増えたのは喜ぶべきなのかしら・・・?」


「どうした、メフィン。複雑そうな顔して?」


そんな彼女を覗きこむようにして背後から声をかけてきたのはシシー。
そう、たった今連行されていった彼が口にしていた人そのものである(ぁ)


「え、あ、な、なんでもないわよシシー!じゃ、ま、また明日・・・っ」


「?・・・まぁいいけどな。オレはもう少しだけここにいるつもりだから、またな」


若干不思議そうな顔をしていたシシーだったが、その表情はすぐに呆れに変わる。


「シシぃー・・・このプリントの答えみせてー・・・あっちはもうだめー」

「リロ、どうしたー?」


どうも、リロが何かのプリントを前に苦戦しているらしかった。
泣きついてきた(ように私には見える)リロに、とりあえず何で困っているのかシシーは尋ねてみた。



「リロじゃないもん!リロートだもんね!」


「あーはいはい(ったくしょーがねーな)」


そして、シシーはそうぼやきつつもリロの手元のプリントを手に取る。
軽く目を通した後、シシーによる的確な指導が始まったそうな(ぇ)




・・・その頃。高等部の校庭では。


「今日こそは決着つけてやるわ、サイアス!!」


コスモスがどこからか細身の剣を取り出し、サイアスに突きつけていた。

一方のサイアスも、黙って突きつけられているわけではなく彼もまた1つの剣を構えていた。(鞭による拘束はすでにとかれたらしい)
その名は「氷の牙」。


「はっ、生憎だが俺はシシーちゃん以外(の女)に興味ねーんだよ。その邪魔をするようなら・・・誰であろうと潰す!!」


今、不穏な戦いが始まった!!(ぇ)







・・・・・・そしてそのしばらく後スターチスがボイスネタで収拾を図るもうまくいかず、クロスにヘルプが求められたというわけだ(おい)






「ちょうどいいタイミングで戻れたみたいだな。っと・・・ロゼ先輩?どうしてここに?」



衣杏たちが中等部3−Aにたどり着いた頃、手に何かを持っている十六夜がそう口を開いた。
教室の中には天海、そしてメフィンと綺咲の姿もある。

メンバー集合だねー(ぇ)



「ん、あぁ・・・実は(説明中)」


十六夜の疑問にロゼが答え、十六夜が納得したところで改めて全員向き合う。


「・・・あれ?そういえばクロッカス先生は?来るとか言ってたのに・・・」


そんな時、ふと天海はこう漏らす。
・・・そういえばミオと一緒にいた時に会ってるもんね(何)

その疑問に答えるはミオ。


「・・・コスモスさん、だってよ」


「・・・・・・そういうことね(苦笑)」






「ったく・・・姉さんは・・・!・・・あ。」



そしてヒスイにたどり着いた(近所だからそんな距離があるわけでもない)、クロスはすぐに見つけた。

とある男女が剣で斬り合っている光景を。



「・・・前の時より悪化してる・・・・・・しかたねーな」



やれやれ、とため息をつくと、クロスはどこからかハイラルの盾を取り出し・・・2人に近づいた。
(ハイラルの盾だっけ?あれ、違う?・・・ま、いいや。ともかく時オカの大人編標準装備のあの盾です(ぇ)



そして・・・・・・・・・・




がきんっ!!!!!!






「っとに・・・いい加減にしろよな、姉さん。それに、サイアス先生。」




左右からの斬撃を、受け止めてこう呟いた。

その瞬間、何故か周りにいたギャラリー(主にヒスイの関係者だろう)が「すごい!」やら「かっこいい!」という声が聞こえてくる。


しばらくすると、受け止められて、やや平静をとりもどしたのであろうコスモスが口を開く。


「クロッカス・・・?・・・あーあ、何か馬鹿らしくなったわ。今日のところはこのへんにしといてあげるわ」


「・・・あのなぁ、姉さん(汗)」


そんな姉の態度に呆れるクロスだったが・・・


「はっ、確かに時間の無駄だな。そーゆうことに今回はしといてやる」


・・・サイアスも、サイアスだった(爆)





「・・・・・・なぁ作者。・・・俺の来た意味は?」


・・・あるじゃないか、戦いを終わらせたという意味が。


「・・・はぁ・・・」



こうしてなんかよくわからないままヒスイ騒動は終結・・・したと思う(ぇ)






「とりあえず、台本は俺がやるからいいとして・・・問題は、配役だな」


そう言って、ロゼは7人に顔を向ける。

・・・問題は、彼の言うとおり、配役にあった。この少ない人数で何人出るか。



「・・・・・・というか、とりあえずミオ。食べるのはいいが後でもいいだろうが」


・・・ん?ミオの手元にはクッキーが・・・?


「・・・いや、まぁ約束だったし・・・」


あー十六夜言ってたもんね〜。(ぇ)



「・・・ん、あぁ・・・で、どうすんだ?・・・俺はアクションとかあったら無理だぞ」


渋々食べていた手を止めると、ミオがぽつりと言う。


「でも、それならミオ君はどうするの?」


そういえば、という表情をしつつも綺咲も気にする。
しばらく場が静まったところで、衣杏が口を開く。


「・・・ナレーションもいるんじゃないかなぁ?」


「あ。そういえば・・・ミオ、お願いできる?」


咄嗟に天海がこう言えば、ミオは頷く。
・・・が、そこで十六夜が微妙な表情をしていた。


「どうかしたの、十六夜?」


それに最初に気がついたメフィンがぽつりと呟くと、十六夜は言った。


「・・・それはいいんだけどよ、他全員が舞台に出たらそれはそれで問題じゃないか?」



「えーっと、つまり、裏方も必要っていう話だよね?」


それを聞いて納得したような様子で響香が言えば、天海も続く。


「あー・・・それ忘れてた・・・どうしよう?」






「・・・なら、5人・・・までか?」



ぼそりとそう吐き捨てると同時に、ロゼの手は、何かを書きだしていた。

2分ほどすると、彼の手元で大まかな企画案がノートの1ページに出来上がっていた。



「こんなもんで、どうだ?」



そうして、ロゼが提示したその企画案を見た一同は、驚きと尊敬を彼に向けていた。



「・・・すげぇ、こんなすぐにここまで書けるもんか?」←十六夜


「これなら、無理もそんなにない・・・?」←天海


「先輩すごーい・・・。ねぇ、お兄ちゃんも思わない?」←綺咲


「う、うん・・・これはかなりいいよ!」←響香




こうして、着々と話は進み・・・




「よし!衣装できたぜ♪」


「Σいくらなんでも速くないか!?」


「え、これぐらい余裕ですけど?・・・それに、天海ももう終わってる。」


被服室。・・・の一角。
様子を見にきたクロスが驚くほどの驚異的な速さで十六夜が衣装を完成させていた。
そして、十六夜が言う通り、その隣では天海が作っていた小道具が山積みになっている(ちなみにすべて仕上がっている)。





そして一方別の部屋では。



「え、えっと・・・」


「駄目。そこはもっとこう!」


「やけに厳しくない!?」



何故か天海が響香相手に妙に厳しく演技指導中だったりしていた。


その横からは、何かを組み立てる音が奏でられている。



とん! かここん! がんっ!



「・・・違っ・・・ミオ、そこは・・・」


「あ、悪い・・・」


「大丈夫?手伝う?」


少し苦戦しつつ、木材を組み立てる衣杏とミオ。
それを気にして作業を中断して心配そうに声をかける綺咲。

近くにはメフィンが座り込んで、木材に色をつけている。



そんなこんなで作業自体は順調そうに行っているように見えたのだが・・・・・・・・・







「・・・どうしよ・・・う?」



ある日、天海は携帯電話を片手にそんな言葉を発していた。



『うーん・・・とりあえず、無理はさせるわけにはいかないから・・・響香は、どう思う?』


『・・・できてるところまでもらって僕たちで仕上げるのが一番と・・・けど・・・』



どうやら、天海の電話の相手は衣杏のようだ。そしてその近くに響香もいた。

電話越しに本気で困っている彼の元に、新たな人物が顔を見せる。



「・・・これは、俺のせいかもしれねぇな・・・」


「・・・・・・クロッカス先生?一体どういうことです?」



その人物とはクロスだったのだが・・・その言葉に、天海は思わず聞き返していた。

クロスは苦笑を隠そうともせず、呟いた。



「・・・ロゼが風邪こじらせたのって、多分、俺が悪い・・・。・・・・・・・大事な用があったとはいえ、あいつに風邪気味な状態で会ってんだよ、俺・・・」



「あの、クロッカス先生・・・」



そんな様子にどう反応していいのか困った末に、天海は携帯電話をクロスに差し出す。



「・・・電話?」


「今、衣杏と響香が、ロゼ先輩の横にいます。・・・どうしようか、考えていたところなのですが・・・」



それを聞いて、クロスは天海から携帯電話を受け取り、言った。


「・・・わかった。・・・とりあえず、ロゼにどれぐらい進んでるか聞き出せないか?」






「・・・これは、また・・・微妙なところだな・・・」



2時間ほどの後、クロスはPCのモニターを・・・メールを見て思わずこう呟いていた。

隣にいた天海も、微妙な顔をしていた。



「・・・ここから、終わりまで・・・時間がそんなにない・・・」





その日から、数日。
演劇大会の開催まで2週間を切るか切らないかの微妙な頃・・・。



「ちょっと強引だけど、もう時間が僅か。・・・これで行くよ!」


天海が、ロゼの未完成の台本に加筆したものを全員に見せていた。

正直言って、天海にははっきりとした自信がなかった。
だが、それでも・・・と、それぞれが決意を新たに、開演に向けての最終準備を始め、気がつけばリハーサルの日が訪れていた。



舞台上では、綺咲と衣杏が向かい合っていた。
そこからセリフのやりとりが行われている。


動きが多い部分らしく、セリフを言っている間にも少しずつ位置が変わっていく。

その舞台の下ではロゼが僅かに驚きを顔に浮かべながら、見ている。
・・・というのも、このシーンが「加筆された部分」であり、ロゼはこのリハーサルまでどうなっているのか見たことがなかったのだ。

そんな友人の様子に、軽く笑むと、クロスもまた同様に見入っていた。
・・・そんな時。



ぱきっ・・・



そんな音が衣杏の耳に入る。
咄嗟にその音がした方向を見ると、背景として置いてある木の板が、折れかかってきていた。
そして、その場所は・・・・・・・



「・・・やばっ・・・。綺咲!」


「え・・・?・・・!?」


衣杏が気づいて綺咲に慌てて声をかけた瞬間には、もう完全に折れていた。

急で避けられない・・・!・・・と綺咲は思わず目をつぶるが、彼女に痛みはこなかった。
不思議に思って、恐る恐る目を開けると、僅かに苦悶の表情を浮かべる衣杏の姿があった。



「衣杏君!?・・・・・・もしかして、あたしを守ってくれたの?」



「えっと、怪我とか・・し・・・・っ!」



心配する綺咲に衣杏は自分は大丈夫だと伝えようとするが意外に強く板で左肩を打ったようで、言葉に詰まる。

それを見て、二人の一番近くにいた十六夜が、舞台袖から駆け寄る。



「おいっ、大丈夫か!?」



近づいて来た十六夜が一瞬だけ眉間に皺を寄せると思うと、衣杏に問いかける。

すでに衣杏はその場にしゃがみこんでいたのだが。


「・・・大丈夫じゃなさそうか。とりあえず着替えて保健室に・・・つか、立てるか?」



その問いかけに対しては衣杏はゆるく首を横に振る。
仕方ない、と思って十六夜は手を貸そうとしたが、その前にクロスが舞台に上がってくる。



「衣杏のことは俺に任せてくれるか?・・・リハーサルは今日で最後だ、だから・・・」


「・・・わかりました。頼みます」


十六夜はクロスと手短に言葉を交わすと、周りのメンバーに呼びかける。



「続き、やんぞ!ここを使えるのは本番前には今日しかないんだからな!」



その言葉に若干困惑の様子を示すのは、響香だった。


「それはそうだけど・・・けど、衣杏が」



十六夜もそう言われることは予想済みだったらしく、不敵に笑いながら言った。


「衣杏のところは俺がやる。・・・演技は無理かもしんねーが、セリフならわかるからな」


一見すると無謀にも聞こえるが、実際十六夜はここまで裏方として動くのに台本の内容を一通り覚えていた。

そしてそのことを一番理解していた天海が言った。


「やろう、みんな!・・・十六夜なら大丈夫。演技のことは後で僕がなんとかするから、ね?」




こうして、リハーサルの続きがなんとか行われ、その翌日から公演前日まで、十六夜と天海が連日深夜まで演技の集中レッスンをしていたという。





----------そして、ついにその時がやってきた。





「・・・その、兄貴・・・それにみんな・・・ごめん」



舞台袖で衣杏が申し訳なさそうに口を開いている。

あの後、検査の結果、見た目ほど大した怪我ではないとわかったのだが、それでも絶対安静を言われていた。
現に今、彼の左肩には包帯が巻かれていた。
そのことでほとんど手伝えなかったことでそう言っているのだろうが、十六夜はそれを一蹴した。



「あのな、衣杏。あれはお前のせいじゃねーからそんなに気にすんな。大体、本番前にそんな顔してんじゃねーよ!」


「そうそう、それに僕たちとしてはいてくれるだけでもいいんだ。」


天海が十六夜に同意するとようやく衣杏も少し笑顔を見せる。


「・・・じゃあ、みんな頑張ってよ!」




「わかった。・・・・・さぁ、始めようぜ!!」



いつの間にかすっかり集中していた様子の響香がそう声をかけると、一同が開演に向けての決意を胸に舞台へと歩き始めた。





■あとがきその3■

今回は19.5kbまで行きました←
例の如く、このあとがきは除いた長さです。
にしても、回を重ねるごとに長さ増えてる!(ぁ)

色々とトラブルやらなんやらありましたが、次回いよいよ本題の演劇が行われます!


響香「なんか途中で省略してたのは気のせいか?」


・・・次回、響香が主役らしく活躍するはずなんでお楽しみに!
とにかく、待たれよ!!


・・・・・・さーて後何人でるかなー?
予測不可能だよ・・・(え)

[731]
零崎 十六夜 - 2009年05月20日 (水) 23時54分

タイム「(ブツブツブツ)」

・・・うん、色々言いたいのは分かるけど

タイム「奏さんのおかげで大分楽になれたよ」

・・・たまってたんだ、ストレス

タイム「お母さんとか作者とか」

・・・終わります

タイム「何も内容について言ってないよね・・・」

じゃあ、これで

『タイムの真剣な言葉は正に彼の言葉です。的確にタイムのセリフ言わせて頂いてありがとうございます』

タイム「・・・」

そして、もう一つ感想。

やっぱクロッカス先生苦労してますね・・・色々と。

タイム「コスモス先生とか色々」

・・・うん、まあ、ね(ぇ)
とりあえず、頑張って下さい☆

タイム「他人事じゃないでしょ・・・(汗)」

[734] 絵茶での話に基づいて
ガルダ - 2009年06月13日 (土) 01時01分

何人出てるか数えようとしてみたが、途中で諦めたよ!

レン「…(汗」

いやー予想以上に出てるっぽいな…そして相変わらず長さも増えてると。…流石に、次も増えたりは…わからんか(爆

※時オカで大人リンクが持っている盾は『ハイラルの盾』でOK。
参考までにムジュラの仮面だと『勇者の盾』に代わってる。



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